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【東広島の企業紹介】「半端ない」就職力が真骨頂近畿大学工学部【番外編】

2018年11月22日

【東広島の企業紹介】「半端ない」就職力が真骨頂近畿大学工学部【番外編】

「半端ない」就職力が真骨頂

実学教育とキャリアプラン充実
1年生から「10年後」描く

就職に強い大学―。2019年学部創設60年を迎えた工学部(東広島市高屋うめの辺)の大きな武器。
建学精神の「実学教育」と「人格の陶冶(とうや)」にのっとったカリキュラムで社会に役立つ人材を育成しています。

近大外観

 民間企業を希望する学生の就職内定率 99.5%
 大学院進学を含めた進路決定率 95.4%
昨年度の工学部卒業生の就職実績だ。どちらの数字も全国の理系大学でトップクラス。特筆すべきことは、内定者の約7割を上場企業や資本金1億円以上の優良企業が占めていることだ。

 この数字をはじき出している要因の一つが、きめの細かいキャリアプランだ。4月に入学した1年生は、就職ガイダンスから大学生活をスタートさせる。学生たちは、10年後の立ち位置や夢をしっかりと描きながら、4年間を過ごしていく。

 毎年2月に3日間をかけて行う、学生の業界研究の場となる学内合同業界研究会には、国内大手の上場企業から地元優良企業まで約350社が集う。

近大就活2

工学部卒業生が出席する企業も多く、学生たちは、実社会で活躍する先輩と直接話をすることで就職へのモチベーションを高めていく。

 4年間の実学教育も就職を力強くサポートする。通常は、1、2年生で一般教養を、2年生後半から専門領域をそれぞれ学んでいくのが大学の一般的な姿だが、近畿大工学部では1年生から、実学の基となる実験を組み込む。実験の割合は他の理系大学と比べると高い。

 さらに実験の結果をレポートにまとめることで、就職活動に必要な文の書き方や自己表現力も養う。一石二鳥の取り組みだ。

近大就活1

 講義では、学んでいる分野が実社会でどう生かされているかを、確認しながら展開。第一線で活躍する工学のプロを招いた講演も盛んに行う。就職指導委員長の竹田史章教授は「学生の就職や職種へのイメージが膨らむよう、遠くに見えている目標を近くに引き寄せるよう工夫している」と話す。

 JABEE(日本技術者教育認定機構)が認定する教育プログラムの取り組みを推進しているのも特長だ。

近大JABEE
※写真はイメージ

 企業の活動でいうPDCAサイクルのことで、常に時代に即応した教育が施されるよう、継続的に授業改善を行っている。「大学で学んだ知識が、企業で発揮できてこその実学教育」(竹田教授)との理由からだ。

 その思いは学科の再編にも表れる。1959年、2学科でスタートした工学部は、時代を見据えながら幾度となく改編を繰り返してきた。現在は化学生命工学、電子情報工学など6学科13コース体制を整え、テクノロジー分野の大半を網羅している、という。

 一方で、企業からの求人数は昨年度実績で1万4353社(求人倍率30・2倍)に上る。この高い数字の背景には、《打たれ強い》工学部学生の気質が起因しているという。学生は1年生から失敗がつきものの実験やレポート提出を繰り返し、忍耐力を培う。
 打たれ強いことは、企業の求める人物像と一致し、就職した卒業生の頑張りが、さらに求人数を押し上げる好循環になっている、という。

 昨年度の学生の就職満足度92%。一人一人の学生へのきめの細かい就職支援がこの数字を導き出す。
竹田教授は「学生には、本学の就職力と自分を信じて、少し背伸びした会社を目指して」とアドバイスする。

近大竹田教授
竹田教授

産学官連携の研究拠点 次世代基盤技術研究所

企業からの受託研究開設7年間で170件
東広島市との連携深化

 工学部の研究者と企業や行政をつなぎ、産学官連携の研究拠点になっているのが、工学部内にある次世代基盤技術研究所(所長・栗田耕一)だ。先端ロボットや3D造形技術など次世代に欠かせない基盤技術の研究を行い、地域産業の発展に貢献していくことを目指す。

 次世代基盤技術研究所の前身は、1996年に設立された工業技術研究所。
研究分野を深化させるために改組し、2010年、文科省の「戦略的研究基盤形成支援事業」の研究用施設として整備した。産学官連携のワンストップ窓口となる社会連携センターと、7つの研究センターから構築されている。スタッフは41人で、そのほとんどを工学部の研究者が兼務している。

