

2019年2月28日
兵庫県出身。三田学園高卒。中高時代は弓道部で活躍。応援団には「先輩の男気にほれ」入部。理学部2年生。
香川県出身。坂出高卒。中高時代は吹奏楽部。習い事でダンスをしていたこともあり、応援団に入部。教育学部2年生。
■創部35周年
松本 創部は1984年。当時、県内の大学には広修大と広経大に応援団があり、広島6大学野球のリーグ戦などで活躍していました。そのことをうらやましく思っていた広島大野球部員で体育会幹事長だった人が、「うちの野球部にも力を与えて」と、高校時代に応援団経験のあった角島誠さん(現鶴学園勤務)に白羽の矢を立て、応援団がつくられたと聞いています。途中、部員不足で途絶えた時期もありましたが、何とか復活させ今に至っています。現在、応援団には、学ランを着るリーダー部と、チアリーディング部があり計11人で活動しています。
松本 応援団のスローガンです。ざっくりいうと応援やパフォーマンスで広島大を盛り上げようというこ と。広島大で頑張っている学生は、スポーツ競技をしている学生だけではありません。文化系のサークルで活躍している学生もいますし、学会で研究論文を発表する先生もいます。スローガンからいうと、そういう人たちを盛り立てるのも応援団の役割かなと思っています。
松本 基本的にはチア部と一緒に活動しています。野球部など体育会に所属する部の試合応援をメインにしながら、ゆかたまつりや入学式などの学内行事や、各種団体・企業のイベントなどに出演し、応援パフォーマンスを行っています。
松原 チア部は昨年復活し活動を再開。応援団の活動は週3日なので、勉強やバイトとの両立も可能です。
松本 僕らの応援団には伝統がありません。つまり求められれば何をやってもいいのが魅力かなと思っています。自由な雰囲気なので、理不尽な上下関係など、応援団の古くさいイメージも一切ありません(笑)。
松原 チアには、チアダンスの他に、組体操のようなスタンツもあります。ダンスが得意な人はダンスで輝けますし、逆にスタンツが得意な人はスタンツで輝けます。
松本 活動を通して、もっともっと広島大の知名度を上げるのが目標です。そのためには、応援団の認知度を高めることが大切。もっと部員を増やし、東京農大応援団の大根踊りのような、広島大独特のパフォーマンスをつくりたいと思っています。目指すはスーパーエリート団体です。
松原 活動を安定させるためにも、部員を増やしたいです。広島大の広告塔というか、大学を有名にしていく存在になれれば、と願っています。
2019年2月21日
防災や減災対策で意見交換
広島・三重の両県知事 広島大など視察
広島県の湯崎英彦知事と三重県の鈴木英敬知事との会議が1月31日、東広島市西条本町の賀茂鶴酒造壱号蔵であり、防災や減災対策の推進などについて意見交換を行った。両知事は1月31日に同市黒瀬町の洋国ハイツ、同市西条西本町のサタケを、2月1日には広島大学東広島キャンパスを視察した。
広島大では、広島大の越智光夫学長から大学の概要説明などを聞いた後、学内に設置されている、豪雨災害などの調査研究に取り組む「防災・減災研究センター」や、次世代建機の研究をする「コベルコ建機夢源力共創研究所」、将来の自動車のエネルギー効率などの性能向上のための材料の研究開発を行っている「先端材料研究室」を視察した。防災・減災研究センターでは、学生2人が、昨年の西日本豪雨災害後のボランティア活動について両知事に報告。広島大の学生有志が、国道で立ち往生したドライバーにおにぎりや飲み物を配布したことや、1300人以上の学生を被災地に派遣、復旧作業にあたった学生ボランティア団体の活動を紹介した。
湯崎知事は「広大生のボランティアは、各地で頼りにされ、感謝されていた」と話し、鈴木知事は「せっかくつくった組織なので、恒常的な組織にするといいと思う」と助言した。
(石田)
2019年2月7日
ラジオ講座「学びの時間」 2月8日~3月1日
〈テーマ〉 〝学園都市〟東広島市 まちづくりのルーツ
広島大学OBの教職員らでつくる「広大マスターズ」の会員を講師に迎えた週1回のラジオ講座を放送します。テーマは生活、地域社会などで、全4回。2月8日~3月1日の内容を少しだけ紹介します。
