

2019年10月24日
学長インタビュー🎤~広島大学編~
大学受験を考えてる方も必見!?
学園都市・東広島市にある3大学のトップに、各大学の強みや、地域との関わりなどについて聞きました!
今回お話を聞いたのは
広島大学 越智 光夫(おち みつお)学長。
教育のあらゆる分野を網羅する全国屈指の学部があることです。さらに、大学院が設置され、学部を卒業後、さらに高度な専門性を獲得することができます。
2019年度から総合生命科学研究科と医系科学研究科の設置を皮切りに、 大学院再編を本格化 させています。現在、11ある大学院を5つ程度に統合、研究科間の垣根を低くすることで他の領域も学べるようにし、領域での力を高めていきます。
東広島キャンパスでは、宿泊施設や交流の場を備えた国際交流拠点を整備し、理系の世界的な研究拠点として強化を図ります。世界中からトップクラスの研究者や優れた留学生を招き入れるためにも、教育研究環境の充実は待ったなしです。
東広島キャンパスは広島大の中核となるキャンパス。東広島市にとって、広島大は学術・教育の一大拠点であるのみならず、雇用や消費などさまざまな波及効果をもたらす基幹的な存在であると思っています。
欧米では大学を拠点に都市が形成されています。東広島市も大学のシーズを生かしたITやライフサイエンスの企業が立地する米国・シリコンバレーのような元気な街になってほしいと考えています。
世界の大学ランキングでトップ100に入るという目標を掲げています。文科省の 「研究大学強化促進事業」と、「スーパーグローバル大学創成支援事業」トップ型に採択 されました。
この目標を達成するために、ランキングの指標となる留学生数、英語論文数、企業からの外部資金の割合など5項目で目標を立てています。道は平たんではありませんが、全学で一丸となって努力していきます。
他大学の学長インタビューもチェック!👇
※プレスネット2019年10月24日号より掲載
2019年10月24日
【広島大学の若手研究者】半導体の新材料を探索
広島大学の若手研究者に着目し、その研究内容についてインタビューしました!🎤
今回お話を聞いたのは
先端物質科学研究科助教
富永依里子さん(とみなが よりこ)さんです!
実験装置の前で研究への思いを語る富永さん
研究の最終目的を常に見据えて半導体の新材料を探索❄
半導体は、現代の私たちの生活を支える重要な電子部品のほぼ全てに使われていると言っても過言ではありません。
その半導体には、高品質の素材が求められるため、さまざまな種類の半導体結晶を作製し、その可能性について研究を重ねています。
特に半導体に広く使われている「ガリウムヒ素」系の化合物について、学部生のときから取り組んできました。
追究してきたのは、光通信用の新しい半導体レーザ用材料・ガリウムヒ素ビスマスです。ビスマスは、原子半径が大きく、結晶にひずみを来すことから、多くの研究者はこの材料を敬遠してきました。
半導体の分野では、半導体基板を素地にして半導体結晶を作っていきます。
結晶を作る際には、半導体基板と、作りたい半導体の格子定数(原子が作る結晶構造の辺の長さ)がそろっているほど、高品質な結晶が作製できます。格子定数がそろっていないと、ひずみができて品質の悪い結晶になります。
このため、学生時代の所属研究室では、格子定数に原子半径の小さい窒素を加えることで、半導体基板と格子定数をそろえていました。しかし、窒素を結晶に加えると、結晶の発光強度が下がり、レーザ動作ができない欠点がありました。
私は発光に焦点を絞り、結晶にひずみが生じてもいいので、窒素を入れずに、ガリウムヒ素基板上に、ガリウムヒ素ビスマスの結晶を作製、レーザ動作させる実験を繰り返してきました。
ガリウムヒ素ビスマスの結晶品質が、他の半導体結晶と比較しても劣っておらず、工夫をすれば絶対にレーザ動作できると信じていたからです。実験を通して、レーザ動作が確認できたときの感動は忘れられません。