 社会連携センターは、2002年に設立された「工学部産学官連携推進協力会」の活動などを通して、地域の産業界との共同研究や受託研究などの窓口を担い、イノベーション創出につながるネットワークの構築を図る。

 この7年間で民間企業から受託して行った研究は170件に上る。同協力会は、大学と地域・企業連携の先駆けの存在だ。
2018年11月現在の会員数は法人、個人含め176で、毎年、研究公開フォーラムなどを行い、工学部研究者と会員企業の交流も図っている。

 研究センターには、次世代モビリティに関する革新的技術を探求する自動車技術研究センターや、住宅の省エネ技術と耐震技術を研究する建築環境センターなどがある。

近大自動車技術研究センター
自動車技術研究センター内にあるドライビング・シミュレータ

 今年はモノとインターネットを接続して新しい価値を創造するIoT技術を探求する知能計測工学研究センターを設置した。研究センターの研究には、研究所に所属するスタッフの研究室の学生も携わる。2018年11月現在、129人の学生が登録し、学んだことを実社会に還元できるよう、研究に励んでいる。

 東広島市では、今年度から大学と連携した新産業の創出などに力を入れる。
 栗田耕一所長は「工学部では、いち早く地域に根差した研究を推進してきた自負がある。次世代基盤技術研究所を通して、東広島市との連携はこれまで以上に深化させていきたい」と話している。

【沿革】
1959年 工学部を呉市に設置(工業化学科、機械工学科)
1962年 経営工学科を設置
1965年 建築学科を設置
1991年 東広島市に工学部・広島キャンパスを新設、工業化学科と建築学科を移転
1992年 工学部・広島キャンパスに電子情報工学科と機械システム工学科を設置
1996年 工学部呉学舎内に工業技術研究所設置
2001年 工学部・広島キャンパスに呉学舎の2学科を統合移転。現在の6学科体制に
2011年 工業技術研究所を次世代基盤技術研究所に名称変更

過去の東広島の企業紹介はこちら

プレスネット2018年11月22日号より掲載

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2018年11月22日

広島大キャンパス内で出土

文化財350点を展示

▲来場者に展示資料の説明をする石丸研究員(左)

 広島大学総合博物館と東広島市教委が共催する企画展「大学と埋蔵文化財~キャンパスの遺跡・発見された文化財の魅力~」の第2期展が同市河内町中河内の東広島市出土文化財管理センターで開かれている。12月15日まで。入場無料。

 広島大学東広島キャンパス内で発見された遺物を中心に、近畿・中国・四国の国立7大学で出土した資料なども合わせ約350点を展示。調査成果や保存・活用の取り組みなどをパネルで紹介している。

 広島大学は、東広島市への大学移転に伴い1980年頃からキャンパス内の発掘調査を開始。現在までに、旧石器時代~江戸・明治時代までの約30遺跡を確認している。

 同博物館埋蔵文化財調査部門の石丸恵利子研究員は「レプリカでない実物を、一度に見ていただける機会。埋蔵文化財の保存・活用に努力する教育研究機関の意義や役割にも理解を深めてもらえたら」と話していた。

 12月2日には市民文化センターで講演会も開かれる。問い合わせは同博物館埋蔵文化財調査部門082(424)6198。

(茨木)

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2018年11月22日

地域の子どもは地域で育てよう

福富町でこども未来フェスタ

▲人気のはいはいレース

「こども未来フェスタin福富~つながる つなげる 育ちあいのまちづくり~」が10月28日、東広島市福富町の東広島市役所福富支所で行われた。親子連れたち約2600人が訪れ、にぎわった。

 このイベントは、子育て中の親子が地域住民と交流することで、地域で子ども を育てる機運を高めよう、と地域住民や学生たちでつ くる実行委員会が中心となって計画。今回が5回目で、福富での開催は初めて。42団体が参加した。

 会場には、バルーンアート世界大会優勝者の装飾が施された。子育て支援の活動を紹介するブースや、キッズマネー講座、近畿大学工学部の学生と一緒に楽しむスーパーボール作りなど、盛りだくさんの内容。その他にも福富を流れる沼田川に生息する生き物の展示コーナーもあった。

 イベントは、本年度は2回開く予定で、次回は来年1月に、東広島芸術文化ホールくららで開く。

(山名)

