2019年8月8日
【東広島の企業】県内15店舗展開「西條商事株式会社」
東広島で就職ってどこですればいいの?そもそも東広島に就職できるところってあるの?
そんな学生の皆さんへ東広島の企業を紹介!
今回紹介する東広島の企業は
食品スーパーのショージを県内に15店舗展開する
「西條商事株式会社」
トマトのマークが目印の食品スーパーマーケットを県内で店舗展開。店舗はショージの愛称で市民に親しまれている。
「地域密着」「良質安価」をモットーにした、新鮮な生鮮食料品が買い物客の人気を集める。
スーパーは東広島市や広島市、三原市などで15店舗を展開。うち東広島には10店舗を構える。「本物のおいしさ」「安心・安全」「地産地消」「健康」の4つをコンセプトにした商品をそろえているのが大きな特長だ。
店内には、産直野菜コーナーを設け、東広島と近郊の農家が地場野菜を直接納品している他、農事組合法人などと直接取引を行い、旬の農産物を安価で販売している。
魚に目を向けると、売場には一匹丸々の、いわゆる丸魚の多さが目に付く。
「他のスーパーと比べると、丸魚の数は圧倒的に多い」と蔵田亮常務。いろいろな種類の魚を目で選べる楽しさが、買い物客の人気を集めている、という。
蔵田常務は「地元に軸足を据えた商品構成と、旬・素材・価格はショージの生命線」と力を込める。
創業は1951年。卸問屋が出発点で、蔵田常務の曽祖父の故求さんが賀茂郡(現東広島市)の小売店を対象に日用品の卸売りを始めた。小売店への展開は2年後の53年。
地域の要望に応える形で、卸売業の傍ら、西条本町(旧西条町本町)に小売部の「主婦の店」を出店した。63年、西条岡町(旧西条町岡町)に2号店を、68年、八本松町磯松に3号店をオープンし、店舗名を現在のショージに改めた。
70年代に入ると多店舗展開を打ち出し、東広島市内を中心に次々と出店攻勢をかけ、ショージの知名度を上げていった。
平成の時代には、衣料品専門店のカレンズや、業務用食品を扱う食品スーパーの開店につなげた。さらなる飛躍を図るため、卸部門を廃止、小売り一本に集中する体制を整えた。
近年は、ショージの商品を軽トラックに載せ、週2回、顧客を回って販売する移動スーパー「とくし丸」を始めた。高齢などに伴い日常的な買い物が困難になっている、ショージの昔からの顧客を支援するためだ。
現在は西条地区と高屋地区で2台を走らせる。将来は各店舗からとくし丸を走らせる計画だ。
蔵田常務は「主婦の店時代から支えていただいた人たちのお陰で、ショージは地域のブランド店へと成長できた。お年寄りの人にとっては、安心して買い物ができることが一番。その人たちに恩返しするのは使命」と移動スーパーへの思いを口にする。
2018年9月期の売上高は約130億円。10年前は140億円の売上高を誇ったが、東広島市内に中堅スーパーの出店が相次いだ影響もあり、近年は130億円前後で推移する。「取り巻く環境は厳しいが、質の高い売上高150億円を目標にしていきたい」と蔵田常務は言い切る。
他社との競争に勝つ戦略で重要視しているのは、店舗の拡大よりも、質の良い店づくりだ。総菜や、健康に配慮した食材を充実させるなど、「地域に必要とされ、お客さんの多様な価値観に対応できる店舗運営を心掛けたい」と蔵田常務。そのことが質を伴った150億円につながる、という。ブレることのない4つのコンセプトで、地域ナンバーワンの食品スーパーを目指す。
2019年8月現在の従業員数はパートを含めて559人。男性190人、女性354人と女性が多い。蔵田常務によると、採用条件で最も重視するのは新卒・中途とも、人と接することや店舗で働くことが好きな人、という。
また、仕事を通して故郷に貢献したいと願う地元出身者も積極的に採用する。
女性の待遇については、パート従業員にも賞与や有給休暇がある。企業型保育所と連携しており、子育て中であっても子どもを施設に預けて働くことができる。
ショージの各店舗で使える電子マネー機能の付いたショージのポイントカード。
通常は200円(税抜き)の買い物で1ポイントがたまり、満点の250ポイントになると、ショージ各店舗で250円の値引き券が発行される。
カードにチャージ(入金)し電子マネーのトマカで支払うと、400円(税抜き)につき1ポイントを 加算。つまり通常の2ポイントに1ポイントが加わり計3ポイントになるというお得な仕組みだ。
古来、ヨーロッパでは「トマトが赤くなると医者が青くなる」と言われたことに由来する。体に良いとされるトマトは、新鮮・健康・おいしさも意味している、という。
赤いトマトは「商品」と「サービス」を、黄色いトマトは「心」をそれぞれ表現。目まぐるしく変わる食品業界の中で、商品とサービスに心を添えて提供したいという思いが込められている。
●ショージといえば、どんぐり豚。歌が耳に残る。プライベートブランドがおいしい。独自ランキングがあって、ランキング入りしたものが安くなる。購買意欲が湧く。レジでチャージができるのが助かる。平日ワッフルやシュークリームの試食があり、試食して楽しんでいる。
●無添加コーナーのお菓子や食品を見るのが好き。他のスーパーでは購入できない、体に優しい食品が多数置いてある。
●事前に確認したら、持参した魚(旦那が釣った)を無料でさばいてくれる。苦手だし、大きな魚はさばけないので、とても助かる。
●毎週マグロの解体をしていて、たまに握りずしでの試食がある。
●土曜日の午前中に、安芸津から水揚げしたばかりの魚が売っていて、新鮮でおいしい。
●店員さんが気さくで親切。
●カレンズ併設で、小学校、幼稚園の制服、体操服などが購入でき、とても便利(八本松南店も)。
●1000円以上の購入で、卵が98円になる日があり、夕方仕事帰りでも残っていて、うれしい。
●お肉がおいしい。特に牛すじが他店に比べておいしい。おでんの時は絶対ショージの牛すじを購入する。
●火曜日の均一祭。新鮮な野菜が均一で買えて、お得感がある(全店共通)。
●朝取れトウモロコシがとてもおいしかった。
●出来たて総菜パンのコーナーが好き。土曜市が好き。
●冬になると、甘酒(大きな入れ物に入った)が振る舞われる。
みどり坂店/広島市安芸区瀬野西
白木店/広島市安佐北区白木町三田下小椿
世羅店/世羅郡世羅町寺町
高屋駅前店/東広島市高屋町杵原
八本松南店/東広島市八本松南
田口店/東広島市西条町大字田口
R375バイパス店/東広島市西条土与丸
本郷店/三原市本郷南
豊栄店/東広島市豊栄町清武
白市駅前店/東広島市高屋町小谷