レーザ用新材料としての可能性が認められ、何よりうれしかったのは、国内外の先生方から学会で「面白い研究だ」と声を掛けていただいたことです。
当時は26歳。若かったことで、窒素を加えるものという固定観念にとらわれなかったことが功を奏したのだと思っています。
10歳のとき、「地球が1cm太陽に近くても遠くても、私たちは誕生していない」と書かれた本を読み、漠然と地球を守る仕事に就きたい、と思いました。
高校の物理の授業で、半導体や室温超伝導材料のことを知り、電子材料分野の研究者になれば、地球温暖化を防止する太陽光発電システムを作ることができるのだな、と思うようになりました☀
10歳のころに描いた夢がつながり、電気電子系の大学学部に進学、現在に至っています。
今の立ち位置は、研究を通して、学生に教育することも大切な仕事です。
研究者を目指す学生には、常にゴールを見据えて実験に邁進することを伝えたいですね。
研究には「生みの苦しみ」が伴います。明確なモチベーションとビジョンを持っていれば、「つらいな」という思いも乗り越えることができるからです。
広島大学に赴任して7年目を迎えます。これまでは、きれいな結晶を作ることに主眼を置いてきましたが、 現在は意図的に原子配列を乱すことに力点を置いて研究 に取り組んでいます。
テラヘルツ波という電磁波を発生させたり、検出したりするための素子用の半導体を結晶特性の観点から見た研究を行っています。テラヘルツ波は新しいセンシング技術などさまざまな分野への応用が期待されています。
究極の夢は、トランジスタやレーザ、結晶成長など半導体分野の世界的な研究者が集い、新しいものを生み出す世界規模の拠点を作ることです。
そのメッカが広島大学にできたら最高ですね✨
※プレスネット2018年5月31日号より掲載
若手研究者シリーズはコチラ
2019年10月24日
学食LUNCH!🍛
突然ですが学生の皆さん!お昼ご飯や夜ご飯はどうしていますか?
コンビニ弁当や、近くのお店ですませていないですか?
そんなあなたにオススメなのは「学食」
「学食」のほとんどはワンコインで買えて、ボリュームもたっぷり!むしろ食べないなんて損です!
そんな各大学の食堂や、人気メニューを一気にご紹介しちゃいます!😋
※いずれの学食も休暇期間中や行事などにより、休業や短縮営業となる場合があります
※価格は税込み
東広島市鏡山の広島大学東広島キャンパスには、5カ所の食堂があり、ほぼ同じメニューを販売しています。
ご飯、汁、メイン料理、小鉢、そしてデザートまで幅広いメニューを準備。欲しいものをトレーに載せてオリジナル定食の出来上がり♪毎日違った組み合わせが食べられるので飽きとは無縁!
レシートにはトータルの塩分量やカロリーも記載されているのがうれしいですね😊
揚げたて衣にさっぱりポン酢、大根おろしをトッピングした鶏ポン。
甘酢ダレとタルタルソースとのコラボが絶品なチキン南蛮。
カリッと揚がったジューシーな鶏もも肉に甘辛ソースのチキン竜田甘辛ソース。
がランクイン!どれも300円前後のお値段がとってもうれしい
※メニューは週替わりのため、ない週もあるので注意!
東広島市高屋うめの辺の近畿大学工学部は男子学生が9割で、食堂のメニューもボリューム満点。定食は、ガッツ、日替わり、おふくろの3種類。入り口のモニターに映し出される内容を確認して、食券を購入して入ります。
不定期で構内にやってくる移動販売車(フードトラック)では、ホットサンド、焼き鳥、シュークリームなどを販売。珍しいものを見るとついつい食べたくなっちゃいますね…🤤
フードトラックは10時30分~15時の間営業しています♪
カレーの大盛りに日替わりトッピングをのせた「シェフカレー」は竜田揚げの日が大人気!特製のタルタルソース付きでボリューム満点🍛
家庭の温かみのある食事をテーマにしたおふくろ定食は週に2回メニュー変更。その中の一つ、肉じゃがは高評価。
トッピングが盛りだくさんのびっくりうどんは見た目もボリュームもびっくり😲
これならしっかりと食べれて、れ午後からの授業も乗り切れますね!