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2018年11月15日

Top Interview 近畿大学工学部新学部長 旗手稔氏

バイタリティー溢れる技術者を育成

 東広島市高屋にある近畿大学工学部の新学部長に着任した旗手稔氏が、FM東広島の番組に出演し、工学の魅力や学生への思いを語った。その一部を紹介。(聞き手/FM東広島パーソナリティー・間瀬忍) 

―旗手学部長はどんな研究に取り組んでいますか。

「工学系の研究の魅力は、ものづくりを支えること」と話す旗手学部長

鋳型に溶かした鉄を流し込むと、複雑な形状が造れる。この流し込むだけの1回の加工で、複雑な物を成形できる「鋳造」に魅力を感じ、研究を続けている。

―現在もゼミを担当しています。学生との交流は。

 ゼミでは研究報告会や大掃除を兼ねた懇親会、旅行などでコミュニケーションを取っている。工学部全体としても、教員と職員と学生と皆が仲良く、距離が近くなるよう努めている。就職、研究、教育の指導がアットホームな環境でできればいい、ということがわれわれの願い。

―授業に東広島について学ぶ「東広島学」があるなど、地域との交流に積極的な印象を受けます。

 建築の分野では、地域に残る貴重なかやぶき屋根の古民家の保存・修繕に取り組むプロジェクトや、空き家となった古民家を地域で使えるコミュニティースペースにリノベーションする古民家の再生プロジェクトを実施。その他、東広島市立の中学校対抗の野球大会の開催などに取り組んでいる。広島県には製鉄、重工業、造船、自動車製造など、わが国の基盤となる産業のほとんどがある。指導教員には、この地域に工学部がある意味を十分に考慮した研究をするよう伝えている。

―企業と連携する研究も多い。企業からはどのような依頼を受けますか。

▲空から見た近畿大学工学部

商品開発、製品の量産化など。学生にとっても実社会と触れる機会が増える。企業と一緒に取り組むことのメリットは大きい。

―次世代を担う学生が求められる力とは。

 基礎学力と、できれば語学力、そして若者ならではのバイタリティーだと思う。日本は戦後、工業立国として大きく飛躍。「メイドインジャパン」ブランドを世界に示してきた。今後、AI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)などに学生を導くことの必要性を感じている。日本の工学部はこれまでも企業と連携してきたが、今後、企業に合ったものをどうやって提供していくかを考えていくのが、工学部の姿勢となっていく。若くて優秀な技術者・研究者を輩出することが、われわれの使命。

―意気込みを。

 人間性が豊かで、自分の意見を主張でき、コミュニケーションが取れる学生を世に送り出すため、しっかりと学生と教職員でタッグを組んで、協力し努力し合える環境づくりをしていきたい。

▲ゼミでディスカッションする学生
▲古民家のリノベーションで、修繕作業を行う建築学科の学生

近畿大学工学部のポイント

●近畿大学は14学部48学科、大学院に11研究科がある総合大学

●工学部(広島キャンパス)は来年、開学部60年を迎える

●1996年に工業技術研究所が設立、2010年に次世代基盤技術研究所として新設され、持続可能な社会を実現するための研究開発を実施


プロフィール はたて・みのる 京都府出身、57歳。近畿大学大学院工学研究科機械工学専攻博士後期課程を満期退学。1996年3月に工学博士の学位取得。機械工学科長、近畿大学工学部長補佐、近畿大学次世代基盤技術研究所・所長を経て、今年10月1日から現職。 趣味/野球 座右の銘/人事を尽くして天命を待つ

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2018年11月8日

【東広島の企業紹介】CMでもおなじみ「日興ホーム」

東広島で就職ってどこですればいいの?そもそも東広島に就職できるところってあるの?
そんな学生の皆さんへ東広島の企業を紹介!

今回紹介する東広島の企業は
CMでもよく聞くあの不動産企業
「日興ホーム」

「日興ホーム」とは

JR寺家駅近くの東広島市西条町寺家に本社を構え、東広島市や広島市を中心エリアに注文住宅の施工・販売を事業の柱に据えている地域密着型のビルダーです。

創業は1971年。東広島市八本松町で住宅団地・日興苑の土地造成と分譲を手掛けたのが出発です。

1999年に住宅建設の分野に進出した。住宅メーカーのパナホーム(現パナソニックホームズ)と日興ホームが共同で出資していたパナホーム広島が、パナホーム100%出資の子会社になったことがきっかけで現在の「日興ホーム」となりました。