黒瀬店/東広島市黒瀬町南方
下見店/東広島市西条町下見
志和店/東広島市志和町七条椛坂
牛田店/広島市東区牛田東
寺家駅前店/東広島市西条町寺家
2019年8月8日号より掲載
\東広島の凄い企業をまとめて紹介!/
2019年6月20日
【東広島の企業】「100年後にも世界で光り輝く大学」に広島大学 東広島キャンパス【番外編】
広島大の越智光夫学長が4月から2期目に入った。インタビューで大学の将来像や、東広島市での大学の位置付けなどについて語った。越智学長は「100年後にも世界で光り輝く大学に」と目を輝かせる。
広島大は、被爆地広島に開学し、「平和を希求する精神」を理念の一つに掲げ、平和への寄与を通して、国際社会に貢献する人材の育成を目指す総合大学だ。
その人材育成の基盤となるのが教養教育。広島大ならではの独自のカリキュラムで、学生たちの学びの土台を培っている。
教養教育は学部生の1年生が対象。専門以外の分野へも関心を高めてもらい、ものごとを総合的に捉える能力を養っていく。
教育企画担当で総合科学部の林光緒教授は「教養教育は草 木で例えると根の部分。根っこが広がることで幹が太くなり実も付く。いろいろなことに興味を持つことで視野が広がり、複眼的な視点で専門分野を研究できる。何より社会は幅広い見識を持った人材を求めている」と力を込める。
教養教育には、平和科目、大学教育基礎科目、共通科目、基盤科目の4科目がある。平和科目は28科目から1科目を選択する。留学生を含む全新入生が必修だ。戦争や紛争から貧困、人口増加、環境までさまざまな分野がある。平和を希求する大学として、「持続可能な社会」までを視野に入れた広義の平和について考えていくのが特徴だ。
大学教育基礎科目には、大学教育入門と教養ゼミがある。大学教育入門は、大学で学ぶべきことの意義やレポートの作成方法、ハラスメント問題など、大学生活を送る際に必要となる知識や規範を身に付けていく。
全部で15章ある中で、ユニークなのが、各界で活躍するリーダーを講師に招いた「世界に羽ばたく。教養の力」。おととしから始まり昨年から全学部必修となった。林教授は「学生たちは、世界で活躍するリーダーの生きざまに触れることで、将来の指針となる何かをつかんでほしい」と話す。平和科目と大学教育入門も他大学にはない科目だ。
全国の大学に先駆けて平成9年から始まった教養ゼミは、約10人単位でディスカッションやグループ学習などに取り組む。
「大学は自ら考え学ぶところ。入学後の早い段階から、その習慣を身に付けてほしい」(林教授)からだ。問題発見・解決型の授業を行いながら、論理的な思考法や自己表現力を育んでいく、という。
共通科目では外国語や情報など5科目で幅広い知識と技能を身に付ける。基盤科目は専門分野を学ぶために必要な基礎的な知識の修得を目指す。
広島大が教養教育で大きな目標にしているのが能動的な授業だ。大教室での講義形式の授業であっても、授業の合間に学生に問い掛けたり、コメントシートを書かせたり、と工夫次第で能動的な授業は可能になる、という。
林教授は「大学では、専門教育と教養教育は車の両輪。教養教育の充実が専門教育の質を高める」と言い切る。
学長に就任以来、「平和を希求しチャレンジする国際的教養人の育成」をスローガンに掲げてきた。その思いは変わらない。2019年度から統合生命科学研究科と医系科学研究科の設置を皮切りに、大学院再編を本格化させた。
2019年6月現在、11ある研究科を5つに再編、研究科間での垣根を低くする ことで他の領域も学べるようにし、領域での力を高めていく。世界中からトップクラスの研究者や優れた留学生を招き入れるためにも、教育研究環境の充実は待ったなしだ。
東広島キャンパスでは、宿泊施設や交流の場を備えた国際交流拠点を整備し、理系の世界的な研究拠点として強化を図る。
東千田キャンパスは、新たな人 文・社会科学系の教育研究拠点として、霞キャンパスは世界レベルの最先端医療と医系科学の研究拠点として、それぞれ位置付け整備を進めていきたい。
トップ100に入るのは、平成の後半、文科省の研究大学強化促進事業と、スーパーグローバル大学創成支援事業トップ型に採択された広島大にとっては、社会との約束でもある。
この目標を達成するために、ランキングの指標となる留学生数や英語論文数、企業からの外部資金の割合など5項目で目標を確認している。
また、各教員の教育や研究を数値化する独自のシステムも開発した。道は平たんではないが、全学で一丸となって努力していきたい。
忘れてはならないのは100年後にも世界で光り輝く中四国の拠点大学にしていくこと。大きな目標でありトップ100に入ることは、その過程だと思っている。
東広島キャンパスは広島大の中核となるキャンパス。一方、東広島市にとっ ても広島大は学術・教育の一大拠点であるのみならず、雇用や消費などさまざまな波及効果をもたらす基幹的な存在であると思っている。
欧米では大学を拠点に都市が形成されている。東広島市も大学のシーズを生かしたITやライフサイエンスの企業が立地する米国・シリコンバレーのような元気な街になってほしい。
東広島市の課題は交通アクセスの問題。広島大としても、東広島市と連携し大学周辺にバス乗り継ぎの結節点を設置するなど、交通ネットワークの整備に取り組んでいく。
一言で言うと真面目。そのことはとても良いことである半面、控えめで地味とも言われている。
私は学長に就任以来、広島大の学生や卒業生であることに誇りを持ち、胸を張って社会にアピールしようといい続けてきた。誇りに思わなければ、世間から評価はされない。
近年は起業家も出ている。真面目さを武器にリーダーシップを取ってもらい、社会を変革するような人になってほしい。
昨年夏の西日本豪雨災害では、学生の有志が立ち往生していた車のドライバーにおにぎりを作って差し入れた。自らの頭で考えやるべきことを実行に移した。これこそ広島大生といえるのではないか。
大変革の時代だからこそ、how(どうのような方法で)だけではなく、why(どうしてなのか)をじっくり考える人になってほしい。その意味でも、専門分野を極めると共に、幅広く深い教養を身に付けてほしい。
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プレスネット2019年6月20日号より掲載
2019年5月23日
【東広島の企業】開発途上国への国際協力担う「JICA中国」
東広島で就職ってどこですればいいの?そもそも東広島に就職できるところってあるの?