【場所】近畿大学工学部 B館1階「学生食堂」
【営業】月~金曜日 9:00~19:00
土曜日 9:00~15:00
◎混雑する12時~13時を避けるとスムーズ
がっつり系のメニューが豊富
東広島市黒瀬学園台の広島国際大学東広島キャンパス内には「レストラン龍王」と「レストラン野呂」があり、野呂はラーメンなどの中華と量り売りのブッフェ。
今回取材した龍王は、定食がお得。メニューは男子が好きそうなガッツリメニューが多いですね。レストランのある1号館には救命救急士を目指す専攻があり、体力を使う授業が多いためそういうメニューが人気だそう💪
急いでいる人、外で食べたい人向けに弁当の販売もあるそうです。こちらも日替わり。
全て日替定食(450円)の中のメニュー。安くてボリュームのある定食が人気のようです!
ポン酢に付けて食べる唐揚げ「鶏ポン」はさっぱり食べられるので大人気。鶏ポンが日替わりのメニューだと、喜ぶ学生が多いそう😋
【場所】広島国際大学1号館1階
【営業】月~土曜日 8:20~9:30 11:00~13:30
月~金曜日 16:00~18:45
◎混雑する12時10分~13時を避けるとスムーズ
様々な大学の学食。ボリュームも安さもバッチリ!ぜひ皆さんも食堂へ足を運んでみては?
※プレスネット2019年10月24日号より掲載
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2019年9月26日
【広島大学の若手研究者】情報の利用しやすさを切り口に研究
プレスネットでは、広島大学の若手研究者に着目しその研究内容についてインタビューしています!🎤
今回お話を聞いたのは
広島大アクセシビリティセンター 助教
坂本 晶子 さん
情報の利用しやすさを切り口に研究
学生時代や産業技術総合研究所の研究員時代は、液体など規則的に並んでいない不規則系の分子の性質を、計算機を使用する大規模シミュレーションで調べる研究を行っていました。
研究員時代は水素をエネルギーとして活用する場合に、どこに貯蔵すれば、水素をうまくエネルギーとして引き出せるかを、計算機を使って可視化しながら研究をしてきました。
計算で得られたデータの可視化プログラムを作成し、可視化を行う様子
2011年から現在の職場であるアクセシビリティセンターに所属しています。アクセシビリティとはアクセスしやすさ、利用しやすさ、分かりやすさなどといった意味がります。
これまでの物理とは異なる分野の研究を行うきっかけになったのは、アクセシビリティという切り口を、科学として研究することが新鮮で興味を覚えたからです。
シミュレーションという、計算機を使用する研究をしていたことや、学生時代に情報セキュリティーに関わりを持ったこともあり、「情報」に関するアクセシビリティに興味を持ち研究を始めました。
インターネットの普及で、情報量が増加する中で自分が求める情報にアクセスしやすくするにはどうすればいいのか。インターネットはサーバー上でつながる巨大なネットワークですが、その情報がどのように移動し、どのようにつながっているのか。この2点に絞って研究を続けてきました。
まだまだです。たくさんの情報から選んでいるつもりでも、一つのテーマをひたすらたどっていくと偏った情報にいきつくこともあります。
言い換えればたくさんの情報を見ているようで、実はフラットではない細い情報にたどりつきます。
一方で、たどるよりも、感覚的に検索して情報を探すことも手法としてはありです。正確な情報を得るためのポイントはあるはずなので、そこを模索しています。
広島大学には、全学生に質の高い同一の教育を保障するという理念があります。障害などで不自由さのある学生に分かりやすく、実務的な情報を提供するためにはどうすればいいのか。システム開発など業務に関連した研究も増えそうです。
さまざまな角度から見ることで、それまでとは異なる見方ができることが興味深いですね。一方で、予測がつかないことが研究の難しさです。
これまで立てていた予測や考え方を、アクセシビリティという切り口で見たとき、違うものが見えてくることがある一方で、分からないことも出てきて、面白くもあり難しくもあります。