今回の講師 塚本俊明さん
つかもと・としあき 都市計画が専門。広島大学工学部建築学科卒業後、賀茂学園都市計画への参加を契機に都市計画の仕事に30年間携わる。その後、広島大学産学・地域連携センター教授を経て現在は広島工業大学工学部特任教授、広島大学名誉教授。東広島市高屋町在住。
東広島市が誕生して今年で45年。広島大学の統合移転を契機に急速な発展を遂げ、県内第4位の人口を擁する都市に成長しました。その基礎となったのが「賀茂学園都市建設計画」。大学を核とする新たな計画の内容やその後の都市づくりについて知ることで、東広島市の「今」が見えてきます。身近な「まち」を考えるきっかけになれば幸いです。
広島大学が西条町に統合移転を決定したのが1973年。その年には、建設省(当時)・広島県によって「賀茂学園都市建設計画」の策定が始められました。その背景には、国の進める大学を核とした「学園都市」建設構想、広島県が進める広島広域都市圏の発展計画などさまざまな動きがありました。さまざまな力が結集され、当時最先端の「大学の移転と一体となった都市づくり」の計画がつくられたのです。
広島大学の用地買収、造成工事を皮切りに、東広島市では大規模な事業が次々と行われ、まちの様子が急激に変化していきました。新幹線東広島駅、国道2号バイパス、東広島ニュータウン、西条中央地区の土地区画整理事業などの事業はこの時代に整備されました。ただ、急速な都市化に伴う問題も生じることになりました。
東広島市が工業都市というと違和感を持たれるかもしれません。しかし、東広島市の工業出荷額は広島県内第4位で、第3位の呉市とほぼ肩を並べるほど。これは、1980年代に広島県が進めたテクノポリス計画の中心核として研究機関や先端産業などの集積が進んだため。東広島市の人口増加が続き活力が維持されているのは、この時代のさまざまな施策の結果だと言えます。
2005年、平成の広域合併によって東広島市は中山間地域から瀬戸内海に至る市域となり、人口19万人を数える都市になりました。しかし、東広島市誕生以来目指してきた「学園都市」「国際学術研究都市」は実現しているでしょうか。
毎年全国・全世界で活躍する3000人を超える大学生や多くの留学生・JICA研修生、先端企業や研究所の研究者にとって、東広島市は誇ることのできる都市になっているでしょうか。
そのためには、私たち市民の力が試されています。
FM東広島(89.7MHz)で塚本先生の講座を放送します。それぞれ、日曜日17時~、再放送をします。
●大学の受け皿として、町から市へ
●大学と共に歩むまちづくり計画
●まちの様子が急変
●大学とまちをつなぐ道路・ブールバールの誕生
●研究機関や先端産業の集積が進む
●市の人口増に関係
●目指してきた「学園都市」は実現しているか
●市民にできること
2019年1月31日
【広島大学の若手研究者】大量のデータを基に英語学習者の傾向分析
プレスネットでは、広島大学の若手研究者に着目しその研究内容についてインタビューしています!🎤
今回お話を聞いたのは
広島大外国語教育研究センター助教
高橋 有加 さん
関係詞に着目したコーパス分析による習熟度別特徴付けがテーマ
コーパスとは、実際に使用された大量の言語資料をコンピューター上にデータベース化したもの。そのコーパスを利用して、言語の傾向や仕組みなどを分析するのがコーパス言語学です。
コーパスには、さまざまな種類があり、私が今研究で使っているのは日本人英語学習者の書き言葉コーパスや話し言葉コーパスです。
近年、日本の英語教育に影響を与えている国際的な外国語習熟度の基準にヨーロッパ言語共通参照枠(CEFR)があります。CEFRには6つのレベルがあり、日本人に特化したコーパスを使い、それぞれの習熟度の学習者にどのような言語使用の特徴があるのか明らかにしたいと思っています。
コーパスの検索結果をパソコン画面で確認する高橋さん
そのレベル分けの際に有効な基準になると判断したのがwhichやthatなどの関係詞です。
説明を加えたり、限定したりする関係詞は、日本人が習得するのに時間がかかる文法項目の一つとされており、関係詞が英語力を見る目安になると考えました。