そんな学生の皆さんへ東広島の企業を紹介!
今回紹介する東広島の企業は
開発途上国への国際協力担う
「JICA中国」
広島県とJICA(ジャイカ)の共同施設であるひろしま国際プラザ内(東広島市鏡山)に1997年に開設されたJICA中国(正式名は国際協力機構中国センター。三角幸子所長)。中国地方5県での開発途上国への国際協力を担う拠点として、さまざまな事業を展開している。
対等なパートナーで信頼構築
JICA中国の柱の一つが研修員の受け入れ事業だ。これまでに約140カ国から1万1000人以上を受け入れてきた。研修員は開発途上国の政府を代表する行政官や民間団体職員たち。
中国5県の自治体や企業、教育機関などで研さんを積み、教育や地域開発、平和構築など、それぞれの母国の発展につながる取り組みを学んでいる。
開発途上国の人たちに日本の技術などを伝えるボランティア事業もJICAの根幹をなす。海外協力隊として世界で活動してきた中国地方出身者は3300人以上に上る。
日本の児童・生徒たちに開発途上国を知ってもらう開発教育支援事業にも積極的に取り組む。
JICA中国を訪問してもらい、途上国の文化や暮らしを学んでもらうプログラムや、国際協力の経験者が学校現場に出向いて、異文化について学んでもらう「国際協力出前講座」などを行っている。
紛争や貧困・格差、自然災害など開発途上国が抱える課題は多岐にわたり、政府開発援助(ODA)の実施機関としてのJICAは、多様なニーズに応える必要性に常に迫られている。このため、「さまざまなノウハウを持った組織(個人)に国際協力に携わってほしい」(三角所長)と、現在は大学や地方自治体、民間企業などもJICAの事業に参加できるプログラムをつくっている。
一つが草の根技術協力事業だ。中国地方の大学やNGOなどが開発途上国で行う国際協力活動をJICAが支援。現地に専門家を派遣したり、日本で研修員を受け入れたりしながら、貧困問題や医療など開発途上国が抱える課題を共同で解決していく。
さらにODAで長年培ってきた途上国政府とのネットワークを生かし、企業と途上国の仲介役として、企業の海外展開もサポートする。民間の投資が途上国の 経済の発展につながるからだ。東広島市では現在2社が、JICAの民間企業海外展開支援事業を活用している。
JICAの理念は「信頼で世界をつなぐ」。三角所長は「さまざまな事業で国際協力の橋渡し役を担っているが、途上国への一方通行ではないこと。途上国とは対等なパートナーであり、お互いに学び創るという共創の気持ちを大切にしている」と力を込める。
2015年の国連サミットでSDGs(持続可能な開発目標)について合意し、開発の恩恵から誰一人取り残されない世界の実現に向けた第一歩を踏み出した。
三角所長は「私たちの取り組みは全てSDGsにつながっている。持続的な成長には、人材・技術など国内の地域リソース(資源)の参加も必要不可欠となる」と強調する。
東広島市に住む外国人は、市民の3%に上る。広島大ではJICA中国が受け入れる途上国からの留学生(研修員)が130人を超える。
三角所長は「東広島市が、途上国の人も含めて外国人が安心して暮らせるより魅力的な町となることを期待します。JICA中国も、それをサポートできたら」と話す。
JICAの代名詞といえるのがボランティア事業だ。海外協力隊として開発途上国に赴き、現地の人たちと一緒に生活しながら、それぞれの技術や経験を現地の人たちに伝えていく。
JICA中国の三角幸子所長に、海外協力隊の応募条件や活動内容、果たすべき役割などについて聞いた。
2019年度から制度が変わりました。一定以上の経験と技能を必須とするシニア案件と、それ以外の一般案件に大別しました。
以前は年齢で案件を分けていましたが、新制度では、いずれも69歳までの人なら応募することができます。
最低限の語学力は必要になります。応募の際に申告してもらいますが、中学卒業程度の英検3級かTOEICスコア330点が目安になります。合格後は、70日間程度の研修があり、派遣国の公用語を中心に集中して勉強します。
もう一つ気に留めておきたいのは健康状態です。開発途上国は日本のように医療機関が充実していません。
軽い疾患であったとしても、健康診断の結果、派遣できない場合もあることを理解しておいてください。
防災・災害対策など日本が得意とする分野の仕事から、看護師など命に寄り添う仕事、廃棄物処理など生活サービスに関わる仕事まで多岐にわたります。
自分に合った仕事を見つけてください。広島県では、自動車整備の分野で活動する海外協力隊員の実績が多いのが特徴です。
それぞれの知識や技術を生かしながら、現地の人と同じ目線で活動を行っていきます。日本とは異なる価値観や文化の違いなどを認めながら、人と人がつながる大切さなどを自然と学ぶことになります。現地に溶け込んで生活することが前提です。日本の生活用品は簡単に持ち込めないので、そのような、日本では得られない体験を楽しむ気持ちが必要です。
海外協力隊は、1965年に初代隊員が派遣されてから、2018年で累計派遣人数が5万3000人を突破しました。派遣先では、日本人は海外協力隊員だけという集落も珍しくありません。
つまり現地では海外協力隊=日本人というイメージが出来上がっています。その意味から海外協力隊が開発途上国の人たちと草の根レベルの信頼を構築してきたといっても言い過ぎではありません。
開発途上国で暮らすことで、交渉力、突破力、実現力が身に付きます。大いにチャレンジしてほしいし、周囲の大人は若い人たちの背中を押す人であってほしいと思っています。
日本は1954年にコロンボ・プランに加盟して以来、ODAとして開発途上国に資金的・技術的な協力を実施してきた。
JICAはODAのうちの二国間援助の3つの手法「技術協力」「有償資金協力」「無償資金協力」を一元的に担っている。
世界最大規模の二国間援助機関であるJICAは約90カ所に上る海外拠点を窓口に、世界154の国・地域で事業を展開している。
プレスネット2019年5月23日号より掲載
\東広島の凄い企業をまとめて紹介!/
2019年4月18日
【東広島の企業】20周年迎え事業を拡大「中栄グループ」
東広島で就職ってどこですればいいの?そもそも東広島に就職できるところってあるの?