インターネット上のアクセシビリティからの科学とは何か。そのことを突き詰めていくのがこれからの夢です。
※プレスネット2019年9月26日号より掲載
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2019年7月25日
【広島大学の若手研究者】現象をつぶさに観察、結論はシンプルに
プレスネットでは、広島大学の若手研究者に着目しその研究内容についてインタビューしています!🎤
今回お話を聞いたのは
大学院工学研究科 助教
橋本 涼太 さん
専門は地盤工学。貢献できる領域を広げたい
カンボジアにある世界遺産のアンコール遺跡群は、複雑な構造物の石積み遺跡ですが、それを支える地盤が変形し、倒壊の危険にさらされています。
地盤工学の面から、倒壊を防ぐには、どう対処すればいいのか。8年前から研究を続けています。毎年1回は必ず現地を訪れるようにしています。
研究調査対象のアンコール遺跡(パイヨン寺院)
研究当初は、石積み遺跡を守るには、高度な力学理論に基づいたシミュレーション手法を開発し、劣化予測から適切な修復方法の提案まで全て賄えるようにすることが重要だと考えていました。
しかし、その手法を用いて分析していると、破壊メカニズムは手計算でも評価可能なシンプルな理論で説明できることが明らかになりました。
その方が建築史や考古学など遺跡修復に携わる他分野の研究者にも理解されやすく、修復に向けた具体的な議論につながりやすいことが分かってきました。
精緻な手法に基づきながらも現象をつぶさに観察し、結論はシンプルに導く。このアプローチは実学である工学の研究者として重要な視点であると位置づけています。
センターは昨年の西日本豪雨を受け、相乗型豪雨災害に全学を挙げて研究する拠点として設立されました。地盤工学の面から考察すると、それぞれの山で水の染み込み方や地盤の強度は異なります。
ただ、気象庁の雨量情報には、個別の山ごとの情報は盛り込まれていません。当然、住民にしてみれば、自分の裏の山の情報までは分からないのが実情です。個別の情報をいかに発信できるか。具体策を提言できるよう、検討しています。
土木における地盤工学の役割は、土の力学的現象を室内の実験で理解し、実際の構造物の設計に役立てていくこと。そのことはまさに研究の醍醐味です。難しさは自然の材料が研究対象であること。
遺跡での測量の様子
土の性質は場所ごとで違うし、同じ場所の土であってもばらつきがあります。そうした条件下で土の本質的な性質を見出すのが難しさであり、面白さでもあります。
残念に思うのは、地盤は構造物に比べると目立たないこと。研究は、地味ではあるけど国の社会基盤を支える重要な役割を担っていることをもっとアピールしていきたいと思っています。
地盤工学が貢献できる領域を広げていきたい、と思っています。地盤は、文字通り人間が利用するあらゆる空間の基礎をなしており、それを扱う地盤工学は他分野と協働する高いポテンシャルを有しています。海底から宇宙まで多方面にアンテナを張って飛び込んでいきたい、と思っています。
※プレスネット2019年7月325日号より掲載
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2019年3月28日
【広島大学の若手研究者】専門は古建築を中心とした文化財学
プレスネットでは、広島大学の若手研究者に着目しその研究内容についてインタビューしています!🎤
今回お話を聞いたのは
広島大学総合博物館学芸職員
佐藤 大規 さん
専門は古建築を中心とした文化財学
最初の研究テーマです。この城と出会ったことで今の自分があると思っています。
織田信長が築いた安土城は、5重6階地下1階の絢爛豪華な天主を備えていたとされています。
発掘調査や古文書・絵画資料などをもとに10年がかりで復元しました。
信長が創造した天守という建物は、豊臣秀吉が大坂城で受け継ぎ、その後広島城など全国に広まりました。
これまでの復元案は、安土城天主のみ天守の歴史から一線を画す形をしていましたが、資料を丁寧に読み解いた結果、形の上でもすべての天守の起源となることが確認できました。