関係詞の使用頻度は、CEFRレベルが上がるにつれて多くなっていることが分かりました。また、関係詞の知識があっても間違いを恐れたり、使用が不必要であると判断したりした場合には使用されない関係詞が多くあることも分析できました。
エラーに着目すると、習熟度レベルが中級程度になるにつれて、関係詞のエラーの頻度も高くなることが分かりました。
ただ、エラーが多いことは関係詞を使っている証拠でもあり、ある程度のレベルに到達している目安として見なければならないことを示唆しています。
小学生のときに、「ハリー・ポッター」の映画を見て、登場人物の流ちょうな英語に感動。
「いつかあんな英語で世界中の人と自由に話してみたい」と思ったのが、英語を勉強するモチベーションになりました。私の経験だと、英語を使って何かを知りたい、という具体的なイメージをつくることが、英語が好きになる近道かもしれませんね。
関係詞以外の文法項目も分析してみたいと思っています。
学生に英語を教える高橋さん(英語の授業風景の一コマ
こうした研究を通じて分かったことを教材開発やシラバス(授業計画)の構築に役立てたり、具体的な学習到達目標のための目安として応用したりすることで、効率的な英語学習につながれば、と思っています。
※プレスネット2019年1月31日号より掲載
過去の「広島大学の若手研究者」はコチラ
2019年1月31日
聴覚障害ある中国人学生 広島大に入学し、大学院目指す
2017年10月に広島大学で行った短期プログラム「日本語・日本文化特別研修」に参加した中国の長春大学特殊教育学院のリュウ・キヨウさん(24)とチョウ・ムギさん(25)が、昨年10月に広島大に入学した。
聴覚障害があるリュウさんとチョウさんは、障害のある学生対象に初めて行われた同プログラムに参加。昨年6月に長春大学特殊教育学院を卒業後、「ぜひ、広島大に留学したい」とリュウさんは教育学研究科、チョウさんは国際協力研究科の外国人研究生としてそれぞれ入学。
リュウさんは1月23日、教育学研究科の3人の大学院生と一緒に、水墨画のワークショップを受講した。池田吏志准教授は、ポインターでスクリーンの文字を示したり、ホワイトボードに文字を書いたりしながら説明。リュウさんは大学院生たちと一緒に順番に加筆しながら、イメージを膨らませ、1枚の水墨画を描いていた。
リュウさんとチョウさんは「美術教育を学びたい。広島大で教え方や専門知識を深めたい」と目を輝かせる。チョウさんは「日本のアニメが好き。勉強したい」、リュウさんは「日本の手話を身に付けて、交流を広げたい」とやる気に満ちていた。2人は、広島大の大学院入学を目指している。
2019年1月24日
中古義肢のパーツ再生しルワンダに
広島国際大学で学生報告会
広島国際大学東広島キャンパスでこのほど、リハビリテーション支援学科義肢装具学専攻学生による「ルワンダでの中古義肢パーツ活用状況報告会」が開かれた。同学科では、義肢装具学を学ぶ学生が主体となり、2015年に「義肢パーツ再生プロジェクト」を設立。使用されなくなった中古義肢を譲り受けた後、メンテナンスを施し、必要とする国の人々に届けている。
報告会ではアフリカのルワンダからNGO団体「ムリンディ・ジャパン・ワンラブ・プロジェクト」代表のルダシングワ夫妻を招き、昨年2月に寄付した義肢の活用状況が報告された。
同団体は内戦後のルワンダで、義肢を必要とする人々に無償で提供する活動をしている。
報告会終了後には、夫妻とプロジェクトメンバーで新たにメンテナンスを施した中古義肢パーツを選定。夫妻が2月末に帰国する際に、ルワンダへ持ち帰る。
(山名)
2019年1月24日
市長と語ろう! 気軽におしゃべり
【テーマ】 未来の東広島
石丸さん「学生がさらに集まり、地域とつながれるまちに」
高垣市長「AIが進化した社会をイメージし、今ある課題に対応」
東広島市の高垣広徳市長と市民が気軽にトーク。今回は、今年、成人式を迎えた大学生・石丸千襟さん(黒瀬町)と「未来の東広島」について、FM東広島の番組でおしゃべり。その一部を紙面で紹介。
―この20年、大きく時代は変わってきました。これから、さらにどう変わると思いますか。