そんな学生の皆さんへ東広島の企業を紹介!
今回紹介する東広島の企業は
日本語研修センター開設や日本語学校開校し、外国人の実習生や学生を手厚くサポート!
「中栄グループ」
旅行業や通訳・翻訳業、外国人技能実習生向けの語学教育、美容室運営など幅広い事業を展開する。
2019年11月に会社設立20周年を迎えるのを機に、同年3月、本社を東広島市鏡山から西条町寺家に移転しグループの4社を1カ所に集約した。
新しい時代を見据え事業規模を拡大、さらなる飛躍を期す。
本社ビルは4階建て延べ1600平方mの建物。3、4階には、グループ会社のヒロシマ・ランゲージ・アカデミー(2005年設立)が運営する、日本語研修センターの教室を設置した。外国人技能実習生に日本語教師資格を持つスタッフが日本語力や日本での生活マナーなどを指導していく。
改正出入国管理法が2019年4月に施行され、就労希望の外国人が増えると判断。従来の施設(鏡山)では手狭になることから拡張移転を決めた。
移転で従来よりも5倍の人数の実習生を受け入れることが可能になった。さらに、2018年10月には、外国人を雇用したい企業と外国人労働者をつなぐ人材派遣事業のKCCグローバルを設立。手厚い体制で外国人をサポートしていく。
もう一つ、力を入れていくのが、日本への大学進学を目指す外国人学生の支援だ。2019年4月、西条中央に開校するHLA日本語学校の運営に参画し、高い日本語能力を身に付けた学生を育成する。
1年半コースと2年コースを設け、年間で100人を受け入れる計画だ。
代表の村瀬施蓉さんは、中国出身。1990年に来日、東広島市に住居を構えた。
東広島市で暮らしている間に、日常生活で困っている外国人を目の当たりにするようになり一念発起。99年、中栄を立ち上げ日本語語学教室の運営で会社のスタートを切った。
7平方mの小さなスペースから興した会社は、「日本に来ている外国人のために役立つ仕事をしたい」(村瀬代表)とのしっかりとした哲学で、次々と事業を拡大していった。
前述のヒロシマ・ランゲージ・アカデミーを設立したほか、「外国人の航空券の予約を手伝いたい」と旅行業に進出。
現在は、中国を中心にアジア地域の航空券の販売や、入国ビザ取得代行などのサービスを提供している。
さらに「会社に新しい刺激を与えたい」(村瀬代表)思いから、16年には、UMEを設立し、広島にベーカリーショップを開店。自家製の天然酵母パンがテレビで紹介されるなど人気を集めた。
2019年4月19日には本社の移転に合わせ、広島店を閉じて本社1階に「べーかりーねこ蔵」をオープン。17年には、美容室経営の挑戦も始め、中国地方でチェーン展開をしている。
外国人を対象の業務が多いことから、社員の1割を外国人が占める。業務は3カ国語(中国語、英語、ベトナム語)で対応でき、日本人社員にも英語や中国語の修得を推奨する。
村瀬社長は「本格的なグローバル化時代を迎え、海外との取引も増えることが予想される。外国語を話せる社員を持つことは会社の強みになる」と力を込める。
令和元年に20周年が重なり、「新たな出発点に」(村瀬社長)と位置付ける。
村瀬社長は「初心を忘れず謙虚な気持ちで経営にあたりたい。社員が楽しく働けて結果(利益)が出せる会社にするのが夢」と目を輝かせる。
時差出勤・在宅勤務を導入
70人の社員のうち、7割を女性社員が占める中栄グループ。女性経営者の目線から女性が働きやすい環境づくりに積極的に取り組んでいる。
村瀬施蓉代表に女子力を生かすための取り組みや、中栄流の働き方などについて話を聞いた。
毎年、大学の新卒者や中途者などを2~3人程度採用しています。会社を成長させたいので、今後も積極 的に雇用していく計画です。女性社員の平均年齢は若く、子育てに忙しい30歳代が中心となって会社を引っ張ってくれています。
管理職については、時差出勤制度を導入していることと、在宅勤務を認めていることです。近年はインターネットを中心とした情報通信環境が充実し、コミュニケーションを取っていれば、自宅でも十分に働くことができます。
有給休暇は、簡単に取得できるように手続きを簡素化。将来的には全女性社員が100%取得できるよう努めます。
私自身、2人の子どもを育てましたから、女性の苦労は分かります。女性が働きやすい環境を整えるのは目標です。
チャレンジ精神を持つこと。「失敗したら怖い」と何もしなかったら、前には進みません。とにかく行動することが大事です。
失敗をすることで、「次はこうしたい」と学ぶことができますからね。社員には、行動力と責任感、情熱を持って仕事に従事してほしい、と思っています。
プレスネット2019年4月18日号より掲載
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2019年2月28日
【東広島の企業】健康・医療・福祉分野の職業人育成「広島国際大学」【番外編】
「ヒロコク」の通称で知られる広島国際大学。
健康・医療・福祉という幅広い分野で活躍する専門職業人を育成している。2018年、開学20周年という大きな節目を迎え、健康寿命の延伸を視野に入れた教育にも力を注いでいく。
開学したのは1998年。東広島キャンパス(旧賀茂郡黒瀬町)に保健医療学部と医療福祉学部の2学部、5学科体制でスタートした。その後、2013年、健康・医療・福祉分野に特化した特色ある総合大学を目指し新しい歩みを始めた。現在、呉・広島キャンパスを合わせて8学部10学科体制を整えている。