これまでの日興ホーム

当初は、煉瓦の集合住宅やデザイナーズ住宅を施工・販売していましたが、2005年に木造住宅の「テクノストラクチャー」を本格的に手掛けるようになったことが大きな転機となりました。

パナソニックが独自に開発した耐震住宅工法を採用しながら、東広島・広島の気候風土や顧客のニーズに合ったオリジナルの家づくりを展開。
併せて用地の取得にも力を注ぎ、注文住宅メーカーとしての地歩を固めています。

東広島の力日興ホーム_1

2016年からは、趣味と暮らしをアレンジし、自分らしく暮らせるスキップフロアの住宅「ビーノ」を、2018年からは建築家と一緒に家づくりを行う住宅「オプト」を、それぞれ手掛けています。

テクノストラクチャーを求める顧客とは違う、ニッチな層にも狙いを絞っています。今後は、3つの商品を柱に住宅建設を推進していくそうです。

東広島の力日興ホーム_2

ワンストップ型サービスの提供を経営理念に据える。遊休地の有効活用などを提案する土地有活営業部を社内に設けている他、12年にはリフォーム専門会社の「リライフ日興」を創設。

顧客の土地探しから、家を建てて暮らしていくまでを、一貫してサポートする体制を整えています。このため、住宅を供給した後の顧客宅への定期訪問を重要視しています。
「家は家族の人間形成の場でもある。だから、家づくりはお客さまが住まわれた後が大事で、建ててからがお客さまとの本当のお付き合い」と鳴脇社長は語ります。

日興ホームのこれから

今後は、高齢者向けの住宅事業にも本格的に参画する。既に、広島市と東広島市でグループホームと、サービス付き高齢者向け住宅計3棟を運営するが、これから建設・運営をしていく棟数を増やしていく計画です。

東広島の力日興ホーム_3

さらに幼稚園事業に参入したい意向もある。住宅建設で培ったノウハウを、人の一生に係わる事業に広めていくビジネスモデルの構築を思い描く。

住宅供給の中心となる東広島市、広島市とも人口の伸びは鈍化傾向だが、「地域ファーストコールビルダー」「生活の総合提案企業」を目指し、お客さんが『本当にいい家だね』『日興さんで家を建てて良かった』と言っていただくよう、コツコツと地道に取り組むだけ」と鳴脇社長。17年7月期の売上高は38億円。2021年には50億円を目指します。

‟採用”について社長に聞いてみた

注文住宅の施工・販売を事業の柱に据える日興ホーム。社員数は56人(うち女性12人)(2018年10月時点)。
全社員が地域密着型のビルダーとしての自負を持ち、仕事に取り組んでいます。

鳴脇誠二社長に、採用計画や会社のカラーなどについて話を聞いてみました🎤

鳴脇社長

社訓は忠恕の心と凡事徹底

―採用計画は

毎年、新卒者と中途者を合わせて7人前後を採用しています。新卒者の採用は高卒を1人、大卒を2人~4人の割合です。

 高卒は建設分野で、大卒は設計と営業分野で募集しています。中途者については、営業と設計の分野で随時、募集しています。


―求める人材は

コミュニケーション能力があって、明るく、礼儀正しい人。
もう一つは、地元愛を持っている人ですね。
地域密着型を掲げている企業なので、同じ能力を持った2人のうちのどちらか一人を採るとなれば地元出身者を採用するようにしてい ます。>

資格については、新卒者は入社後に取得してもらいますので、採用条件で資格の有無は問いません。

ただ、中途者は即戦力の人材を求めているため、部署によっては、建築士やコーディーネーターなどの資格を入社要件に加える場合があります。


―女性社員の採用は

 社員の約2割が女性です。
男女に関係なく、適材適所の仕事に配置するようにしています。例えば、営業職には5人の女性社員がいますが、男性にはない女性ならではの気遣いを持って頑張っています。


―働き方改革が叫ばれています

 年間の休日は、一部上場企業などの大手と比べる と、幾分少ないのが現実です。その代わり、一日の勤務時間を7時間半に設定し、仕事を離れた後の時間を有意義に使ってもらうようにしています。

もちろん、仕事のスタイルは各社員で違ってきます。基本的には、時間の管理は各社員に任せるようにしています。


―会社の雰囲気は

元気で明るい会社でしょうね。出勤時には、社員同士で握手をしながらあいさつを交わすのが弊社の朝の風景です。社員のモチベーションを高めよう、と14年前から取り組んでいます。