当時の建築物は、平屋が普通。信長が築いた5重の高層建築には、周囲を屈服させるような権力の象徴の意味合いが込められていたと推察できます。
その後、豊臣秀吉が大坂城を築きますが、きちんと信長の意図をくみ取っています。
僕は安土城に続けて秀吉の大坂城の復元をしましたが、両城とも完璧な資料は残っていないので、10人の研究者がいれば10通りの復元案が出ます。
互いに議論を交わしながら歴史の謎をひもといていけるのが研究(文化財学)の魅力です。
キャンパス全体をミュージアムと位置付け本館をコア施設にしながら、各学部の研究内容を展示するサテライト館、学内の自然散策道(発見の小径)で構成しています。
広島大学総合博物館を訪れた小学生と恐竜と化石で盛り上がる佐藤さん
博物館をはじめキャンパス内は実物の宝庫です。実物に触れることで、新しい世界に関心を持つきっかけをつかんでもらえたら最高です。
2012年から、化石や地域の自然 に関する資料を展示している広島大総合博物館で働いています。
通算1年半、三原市教委に勤めた際、自分の研究成果を伝えることに楽しさを覚えたのがきっかけです。
今は年間に100回程度、来館者の方々に展示解説を行っています。
本宮八幡神社での現地説明会
聞いてくださる方が楽しい、もっと知りたいと思えるよう、自分も楽しむという感覚を持って解説・展示するよう努めています。
ずっとそんな学(楽)芸員でいたいです。
最近は東広島や鞆の浦・福山城などで、現存する建造物の調査研究を中心に行っていて、地域の文化財に光を当てていきたいと思っています。
例えば、1701年に建立された豊栄町の本宮八幡神社は、東広島の神社建築を考える上で重要で、地域を代表する建造物です。
建造物に限らず絵馬など幅広い分野で調査をして、価値ある文化財を次世代に一つでも多く残すことができれば幸せです。
※プレスネット2019年3月28日号より掲載
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2019年3月7日
学生が活動内容を報告
市社協 西日本豪雨ボランティア
東広島市社協は「平成30年度東広島学生ボランティア研修・交流会」をこのほど、広島大学中央図書館ライブラリーホールで開いた。昨年の西日本豪雨災害でボランティア活動に参加した学生が活動内容を報告、住民たち70人が聴講した。
広島国際大4年生の神尾晴奈さんは、大学職員と学生ボランティアで協力し、同大学内に流れ込んだ土砂 の撤去や炊き出しを行った体験を振り返り、災害時に必要なのは「人とのコミュニケーション、信頼関係を築いておくこと」と述べた。
広島大の学生でつくるボランティア団体OPERATIONつながりは、ボランティアセンターの運営に携わり、ボランティア参加者へのグルーピングやマッチングを実施。また、自ら農地ボランティアとして、田んぼや水路に流れ込んだ土砂の撤去を行った。
広島大学4年の宮迫大樹さんは、災害時初期の2日間、道路の寸断で、車内で身動きの取れない人におにぎりを届けた。宮迫さんは「大変な状況を目の当たりにして、自分たちに何かできることはないかと考えた。食料を持参して、喜んでもらえたが、行き場のないストレスから怒鳴られたこともあった」と振り返った。
2019年3月7日
ラジオ講座「学びの時間」 3月8日~3月29日
〈テーマ〉 自然に学ぶ接着技術
広島大学OBの教職員らでつくる「広大マスターズ」の会員を講師に迎えた週1回のラジオ講座を放送します。テーマは生活、地域社会などで、全4回。3月8日~29日の内容を少しだけ紹介します。
今回の講師 髙田忠彦さん
たかた・ただひこ 繊維加工、繊維とマトリックス(樹脂やゴム)の接着技術が専門の工学博士、技術士(繊維部門)。繊維会社の研究所、海外子会社を経て、元広島大学工学研究科、産学連携センター教授。東広島市西条町在住。
紙と紙との同種材料、紙とコンクリートとの異種材料を貼り合わせる場合には、私たちは接着剤を使う。一旦接着すると、容易に剥がすことはできない。しかし、自然界には、接着剤を使わないで、容易に可逆的に接着、剥離を繰り返すヤモリのような生物もいる。今回は生物機能を模倣する接着技術などについて、お話をしたい。
物と物とを接着させるには?