「現場で活躍できる専門職業人の育成」という建学の精神を具現化するため、力を入れているのが全学的な教育。専門化が進む中、患者を中心にとらえた「チーム医療」に代表されるように、現場ではチームで活動することが不可欠になるからだ。目指す教育の枠組みを示した「広国教育スタンダード」に則って、さまざまな教育プログラムを実践している。
16年度には、従来の共通科目、専門科目に加えて「スタンダード科目」群を新設した。
焼廣益秀学長は「本学の学生に必ず身に付けてほしいのが《他人を尊重し協力しながら問題を解決する》という素養。その能力を育むのがスタンダード科目」と話す。
軸になるのが13年度から先行して取り組んでいる「専門職連携教育(IPE)」だ。学部・学科間の枠を超え、専門分野が違う学生同士が議論を深めながら、チーム医療の実践力を身に付ける。
専門職連携教育の様子
そのIPEのための基礎力を磨くのが「アカデミックリテラシー」や「チュートリアル」などの授業。論理的思考力やコミュニケーション力を培っていく。
このほか、多くの共通教育科目を1年次から配置し、早い段階からヒロコク生としての素養を修得していく。スタンダード科目は20年度から全学部で必修になる、という。
一方で、学生たちが地域と交流する機会を設けているのも大きな特長だ。「人との触れ合いは、命や生活にかかわる仕事の根幹」と焼廣学長。
例えば「地域がキャンパスin黒瀬」と銘打って住民自治協と連携し、レクリエーションを行うなど地域とのつながりを深めている。
地域住民と交流する学生
地域の人たちの健康への思いに触れることで、学生それぞれが将来をイメージするきっかけ作りにもなる、という。2019年度から「広国市民大学」を開学、地域の人も大学で共に学べる環境を整えている。
2020年度には、健康スポーツ学部を新設(設置構想中)するほか、現在の心理学部や医療栄養学部など4学部を一つに再編する健康科学部の開設も。近年、健康寿命がクローズアップされるようになり、健康維持や病気予防に力を発揮できる人材を育成する。
焼廣学長は「教育は生き物。常に社会の変化に対応した教育を行いたい、という気概を持っている」と力を込める。
昨年までに巣立った卒業生は約1万5000人。多くの学生が在学中に国家資格を取得し、専門分野で活躍している。県内の主要な医療・福祉関係の機関に限れば、ヒロコクの卒業生がいない職場はない。
焼廣学長は「《人の役に立ちたい》というのが本学の学生気質。彼らの思いに応えられるよう、生涯にわたり学び続け、時代の変化に対応できる学生を育てていく」と言い切る。
広島国際大の教員が地域の人たちの健康相談などに無料で応じる「しあわせ健康センター」が2019年2月1日、キャンパス内の2号館にオープンした。
センター長の山岡薫総合リハビリテーション学部長に、センター開設の経緯や、具体的な取り組みの内容などについて話を聞いた。
大学の特徴ある取り組みを文科省が支援する私立大 学研究ブランディング事業に応募したのがきっかけです。
健康・医療・福祉系の学部がある大学の使命の一つは、地域住民の健康寿命を延ばすことです。
しあわせ健康センター
既に2017年10月から、総合リハビリテーション学部で言語聴覚士の資格を持つ教員が言葉や聞こえ、飲み込みの悩みなどに応じる相談を始めており、この仕組みを全学部に広げるため、センターを開設しました。
医師や理学療法士、作業療法士、管理栄養士などの専門の資格を持つ教員27人が対応します。さまざまな角度から健康に関する相談ができる体制を整え活動しています。
各学部の特長を生かします。例えば、保健医療学部 では医師が一般的な健康相談や、健診結果に対してのアドバイスをします。
総合リハビリテーション学部では、前述の相談の他、介護予防プログラムを作成したり、認知症予防のアドバイスをしたりします。
このほか、心理学部では快眠のための助言を、薬学部では薬に関する相談に応じます。
ただし、既に医療機関を受診している人や要介護認定を受けている人は相談の対象外です。医療行為も行いません。
大学ですから、センターの取り組みには研究の視点を加えます。日本ではテレビなどで健康に良い事例が盛んに紹介されます。ただ、本当に健康に良いのか は分かりません。
健康調査でデータを積み重ね、科学的な見地から健康寿命の指標をつくることができれば、と思っています。
医学部を持たない大学が、無料の健康相談を行うのは珍しいでしょう。病気の予防はもちろん、病気があっても悪くならないよう、虚弱にならないよう、積極的に取り組むことが、地域の健康寿命を延伸することになるという気概を持って、センターの運営に当たりたいと思っています。
1998年、賀茂郡黒瀬町(現東広島市)に開設し、保健医療学部、医療福祉学部の2学部でスタート。その後、2000年に広島キャンパス、2004年に呉キャンパスをそれぞれ設置した。2020年4月には東 広島と呉の2キャンパス体制に移行する。新校舎の建設や陸上競技場の整備などを行っている。
現在は保健医療学部、総合リハビリテーション学部、医療福祉学部、心理学部(以上東広島キャンパス)、看護学部、薬学部、医療栄養学部(以上呉キャンパス)、医療経営学部(広島キャンパス)の8学部で10学科10専攻がある。
2020年度、健康スポーツ学部、健康科学部を新設・改組。
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2019年2月28日号より掲載
2019年2月7日
【東広島の企業】メンテナンス業柱に成長「メンテックワールド」
東広島で就職ってどこですればいいの?そもそも東広島に就職できるところってあるの?