―社員に訓示していることは

忠恕の心と凡事徹底です。社員には、誰であっても誠実に優しく接すように、と伝えています。
それは一人の人間として振る舞う礼儀だと思っていますから。凡事徹底を説くのは、やり続けることが会社を支える力になっていくからです。

※プレスネット2018年11月8日号より掲載

 

\東広島の凄い企業をまとめて紹介!/

 

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2018年11月1日

ラジオ講座「学びの時間」 11月2~23日

〈テーマ〉旧暦併用のススメ 季節感を取り戻そう

 広島大学OBの教職員らでつくる「広大マスターズ」の会員を講師に迎えた週1回のラジオ講座を放送します。テーマは生活、地域社会などで、全4回。11月2~23日の内容を少しだけ紹介します。

今回の講師 金田 晉さん

かなた・すすむ 博士(文学)。美学専攻。「現象学的美学」の確立を目指す。近年、公共性(パブリック)の美意識という観点から、環境・暦・都市・地域・美術館等の諸問題にも積極的に発言。東亜大学特任教授。広島大学名誉教授、蘭島閣美術館名誉館長等。

 世界には、さまざまな暦がある。

 東アジア、特に日本列島は自然環境に恵まれている。中緯度の地帯にあり、モンスーン気候帯に属し、四方、海に囲まれていて、海抜0mから3000mまでの植生が楽しめる。だから、15日刻みの二十四節気、5日刻みの七十二候など、他地域では考えらえないほど、変化に富んだ暦があった。その暦の魅力を考えてみよう。

月の暦は現代のモダニズム

 太陽と月と地球、天体暦がいい。「暦の時間は、生活の時間と宇宙の時間に架けられた橋である」(ポール・リクール)。その暦に合わせて、人類は、生活し、労働し、戦争にまみれ、文化を築いてきた。5千年以上の歴史がある。

 昼と夜の交替、1日である。地球の側から見ると、太陽は天体上の行路(黄道)を通っているように見 える。元の位置に戻るのが1年。昼の最長が夏至、最短が冬至、昼夜等しいのが春分、秋分である。

 地球の赤道が天の赤道から23・27度傾斜しているため、季節の変化が生まれる。月は地球を約29・5日かけて一周する。それがひと月(1朔望月)。月は毎夜形を変えて、暦の日々を区切ってゆく。

▲『月と季節の暦2018』(月と太陽の暦制作室)の表紙

暦は月の暦から始まった

 太陽を基準にするのが太陽暦。明治以来日本が公式暦として使っているグレゴリオ暦はその代表、1年約365日。今では「世界暦」と言われるほど、世界を席巻している。

 イスラム世界で今も使い続けているのが、月だけを基準にする太陰暦。12朔望月を1年とすれば、354日。この約11日のズレを調整して作られたの が、太陰太陽暦。かつて農業暦として世界中で一般的であった。

 中国の暦も、その中国から輸入して1200年の歴史をもつ和暦もそうであった。「旧暦」と呼ばれる天保暦もそうである。最も正確な暦と言われた。

▲月歴と旧暦が書かれたカレンダー『月と季節の暦2018』

月を楽しむ

 現代人は、月を見なくなった。都会生活者には高層のビルに妨げられて月が見えない。電気照明が月の有難さを忘れさせる。東西が一望できる南向きマンションの住人、田園で周囲を山や森に囲まれて暮らす人々は、幸せである。月が見える。湖や池、夏ならば田植え直後の水郷では、月が水に映える。美しい。

 旧暦では、月が大切である。地球を月が一周するのは約29・5日(1朔望月)。毎夜、月の形が変わってゆく。新月(見えない=闇)|上弦(右側が明るい半月)|満月(望月)|下弦(左側が明るい半月)|新月と。月の形で今日が何日か、分かった。1日(朔=月立ち、ついたち)、7日(上弦、例…七夕)、15日(満月、十五夜)など。旧暦で、日を聞いて月を想像してみよう。


FM東広島 放送スケジュール

 FM東広島(89.7MHz)で金田先生の講座を放送します。それぞれ、日曜日17時~、再放送をします。

第1回 11月2日(金)12時~

暦の基本構造

●なぜ今暦なのか。
●太陽―月-地球の物理的特性および周期。
●太陽暦、太陰暦、太陰太陽暦

第2回 11月9日(金)12時~

太陰太陽暦(旧暦)を学ぶ

●太陽暦的要素と太陰暦的要素
●年始め、月初め、一日の始まり
●二十四節気と七十二候

第3回 11月16日(金)12時~

暦で文学を豊かに読む

●秋の歌「花野」
●芭蕉「奥の細道」
●蕪村の句の世界

第4回 11月23日(金)12時~

暦と生活 -豊かな生活のために-

●月を生活の中に取り込む。『枕草子』
●月と動物、植物の関係。畑と虫
●月のエネルギー(引力、潮汐)