物と物とを接着するには、同種材料、異種材料を問わず日常生活では接着剤を使う。また、航空機材料や自動車タイヤ材料など高性能が要求される材料も、接着剤が使われている。
これらの材料は、接着後、長期の使用に耐えることが要求される。一方では、一定期間使用後、リサイクルや廃棄を意識し、容 易に剥がれることも求められている。
しかし、自然界には、接着剤を使わないで、いとも簡単に接着・剥離を繰り返す生物がいる。最も有名なのは、天井、壁、窓ガラスを接着と剥離を繰り返しながら自由自在に動き回るヤモリである。自然界の接着技術は、巧妙に仕組まれ、環境にも優しいのである。
自然界の接着の仕組み
2000年頃、米国大学の研究者がヤモリの接着・剥離の仕組みを明らかにした。
物と物は互いが分子や原子レベルで近づけば、引力が働き、接着することが知られている(この力をファンデルワールス力と言う)。
分子、原子レベルで物同士を近づけることは極めて難しいが、ヤモリの肢あしの裏は細かな毛が10万から100万本の密度で密生し、さらに先端が100~10000本程度の細かな毛に分かれている ことが電子顕微鏡で観察されている。この先端の細かな1本1本の毛先が限りなく対象物に近づくことによりファンデルワールス力が発現し、これらの力が合わさって接着する。逆に、毛先の角度を少し変えれば簡単に剥離する。
このように接着・剥離が極めて短時間に行われることで、動き回ることができるのである。自然界での接着・剥離の仕組みは、極めて巧妙であることが分かる。
理想的な接着とは?
これまで、非常に苦労しながら強くて長持ちする接着技術が開発されてきたが、一定期間使用後、接着剤が分解し、簡単に剥離し、材料をリサイクルさせることができれば、社会にとって好都合である。
すでに、多くの研究者が、ヤモリに見られるような生物をまねた接着・剥離を可逆的に繰り返す、環境に優しい接着技術の開発を試みている。製品化された技術もある。今後ますます、生物の機能を模倣する技術「バイオミメティックス」による接着技術の開発が進むことが予想される。
FM東広島 放送スケジュール
FM東広島(89.7MHz)で髙田先生の講座を放送します。それぞれ、日曜日17時~、再放送をします。
第1回 3月8日(金)12時~
物と物との接着
●日常生活から航空機材料まで使われる接着
●接着の狙いは何か?
●接着剤の発展と課題
第2回 3月15日(金)12時~
自然界の接着
●生物の接着は環境に優しい
●接着剤は不要
●ヤモリや昆虫は接着と剥離を容易に繰り返す
第3回 3月22日(金)12時~
ヤモリの接着の仕組み
●ヤモリの肢裏に秘密
●ファンデルワールス力とは?
●接着・剥離はどのように行われるか?
第4回 3月29日(金)12時~
将来の接着技術
●地球環境・リサイクルを意識した接着
●バイオミメティックスとは?