そんな学生の皆さんへ東広島の企業を紹介!
今回紹介する東広島の企業は
最先端の半導体量産を行っている
「メンテックワールド」
創業は1961年。マツダの生産ライン設備のメンテナンス業務を行う会社として設立した。その後、品質からコスト、環境まで総合的にチェックするトータルメンテナンスにまで発展させた。
さらに、メンテナンス業務で培った技術を生かし、空調や換気などで用いられるスパイラルダクトの設計・製造から施工までの一貫体制を確立。
空気中に漂う粉塵を捕捉したり、抑圧したりする装置の開発・製造も行うなど、事業を拡大していった。
空調や換気で使用されるダクト製品
事業を広げていく要因になったのは、2008年の本社工場の東広島市への移転だ。市内には自動車関連工場の他、食品加工や半導体などさまざまな分野の工場が集積。本社工場の拡張を基盤にしながら、他業種の工場にも取引を広げていった。
会社のターニングポイントになったのは、本社移転と同時期に起こったリーマンショックだ。売り上げはピーク時の6割にまで落ち込んだが、リストラは行わなかった。それどころか、倒産・廃業した会社の技術者を受け入れた。仕事量が減った中、全社員が仕事を分け合うワークシェアリングで難局をしのいだ。
一方で、労働時間を調整してできた空いた時間は社員教育と取引先の新規開拓などに費やした。景気が好転してくると、撒いた種が実を結んで、前述のように取引先が拡大。まさにピンチを好機に変えていった。
小松節子社長は「社員は会社の財産であり宝。一人も失いたくなかった」と振り返る。社員の雇用を守ったことが、国籍や年齢、性別などにとらわれないで人財を雇用するダイバーシティ経営につながっていった。
特に力を入れたのが外国人の雇用だ。日本に住む外国人留学生たちをアルバイトで受け入れ、社員に登用していった。「彼らは若くて向上心が高い。日本人社員にも大きな刺激になる」と小松社長。現在、従業員の13%が外国人で、社員や実習生として働いている。
積極的な外国人の雇用は、海外に目を向ける原動力にもなった。2011年、「東広島から世界へ」との願いを込め、社名をメンテックからメンテックワールドに変更。13年にメキシコ、15年にはマレーシアにそれぞれ現地法人を設立した。
さらに、小松社長が広島アセアン協会の副会長を務めていることが縁で、今年はタイに現地法人を設立し、アセアン10カ国を統括する会社もつくる計画だ。
経済成長が著しいアセアン諸国を中心に海外事業を展開していく構えだ。
小松社長は「海外では、トータルメンテナンス業務を求める引き合いが多い。広島で培った技術力を世界で生かしていきたい」と力を込める。
2019年で創業58年目。昨年の売上高は19億円だが、将来的には100億円の売上高を夢見る。「そのためには取引先の拡大は不可欠。日本と海外を合わせ500社以上にまで取引先を広げたい」と小松社長。志は高い。
女性経営者の目線から女性が働きやすい環境づくりにも力を注ぐメンテックワールド。2019年4月に企業主導型保育園を開設したのも、その一環だ。
※写真はイメージ
小松節子社長に女性社員の雇用や、保育園開設の思いなどについて聞いた。
現在、正社員140人のうちの1割が女性社員で、 女性社員の半数近くは管理職です。製造業では、女性社員の割合は多いほうで職場の活性化につながっています。
女性を管理職に積極登用するのは、男性に比べ組織を管理するマネジメント力に長けているからです。
女性社員で防府市が昨年主催したギネスに挑戦「おんなみこし」に参加
1割を3割にするのが当面の目標です。特に工場の現場で働く女性を増やした いと思っています。そのためには、女性が無理なく働けるような環境づくりに取り組んでいきたいと思っています。
一つは2019年4月から行っているフレックスタイム制の導入です。子育てや親の介護をはじめ、病院に通院しながら働いている女性はたくさんいます。育児や介護、治療と両立できるよう、コアタイムを除いて、一人ひとりの女性が、就業時間を自由に決められるようにしていきます。
待機児童問題は深刻ですから。0歳児~5歳児までを保育する保育園を開園します。
弊社を含め、開園に協賛する地元企業の従業員 や一般市民の子どもの他、市内に住む外国人の子どもを受け入れるのが大きな特徴です。
インターナショナルな保育園として、遊びながら4カ国語が学べ、感謝・感激・感動する心を持てる国際性豊かな子どもを育てていきます。
協賛企業以外の企業からも引き合いがあり、将来的には100人を保育できる体制を整えたい、と思っています。幸い増改築スペースは確保しています。
保育園は、協賛企業への就業を希望する女性にとっては力強い味方となりますし、この保育園で育った子どもが将来、協賛企業に就職してほしいという願いもあります。
東広島市は国際都市を掲げています。国際的に活躍できる子どもを育てることが、少しでも地域貢献につながればと思っています。
プレスネット2019年2月7日号より掲載
\東広島の凄い企業をまとめて紹介!/
2019年2月7日
近大工学部 大学生が市の公共事業に参加
東広島消防署高屋分署の新築 長期実践型インターンシップで
東広島市と近畿大学工学部が共同で実施する長期実践型インターンシップがこのほど始動した。建築学科2年生22人が、大学近くに2021年開署予定の東広島消防署高屋分署の新築事業に参加し、設計から工事完了までの一連の実務に携わる。公共施設の新築事業にインターンの学生が参加するのは初めての試み。市では「若い学生の知恵と知識を生かし、地域に愛される建物になれば」と期待している。
学生は、設計者らと設計に関する意見交換や建築模型の制作などを行い、建物の名称看板や室名表示などのデザイン設計に取り組む。また、工事現場に立ち会い、工事関係者らとの会議に出席し、実践的な職場体験を通して知識や技術を習得していく。
1月24日には市役所で開始式が開かれ、同大の旗手稔工学部長とプロジェクトに参加する学生が出席した。高垣広徳市長は「さまざまなステージで学生のアイデアをもらい、皆さんの記憶に残るような建物に」と激励。
学生代表の小林広樹さん(23)は「参加している学生みんなで一丸となり、さまざまな技術やノウハウを吸収していきたい」と意気込んだ。
(茨木)
2018年12月13日
【東広島の企業紹介】「東広島市の成長に寄与したい」マイクロンメモリジャパン広島工場
東広島で就職ってどこですればいいの?そもそも東広島に就職できるところってあるの?