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2018年11月1日

地域盛り上げ隊たのした 学生部

地域盛り上げ隊たのした 学生部

 東広島市西条下見地域で活動している広島大の学生らで組織する「たのした学生部」(森脇実穂リーダー)はこのほど、同市西条下見の工学同窓会館で地域児童らを対象にした体験型科学イベント「サイエンスパーク」を開いた。児童と保護者30人以上が参加。
 イベントではインクの分解やスーパーボール作り、衝撃を与えると固まる現象ダイラタンシーの体験など数種類のブースを用意。内容は全て学生らが考案した。
 森脇リーダーは「授業以外の場面で科学に触れることで、理科に親しみを感じ、興味を持ってもらいたかった。楽しそうな児童の笑顔が忘れられないですね」と話していた。(繁澤)

●東広島市西条下見6丁目11-38 工学同窓会館1F「Ripple」
●E-mail/tanoshita3@gmail.com

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2018年10月25日

ラジオ講座「学びの時間」8月3~24日

〈テーマ〉健康寿命を延ばす食べ物

 広島大学OBの教職員らでつくる「広大マスターズ」の会員を講師に迎えた週1回のラジオ講座を放送します。テーマは生活、地域社会などで、全4回。8月3~24日の内容を少しだけ紹介します。

今回の講師 室岡義勝さん

むろおか・よしかつ 食品科学、発酵工学などのバイオテクノロジーが専門の工学博士。広島大学工学部第三類(発酵工学教授)、大阪大学工学部応用生物工学およびバイオ情報専攻教授。大阪大学名誉教授。東広島市高屋町在住。

 長寿を誇る日本人の平均寿命と健康寿命の差は、男性は10歳、女性は12歳。このことは男女とも10年以上、手助けが必要であることを意味しています。できれば人の世話にならずに健康で長生きしたいですよね。体に良い食べ物がたくさんある中から、今回は乳酸菌、こうじ、食酢、サプルメントについて話していきます。


機能に富む乳酸菌

 最近の科学は、乳酸菌を使った乳製品が長寿と関係することを明らかにした。

 日本の伝統発酵食品の漬物、日本酒、みそ、しょうゆ、食酢の健康成分と味や香りは、こうじカビ、酵母菌に加え、乳酸菌による発酵によってもたらされる。

 これら食品の乳酸菌は、植物由来で、ストレスに強く、アレルギー緩和や感染症予防など多くの機能に富んでいる。

 身体を守る乳酸菌やビフィズス菌は、「プロバイオティクス」と呼ばれ、腸から脳に働きかけて、心と体の不調を改善することも分かってきた。

こうじで腸内を健康に

 中国ではこうじを麦から作ったので「麹」という漢字が使われてきた。一方、「糀」という漢字は、米から作る米糀に使われる。「米の花」という日本文化をにおわす粋な文字だ。

 日本の発酵食品に使うこうじカビは、たくさんの分解酵素を作る。これらの酵素が活発に働いて、酵母菌や乳酸菌の栄養源を作り、さらにビタミンやアミノ酸など私たちを元気にする生理活性物質も作る。こうじの甘味を利用して作られる甘酒は、体内の熱や毒を排出する解毒作用もあり、再び人気になっている。

 こうじは、腸内を健康にするため、便秘の解消や免疫力の強化などによる、乾燥肌やニキビ、アトピーなどの肌荒れの改善や貧血を予防する働きもある。

炎症和らげる酢

 酒から作る酢は、炎症を和らげる効果があるとして、古くから薬としても使われてきた。

 米酢が精米を原料とするのに対して、黒酢は未精米の玄米を用いる。それゆえ黒酢は、コメ表皮やぬかに由来する多くのアミノ酸や脂質、さらにビタミンなどを含んでいる。

 食酢には、さまざまな健康効果があることから、日本では、食酢、特に黒酢が健康飲料として人気になった。体内脂肪や血圧を下げる特定保健用食品の黒酢も市販されている。

科学的根拠を確認

 皆さんはちょっとした健康不安から、サプルメントをあれこれと飲んでいないだろうか。中には、注射で効いても食べると分解されて効果のないものもある。体験談や広告に惑わされないで、科学的根拠のあるものを選んで無駄遣いをやめよう。