高垣 人工知能(AI)や、モノをインターネットでつなぐ「IoT」が急速に進化しています。自動運転で連結して走る自動車や、体内に埋め込んだICチップでの電子決済などが広がる時代も、遠からず来るといわれています。ロボットも進化し、私たちの分身として、介護や通訳などをさらにサポートするようになるでしょう。その時に、どんな施策がいいかをイメージしながら、今の課題に対応していく、このように考えています。
―石丸さんは現在、広島大学でどんな勉強を。
石丸 人間が作り出した芸術や、人間の倫理観などを複合的に研究しています。
高垣 大きく社会が変わり、AIが人間を超える日が来るといわれる中でも、芸術、倫理、哲学、どう生きるかなどが最後の大きなテーマ。そこを押さえていないと将来を見ながらどうやって生 きていくか、答えが出ない。仕事がテクノロジーに取って代わられることがあるが、新しい仕事も生まれる。その時は創造性、芸術性、倫理観、トータルでいうと『人間力』が必要となってくる。時代は変わってきたが、倫理、哲学は生き続けています。
石丸 学びたいという学生をもっと取り入れるためにも、交通の利便性が向上し、地域での交流が活性化したらいいと思います。人と人とのつながりはかけがえのないもの。いろんな人とつながれるようになった時代だからこそ、つながりを大事にしていきたい。
高垣 市民の1割が学生。市の行事や課題にも関心を持ってもらい、若いアイデアを課題の解決に生かしてもらうと、地域との関係性が深くなる。若い人が社会と関わることで、ネットワークが広がります。
2019年1月19日
ロボホン使い理科の授業
西条小で実証実験
東広島市と広島大学などはこのほど、市立西条小の6年生の授業で、シャープ広島事業所が製作したモバイル型ロボット(以下ロボホン)を活用し、プログラミング教育の実証実験を行った。取り組んだのは約40人で、理科の授業でロボホンを活用した。子どもたちは、タブレット端末のソフトを使い、炭酸水や塩酸、食塩水など5種類の水溶液の性質について、質問を組み合わせながらロボホンに覚え込ませた。
この後、子どもたちは、実際にリトマス試験紙を使って水溶液の特徴を調べ、組み立てたプログラムが正しく動作しているかを、ロボホンとのやり取りで確認。ロボホンが何の水溶液かを当てると、子どもたちから驚きの声が上がっていた。神重聡佑君は「楽しかった。ロボホンを使ったおかげで、水溶液の性質がよく分かった」と目を細めていた。
教育現場でのロボットの活用は、同市が今年度から広島大と取り組む9つの共同研究の一つ。2020年度からの新学習指導要領にプログラミング教育が盛り込まれるのを前に、ロボットを使ったプログラミング的思考を育成する教育モデルを開発するのが狙い。研究メンバーの広島大大学院工学研究科の林雄介准教授は「将来、開発した教育モデルが全国の自治体に広がっていけるよう、さらに研究を深めていきたい」と話していた。
2019年1月4日
市長と語ろう! 気軽におしゃべり
【テーマ】 学生と地域の関わり
宮迫さん 「地域の人と関わり「また帰ってきたい」と思うまちに」
高垣市長 「若いパワー、新しい発想は地域で生かされる」
東広島市の高垣広徳市長と市民が気軽にトーク。今回は西条在住の大学生・宮迫大樹さんと「学生と地域との関わり」について、FM東広島の番組でおしゃべり。その一部を紙面で紹介。
―宮迫さんは広島大学の学生団体mahoLabo.(まほらぼ)のメンバーです。
宮迫 学生とまちをつなぐことを目的に、ウェブメディアの運営とイベントの企画をしています。店の人やさまざまな活動している人の思いや取り組みを取材し発信。東広島には特徴的な人がたくさんいて、学生の活動を応援してくれる人も多いと感じています。
―東広島での暮らしは。
宮迫 5年生活していますが、まほらぼの活動を始めたこの1年は、特に地域とのつながりを感じ、東広島が「帰ってきたいまち」だと思うようになりました。
―「帰ってきたい」と思ってくれるのはうれしいですね。
高垣 はい。東広島に就職、定住しない学生が多い中、どうしたら学生と関わることができるかは課題。学生は1万7000人で、市の人口の約1割を占めます。地域のさまざまな社会問題を解決する上で、学生の若いエネルギー、新しい発想が生かされるのではないかと思っています。宮迫さんの取り組みは素晴らしく、「帰ってきたい」と思えるまちづくりは、市政が目指していることと一致します。