そんな学生の皆さんへ東広島の企業を紹介!
今回紹介する東広島の企業は
最先端の半導体量産を行っている
「マイクロンメモリジャパン広島工場」
米国半導体大手のマイクロン・テクノロジー(以下マイクロン)を親会社に持つマイクロンメモリジャパン合同会社の広島工場/広島開発センター(以下広島工場)は東広島市八本松町吉川の吉川工業団地内にあります。
広島工場は、半導体メモリであるDRAM製品を開発・生産する、マイクロンの最大の製造拠点の一つだ。ラヒル・ハッサン工場長に話を聞いた。
いつでも書き込み・読み出しが可能な半導体メモリ。
電子機器を動かす上で必要となる、文字や画像といった情報をためておく役割を担う。
DRAMは大容量を実現できるため、パソコン、携帯電話、デジタルカメラ、ゲームなどあらゆる電子機器に使われている。
マイクロンが製造しているDREAM
買収後、現有世代DRAMの製品は、台湾にある工場で生産する体制を整えた。
広島工場では、次世代DRAMと、次々世代DRAMの開発、量産を進めていく。
次世代は今年から、次々世代は来年からそれぞれ量産規模の拡大に踏み切る。
スマートフォン(スマホ)やタブレット、自動運転車などに不可欠な半導体の需要が活発なのと、顧客の求める製品が複雑・高度化していることだ。それに対応するためには、工場の拡張と最新鋭の半導体製造 装置の導入は不可欠となる。
広島工場には、これまでも大規模な投資を実行、半導体生産に使うクリーンルームなどを増強した。
工場内のクリーンルームでDREAMを製造
次から次へと次世代のチップを求める顧客の需要を視野に入れると、今後も大型投資は継続するだろう。
マイクロンが設立した財団を通じて、強固な関係を築いている。
マイクロンの技術者や研究者がメンター(指導者)として広島大の大学生や大学院生たちをサポートできる枠組みがあるほか、広島大の女性研究者への支援や高校生を米国に派遣したりしている。
広島大学ナノデバイス・バイオ融合科学研究所
これらの取り組みを支援するため、財団から計15万ドルを寄付している。
マイクロンは、各国に工場を有するが、どの工場も、雇用を創出したり、環境に貢献したり、と地域で重要な役割を果たしている。
広島工場とて例外ではない。東広島市と活発なパートナーでありたいし、市の成長に寄与したいと思っている。
広島工場は、マイクロンの最先端の製造拠点の一つ。世界で使用されるDRAM製品の生産には、イノベーション(技術革新)は不可欠となる。
さきほどの広島大との連携もそうだが、産学金官の連携で、東広島市から世界に誇れるDRAMの新技術が創出できることを期待している。
ラヒル・ハッサン工場長に話を聞きました。
マイクロンは、人、イノベーション、粘り強さ、コラボレーション、顧客第一を会社の価値として掲げている。会社の価値に見合う人に入社してほしい。
平たく言えば、人を大切に、技術革新に挑戦し、粘り強く問題解決に当たり、チーム内の協力を惜しまず、顧客を大事にする人だ。5つの価値は社風とも一致する。
地元の学生に限らず、日本の優秀な学生には入ってほしい、と願っている。特にエンジニアとしての才能を持った学生を求めている。
2019年度は次々世代DRAMの研究開発が本格化するため、1年を通じて 技術者を雇用したい。経験豊富な中途者の採用も積極的に行う計画だ。
人材は最も重要な資産だ。管理職は人材育成に焦点を当てたピープルプログラムを作り、多様性を尊重し合う環境作りなどに取り組んでいる。
また、マイクロングループで働く世界13拠点の女性社員1700人が集まるネットワークも作り、女性社員のキャリア支援も積極的に行っている。多様性を換言すれば、男女参画、ジェンダーの平等でもある。
ある課題・問題が生じても、多くの社員の意見をもとに、さまざまな角度からアプローチできるからだ。課題を解決する引き出しが多くなれば、それだけ強い会社になると思っている。
半導体市場は競争が激しい。競争に勝つためには技術革新が生命線となる。技術革新の過程では、難しい問題にも直面するが、それを解決しないと未来はない。
社員にはそれぞれの能力を最大限に発揮して、チャレンジしてほしいと伝えている。努力をすることで不可能を可能にしてほしい、と願っている。
プレスネット2018年12月13日号より掲載
\東広島の凄い企業をまとめて紹介!/
2018年11月22日
広島大とアヲハタ 研究開発で協定
ジャム製造のアヲハタ(本社・竹原市忠海町)と広島大学はこのほど、研究開発や人材育成などで包括的に協力する協定を締結した。広島市南区の広島大霞キャンパスで調印式があり、アヲハタの野沢栄一社長と、広島大の高田隆理事・副学長が協定書に署名した。
アヲハタと広島大は、10年以上前からかんきつ類の機能性などについて共同研究を行い、マーマレードの商品化を実現するなど、産学連携の実績を積み重ねてきた。
今回の協定の締結で、フルーツを中心とした食品産業分野の技術開発を進めていく他、ダイバーシティーや国際化の分野などでも協力していく。
高田理事は「お互いの国際的なネットワークを活用すると共に、総合大学の特徴である文理融合の研究テーマを模索、これまでにない連携成果が生まれるものと期待している」と話していた。
2018年11月22日
【東広島の企業紹介】「半端ない」就職力が真骨頂近畿大学工学部【番外編】