FM東広島放送スケジュール
FM東広島(89.7MHz)で室岡先生の講座を放送します。
それぞれ、日曜日17時~、再放送をします。

第1回
8月3日(金)12時~

最近の科学が明らかにした乳酸菌の効用

●プロバイオティクスって何?
●日本の伝統発酵食品の乳酸菌
●なれずしの乳酸菌が免疫を高めた
●腸内細菌が脳からの指令を促す

第2回
8月10日(金)12時~

日本のこうじは世界の宝

●こうじから胃腸薬を作った日本人
●こうじの健康効果
●甘酒は滋養強壮剤
●こうじや米ぬかの美容効果

第3回
8月17日(金)12時~

米酢や黒酢を飲んでメタボの改善

●酢は古代から薬だった
●ビタミンを世界で初めて発見した日本人
●大さじ一杯の酢が血圧や血糖値を下げる
●毎日酢を取ると体脂肪が減る

第4回
8月24日(金)12時~

サプルメントの無駄遣いはほどほどに

●ビタミンCとミネラルを補って健康寿命を延ばそう
●コラーゲンやヒアルロン酸を食べても関節痛は治りません
●トクホとか機能性表示食品って何?

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2018年10月25日

目標はアマチュア日本一 自由な発想で打てるのが囲碁の魅力
竹田幸一さん(広島大医学部1年生)

昨年夏に宮城県で開かれた全国高校総合文化祭
(みやぎ総文)の囲碁部門で対局する竹田さん(右)

第64回全日本アマチュア本因坊決定戦県大会で優勝

■アマ本因坊県大会Ⅴ

 運が良かったのだと思います。優勝云々より、勝ち上がれば強い人と戦うことができるので、そのことを楽しみに大会に臨みました。この大会の前にあったアマ名人戦広島地区予選で敗れた相手にリベンジできたことは、うれしかったですね。

■全国大会は苦杯

 県アマ本因坊の称号を得て出場しましたが、3人と対局する1次予選で1勝2敗に終わり、決勝トーナメント進出を逃しました。負けた2人の相手は、過去に全国優勝を果たしている強敵。2人ともミスをしないというか、隙を見せない囲碁で強かったです。

■きっかけ

今年7月のアマチュア本因坊戦広島県大会で対局する竹田さん(右)

 6歳のとき、母親に連れられて、子ども囲碁教室に行ったのが囲碁を始めるきっかけになりました。それ から碁会所に通うようになり、囲碁を覚えていきました。最初は何となく囲碁を打っていましたが、小学校5年生のとき、年下の子に負けたのが悔しくて、本気で囲碁に取り組むようになりました。碁会所に通う回数も増え、勝つたびに囲碁の面白さにはまるようになりました。

■学業との両立

 中学、高校と囲碁部に所属。とにかく全国大会出場を目標にしていたので、囲碁の時間は大切にしました。医者を目指そうと思ったのは、中3の終わりです。中高一貫校だったので、高校は難関大進学のクラスに入りました。ただ、高3の夏までは囲碁を続けながら、勉強に励みました。部活を引退するとき、囲碁をやりきったという充実感があり、その達成感を受験勉強へのエネルギーに変えました。囲碁で集中力が培わ れたのも医学部に合格できた要因かな、と思っています。

■魅力と難しさ

 囲碁はどこに石を置いても構いません。自由な発想で、自分の考えた手を打てるのが魅力です。もう一つ、年齢や性別、国籍も関係なく対局できますから、コミュニケーションを図るツールとしても最高のゲームです。難しさは、魅力の裏返しにもなりますが、常に局面の全体を見ながら着手を決めないといけないところです。強い相手との対局では20手先を読むようにしています。

■モットー

 対局を楽しむこと。勝ちたい、勝とうという意識が強くなると、本来の力が出せなくなるからです。

■これからの夢

 過去の全国大会の最高成績は高1のときの3位入賞です。ですから本因坊戦でも名人戦でもいいので、アマチュア日本一になることが目標です。


 1999年、広島県生まれ。関西創価中・高校卒。2018年、広島大医学部に入学。囲碁は6歳から始め、中高時代は6年連続で全国大会に出場し、高1のとき全国高校囲碁選手権で3位に入賞した。現在、アマ5段。広島大囲碁部所属。


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2018年10月18日

【東広島の企業紹介】自動車のルーフ市場支える『べバストジャパン株式会社』

東広島で就職ってどこですればいいの?そもそも東広島に就職できるところってあるの?
そんな学生の皆さんへ東広島の企業を紹介!