―学生は、どうやったらまちと関わりやすいですか。
宮迫 私たちが取材している人は、学生を歓迎してくれている人で、そこには東広島の魅力があります。そこへ実際に行って人とコミュニケーションを取ってほしい。その土地の人の顔が見えるようになると、「私は東広島の人間である」という自覚が芽生えてきて、まちのイベントにも積極的に関わっていけるようになるのでは、と思っています。
高垣 ターゲットは人なんですね。「あの人に会いたい」と思ったときに帰ってきたくなる。若者が得意なウェブサイトを通して、地域のさまざまな年代の人と関わるきっかけになる。ジェネレーションギャップを埋めて、新しい人間関係を作ってくれる取り組みだと思います。期待しています。
2018年11月15日
Top Interview 近畿大学工学部新学部長 旗手稔氏
東広島市高屋にある近畿大学工学部の新学部長に着任した旗手稔氏が、FM東広島の番組に出演し、工学の魅力や学生への思いを語った。その一部を紹介。(聞き手/FM東広島パーソナリティー・間瀬忍)
―旗手学部長はどんな研究に取り組んでいますか。
鋳型に溶かした鉄を流し込むと、複雑な形状が造れる。この流し込むだけの1回の加工で、複雑な物を成形できる「鋳造」に魅力を感じ、研究を続けている。
―現在もゼミを担当しています。学生との交流は。
ゼミでは研究報告会や大掃除を兼ねた懇親会、旅行などでコミュニケーションを取っている。工学部全体としても、教員と職員と学生と皆が仲良く、距離が近くなるよう努めている。就職、研究、教育の指導がアットホームな環境でできればいい、ということがわれわれの願い。
―授業に東広島について学ぶ「東広島学」があるなど、地域との交流に積極的な印象を受けます。
建築の分野では、地域に残る貴重なかやぶき屋根の古民家の保存・修繕に取り組むプロジェクトや、空き家となった古民家を地域で使えるコミュニティースペースにリノベーションする古民家の再生プロジェクトを実施。その他、東広島市立の中学校対抗の野球大会の開催などに取り組んでいる。広島県には製鉄、重工業、造船、自動車製造など、わが国の基盤となる産業のほとんどがある。指導教員には、この地域に工学部がある意味を十分に考慮した研究をするよう伝えている。
―企業と連携する研究も多い。企業からはどのような依頼を受けますか。
商品開発、製品の量産化など。学生にとっても実社会と触れる機会が増える。企業と一緒に取り組むことのメリットは大きい。
―次世代を担う学生が求められる力とは。
基礎学力と、できれば語学力、そして若者ならではのバイタリティーだと思う。日本は戦後、工業立国として大きく飛躍。「メイドインジャパン」ブランドを世界に示してきた。今後、AI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)などに学生を導くことの必要性を感じている。日本の工学部はこれまでも企業と連携してきたが、今後、企業に合ったものをどうやって提供していくかを考えていくのが、工学部の姿勢となっていく。若くて優秀な技術者・研究者を輩出することが、われわれの使命。
―意気込みを。
人間性が豊かで、自分の意見を主張でき、コミュニケーションが取れる学生を世に送り出すため、しっかりと学生と教職員でタッグを組んで、協力し努力し合える環境づくりをしていきたい。
近畿大学工学部のポイント
●近畿大学は14学部48学科、大学院に11研究科がある総合大学
●工学部(広島キャンパス)は来年、開学部60年を迎える
●1996年に工業技術研究所が設立、2010年に次世代基盤技術研究所として新設され、持続可能な社会を実現するための研究開発を実施
プロフィール はたて・みのる 京都府出身、57歳。近畿大学大学院工学研究科機械工学専攻博士後期課程を満期退学。1996年3月に工学博士の学位取得。機械工学科長、近畿大学工学部長補佐、近畿大学次世代基盤技術研究所・所長を経て、今年10月1日から現職。 趣味/野球 座右の銘/人事を尽くして天命を待つ