就職に強い大学―。2019年学部創設60年を迎えた工学部(東広島市高屋うめの辺)の大きな武器。
建学精神の「実学教育」と「人格の陶冶(とうや)」にのっとったカリキュラムで社会に役立つ人材を育成しています。
民間企業を希望する学生の就職内定率 99.5%。
大学院進学を含めた進路決定率 95.4%。
昨年度の工学部卒業生の就職実績だ。どちらの数字も全国の理系大学でトップクラス。特筆すべきことは、内定者の約7割を上場企業や資本金1億円以上の優良企業が占めていることだ。
この数字をはじき出している要因の一つが、きめの細かいキャリアプランだ。4月に入学した1年生は、就職ガイダンスから大学生活をスタートさせる。学生たちは、10年後の立ち位置や夢をしっかりと描きながら、4年間を過ごしていく。
毎年2月に3日間をかけて行う、学生の業界研究の場となる学内合同業界研究会には、国内大手の上場企業から地元優良企業まで約350社が集う。
工学部卒業生が出席する企業も多く、学生たちは、実社会で活躍する先輩と直接話をすることで就職へのモチベーションを高めていく。
4年間の実学教育も就職を力強くサポートする。通常は、1、2年生で一般教養を、2年生後半から専門領域をそれぞれ学んでいくのが大学の一般的な姿だが、近畿大工学部では1年生から、実学の基となる実験を組み込む。実験の割合は他の理系大学と比べると高い。
さらに実験の結果をレポートにまとめることで、就職活動に必要な文の書き方や自己表現力も養う。一石二鳥の取り組みだ。
講義では、学んでいる分野が実社会でどう生かされているかを、確認しながら展開。第一線で活躍する工学のプロを招いた講演も盛んに行う。就職指導委員長の竹田史章教授は「学生の就職や職種へのイメージが膨らむよう、遠くに見えている目標を近くに引き寄せるよう工夫している」と話す。
JABEE(日本技術者教育認定機構)が認定する教育プログラムの取り組みを推進しているのも特長だ。
※写真はイメージ
企業の活動でいうPDCAサイクルのことで、常に時代に即応した教育が施されるよう、継続的に授業改善を行っている。「大学で学んだ知識が、企業で発揮できてこその実学教育」(竹田教授)との理由からだ。
その思いは学科の再編にも表れる。1959年、2学科でスタートした工学部は、時代を見据えながら幾度となく改編を繰り返してきた。現在は化学生命工学、電子情報工学など6学科13コース体制を整え、テクノロジー分野の大半を網羅している、という。
一方で、企業からの求人数は昨年度実績で1万4353社(求人倍率30・2倍)に上る。この高い数字の背景には、《打たれ強い》工学部学生の気質が起因しているという。学生は1年生から失敗がつきものの実験やレポート提出を繰り返し、忍耐力を培う。
打たれ強いことは、企業の求める人物像と一致し、就職した卒業生の頑張りが、さらに求人数を押し上げる好循環になっている、という。
昨年度の学生の就職満足度は92%。一人一人の学生へのきめの細かい就職支援がこの数字を導き出す。
竹田教授は「学生には、本学の就職力と自分を信じて、少し背伸びした会社を目指して」とアドバイスする。
竹田教授
工学部の研究者と企業や行政をつなぎ、産学官連携の研究拠点になっているのが、工学部内にある次世代基盤技術研究所(所長・栗田耕一)だ。先端ロボットや3D造形技術など次世代に欠かせない基盤技術の研究を行い、地域産業の発展に貢献していくことを目指す。
次世代基盤技術研究所の前身は、1996年に設立された工業技術研究所。
研究分野を深化させるために改組し、2010年、文科省の「戦略的研究基盤形成支援事業」の研究用施設として整備した。産学官連携のワンストップ窓口となる社会連携センターと、7つの研究センターから構築されている。スタッフは41人で、そのほとんどを工学部の研究者が兼務している。
社会連携センターは、2002年に設立された「工学部産学官連携推進協力会」の活動などを通して、地域の産業界との共同研究や受託研究などの窓口を担い、イノベーション創出につながるネットワークの構築を図る。
この7年間で民間企業から受託して行った研究は170件に上る。同協力会は、大学と地域・企業連携の先駆けの存在だ。
2018年11月現在の会員数は法人、個人含め176で、毎年、研究公開フォーラムなどを行い、工学部研究者と会員企業の交流も図っている。
研究センターには、次世代モビリティに関する革新的技術を探求する自動車技術研究センターや、住宅の省エネ技術と耐震技術を研究する建築環境センターなどがある。
自動車技術研究センター内にあるドライビング・シミュレータ
今年はモノとインターネットを接続して新しい価値を創造するIoT技術を探求する知能計測工学研究センターを設置した。研究センターの研究には、研究所に所属するスタッフの研究室の学生も携わる。2018年11月現在、129人の学生が登録し、学んだことを実社会に還元できるよう、研究に励んでいる。
東広島市では、今年度から大学と連携した新産業の創出などに力を入れる。
栗田耕一所長は「工学部では、いち早く地域に根差した研究を推進してきた自負がある。次世代基盤技術研究所を通して、東広島市との連携はこれまで以上に深化させていきたい」と話している。
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プレスネット2018年11月22日号より掲載