今回紹介する東広島の企業は
自動車のルーフ市場支えるグローバル企業
「べバストジャパン株式会社」

べバストジャパン株式会社とは?

東広島の力べバストジャパン_1

グローバルな視野で事業展開 加速するEV市場にも対応を

東広島市西条町田口の田口研究団地内に本社・工場があります。
車のルーフシステムや、屋根式とオープンカーに切り替えができるコンバーチブルシステム、燃焼式ヒーターなど自動車関連製品を開発・製造しています。

設立から40年。ドイツに本社を持つサンルーフメーカー・べバストの日本法人として躍進を続けています。

世界中に張り巡らされたグローバルネットワークを最大限に生かし、べバストグループ企業と連携を図りながらも、日本的な良さも残した企業として戦略を展開しています。

商品の設計・開発を担う開発センター、セールスエンジニアの専門集団であるカスタマーセンター、製品ニーズに対応するオペレーションセンターなど4部門のスペシャリストがスクラムを組み、グローバルスタンダード(世界標準)の製品を提供しています。

ルーフの年間生産台数は2014年に初めて100万台を突破。その後は、115万台前後で推移し着実に業績を伸ばしてきています。

国内の自動車メーカーに納入する一方で、東広島で開発した製品を中国やアメリカなど海外のべバストの工場で生産。
べバストジャパンが、海外に進出している日系自動車メーカーのグローバル戦略を支援する体制を整えてきました。

自動車業界は大きな変革期を迎えています。市場はますますグローバル化し、電動化の動きも加速するでしょう。
こうしたことを視野に2016年、べバストグローバルで新ビジョンを打ち出しました。従来の事業基盤の強化に加え、拡大するEモビリティ事業へ本格的に乗り出すそうです。

‟採用”について社長に聞いてみた

チャレンジ精神を評価
管理職は英語のスキル必要

自動車のルーフ市場を支えるグローバル企業のべバストジャパン。グローバル化する市場に対応するため、新卒者の採用はもちろん、中途採用にも積極的に取り組んでいます。

グローバル企業らしく社内はさまざまな国籍の社員が行き交います。
アイルランド出身のブルース・ピアス社長に、求める人材やグローバル企業ならではの特長などについて話を聞きました。

べバストジャパン_ブルース・ピアス社長

―採用状況は

新卒者については、毎年10人前後を採用しています。高卒者は機械を操作するオペレーターを、大卒者は専門職をそれぞれ採用しています。
キャリアを持つ即戦力の中途者も随時受け入れています。


―求めている人材は

モノづくりが好きで、子どもの頃でいうとプラモデル作りに熱中したような人。グローバル企業なので、管理職のポジションでは、英語のスキルも必要となります。海外の人とのコミュニケーションは必須ですから。このため、会社では英語能力を高めてもらうため のサポートも行っています。


―会社の雰囲気は

フラットな組織で上下の距離が近く、社員を呼ぶときには、さん付けで呼び、役職で呼ぶことはありません。私自身、社長と呼ばれたことはないです(笑)。

東広島で世界や世界の文化を身近に感じられるのも会社の持つ雰囲気です。
社員500人のうち、外国人は研修生を含めて70人。国籍もアジアやヨーロッパを中心にバラエティーに富んでいます。世界各国から当社への出張者も多く、当社からも毎月、20人前後の社員が海外に赴いています。


―グローバル企業ならではの長所は

チャレンジ精神を大切にするところです。目標を達成すれば必ず評価する。
やる気 があれば、希望する職務にアサイン(配属)されるチャンスがある。実際、30代で管理職になる社員もおり、若い社員のマインドを刺激しています。

休暇が多いのも特長です。盆やGWは1週間以上の休みがあり、有給休暇の計画取得も推進しています。
休暇ではないが、今年から間接部門の社員に限って、フレックス制度を導入しました。オンとオフのメリハリがきちんとしているのも、外資ならではと思います。

―会社設立から40年です

自動車メーカーの中では知られていますが、一般的にはほとんど社名が知られていません。
ブランディングや、行政・大学との連携などに力を入れながら、若い世代がもっともっと魅力を感じるような会社にしていきたいですね。

※プレスネット2018年10月18日より掲載


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