●バイオミメティックスによる接着
●理想的な接着
2019年2月28日
兵庫県出身。三田学園高卒。中高時代は弓道部で活躍。応援団には「先輩の男気にほれ」入部。理学部2年生。
香川県出身。坂出高卒。中高時代は吹奏楽部。習い事でダンスをしていたこともあり、応援団に入部。教育学部2年生。
■創部35周年
松本 創部は1984年。当時、県内の大学には広修大と広経大に応援団があり、広島6大学野球のリーグ戦などで活躍していました。そのことをうらやましく思っていた広島大野球部員で体育会幹事長だった人が、「うちの野球部にも力を与えて」と、高校時代に応援団経験のあった角島誠さん(現鶴学園勤務)に白羽の矢を立て、応援団がつくられたと聞いています。途中、部員不足で途絶えた時期もありましたが、何とか復活させ今に至っています。現在、応援団には、学ランを着るリーダー部と、チアリーディング部があり計11人で活動しています。
松本 応援団のスローガンです。ざっくりいうと応援やパフォーマンスで広島大を盛り上げようというこ と。広島大で頑張っている学生は、スポーツ競技をしている学生だけではありません。文化系のサークルで活躍している学生もいますし、学会で研究論文を発表する先生もいます。スローガンからいうと、そういう人たちを盛り立てるのも応援団の役割かなと思っています。
松本 基本的にはチア部と一緒に活動しています。野球部など体育会に所属する部の試合応援をメインにしながら、ゆかたまつりや入学式などの学内行事や、各種団体・企業のイベントなどに出演し、応援パフォーマンスを行っています。
松原 チア部は昨年復活し活動を再開。応援団の活動は週3日なので、勉強やバイトとの両立も可能です。
松本 僕らの応援団には伝統がありません。つまり求められれば何をやってもいいのが魅力かなと思っています。自由な雰囲気なので、理不尽な上下関係など、応援団の古くさいイメージも一切ありません(笑)。
松原 チアには、チアダンスの他に、組体操のようなスタンツもあります。ダンスが得意な人はダンスで輝けますし、逆にスタンツが得意な人はスタンツで輝けます。
松本 活動を通して、もっともっと広島大の知名度を上げるのが目標です。そのためには、応援団の認知度を高めることが大切。もっと部員を増やし、東京農大応援団の大根踊りのような、広島大独特のパフォーマンスをつくりたいと思っています。目指すはスーパーエリート団体です。
松原 活動を安定させるためにも、部員を増やしたいです。広島大の広告塔というか、大学を有名にしていく存在になれれば、と願っています。
2019年2月21日
防災や減災対策で意見交換
広島・三重の両県知事 広島大など視察
広島県の湯崎英彦知事と三重県の鈴木英敬知事との会議が1月31日、東広島市西条本町の賀茂鶴酒造壱号蔵であり、防災や減災対策の推進などについて意見交換を行った。両知事は1月31日に同市黒瀬町の洋国ハイツ、同市西条西本町のサタケを、2月1日には広島大学東広島キャンパスを視察した。
広島大では、広島大の越智光夫学長から大学の概要説明などを聞いた後、学内に設置されている、豪雨災害などの調査研究に取り組む「防災・減災研究センター」や、次世代建機の研究をする「コベルコ建機夢源力共創研究所」、将来の自動車のエネルギー効率などの性能向上のための材料の研究開発を行っている「先端材料研究室」を視察した。防災・減災研究センターでは、学生2人が、昨年の西日本豪雨災害後のボランティア活動について両知事に報告。広島大の学生有志が、国道で立ち往生したドライバーにおにぎりや飲み物を配布したことや、1300人以上の学生を被災地に派遣、復旧作業にあたった学生ボランティア団体の活動を紹介した。
湯崎知事は「広大生のボランティアは、各地で頼りにされ、感謝されていた」と話し、鈴木知事は「せっかくつくった組織なので、恒常的な組織にするといいと思う」と助言した。
(石田)