2022年7月27日
【広島大学 輝く学生にズームイン】広島大硬式野球部
広島六大学のリーグ戦優勝が目標
主体性を持ち練習に打ち込む
過去、春3回(全日本大学野球選手権)、秋2回(明治神宮野球大会)の全国大会出場経験を持つ広島大硬式野球部。全国舞台につながる広島六大学野球の春季・秋季リーグ戦の優勝を大きな目標に掲げながら、練習に打ち込んでいる。
現在の部員数は学部生の57人。練習は週に6日で、全体練習の後、それぞれが自主練習に取り組む。監督は勤務の関係で、週末しか指導できないため、学生たちが練習メニューを考える。学生が主体性を持って練習に取り組むのは、広島大の伝統だ。幹部の3年生を中心に週に1回、ミーティングを行い、下級生やポジションごとの意見をくみ取りながら、1週間の練習内容を決める。
フィジカル面で、選手をサポートしているのが東広島市内でトレーニングルームを開設している高島誠さん。選手たちは、メジャーリーグ球団でトレーナーを務めた経歴を持つ高島さんのもとに、投手陣全員と野手の一部が、週2回通い、故障を予防する強い体作りに励んでいる。また、今年6月からは、元広島カープ監督の野村謙二郎さんが、広島大スポーツセンター客員教授に就任。それに合わせ野球部のアドバイザーになり、選手を支える。
近年の広島六大学野球は、甲子園出場組や強豪私学高出身者が揃う近大工学部と広島経済大の2強時代が続く。広島大は、2018年春のリーグ戦を制したのを最後に優勝から遠ざかる。今年の春のリーグ戦では、不本意な4位に終わった。当然、8月下旬から開幕する秋のリーグ戦は、春を上回ることが最低目標だ。
リーグ戦は、6大学が総当たりで戦い、各カードで、先に2勝をした大学に勝ち点が与えられる勝ち点制で競う。選手たちが意識するのが対戦カードの初戦を取ることだ。紅林輝希主将(教育学部3年生)は「第1戦に勝てば、気持ち的に優位に立てる。おのずと良い順位が見えてくる。チームの力で2強に食らいついていきたい」と強調する。
その初戦のマウンドを担うのが、多彩な変化球で打者を翻弄(ほんろう)する主戦の平田宗一郎さん(総合科学部3年生)だ。「長打を打たせない投球を心掛け、結果を出したい」と意気込む。
今のチームには、甲子園出場経験者はいない。それでも、「能力の高い選手が集まり、近年では一番強い。優勝争いに絡んでいきたい」と学生コーチを務める竹内空さん(大学院人間社会科学研究科)は言い切る。
秋のリーグ戦は、4番を務める奥成航太さん(教育学部)ら力のある4年生が主力として残るのも、チームを後押しする。もちろん、控えの選手も虎視眈々(たんたん)とレギュラーの座をうかがい、チーム内に競争意識を植え付けている。外野手の中島悠輝さん(工学部3年生)は「秋は多くの試合に出て経験を積みたい」と目を輝かせる。
秋のリーグ戦で勝ちグセを付け、リーグの常勝軍団へ―。選手たちが思い描く青写真だ。
※プレスネット2022年6月30日号より掲載
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2022年6月30日
【広島大学の若手研究者】鳥類で生殖システムや遺伝子改変を考察
プレスネットでは、広島大学の若手研究者に着目しその研究内容についてインタビューしています!🎤
今回お話を聞いたのは
広島大学 大学院統合生命科学研究科 助教
松崎 芽衣 さん
鳥類で生殖システムや遺伝子改変を考察
人の不妊治療や医薬品開発に役立てたい
学生時代から鳥類の生殖システムの分子メカニズムを研究しています。きっかけになったのは、ウズラの精子を顕微鏡で見たとき。ちょうどオタマジャクシが頭と尻尾を動かして泳いでいるイメージで、とても神秘的でした。その精子の動きと美しさに魅了され、生殖システムの研究に取り組むようになりました。
培養試験中の始原生殖細胞を顕微鏡で観察
鳥類は、交尾後の精子を貯蔵できる「精子貯蔵管」を持っていて、一度交尾をすれば、その後交尾をしなくても貯蔵精子を使って、受精卵を産み続けることが可能です。ニワトリであれば、約3週間、精子を貯蔵できます。精子貯蔵管では乳酸がつくられていて、貯蔵された精子は乳酸の働きで休眠状態となっていることを、博士課程の研究で突き止めました。
精子貯蔵管の顕微鏡写真
では、精子はどうようにして精子貯蔵管に入るのか。ウズラの精子を 使い、精子が貯蔵管に入る仕組みについて調べた結果、ウズラの精子表面に存在する糖鎖が精子貯蔵管への侵入に大きな役割を果たしていることを明らかにしました。
一方、射精された精子が貯蔵管に入る割合は1%未満に過ぎません。どんな精子がメスに選ばれるのか、という研究も行っています。精子は一つ一つで長さが違いますが、精子貯蔵管には長い精子が多く貯蔵されていることが分かってきました。そのことが、子孫を多く残すための戦略なのか。そして、メスに好まれる精子がどのように作られるか、明らかにしていきたいと思っています。
生殖システムと並行して、取り組んでいるのが遺伝子改変技術の研究です。哺乳類では、ゲノム編集が普及してから、より簡単に遺伝子を書き換えることができるようになりました。一方で、鳥類では細胞分裂を始める前の受精卵を腹から取り出すのが難しく、卵自体も巨大で操作が しづらいことから、遺伝子改変が難しいのが実情です。そこで、鳥類では、将来生殖細胞となる「始原生殖細胞」を発生途中の胚から採取し、始原生殖細胞へ遺伝子改変した後に、別の胚に細胞を移植して改変個体をつくる方法が考えだされました。
ただ、この方法は、ニワトリ以外の鳥類では、始原生殖細胞の培養が難しいのが欠点。このため、鳥類の産卵直後の受精卵へ直接ゲノム編集ツールを導入し、効率的に遺伝子を書き換えた鳥類を作る研究に取り組んでいます。
鳥類はユニークで面白い生殖のシステムを持っています。遺伝子改変と合わせ、一つ一つを解き明かしながら、人の不妊治療や、医薬品・食品産業の応用に役立てられれば、と思っています。シンプルに「知りたい」という思いを大切にしながら、チャレンジ精神を持って研究に向き合っていきます。
※プレスネット2022年6月30日号より掲載
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2022年5月23日
【広島大学の若手研究者】コウモリの超音波センシングの運用法
プレスネットでは、広島大学の若手研究者に着目しその研究内容についてインタビューしています!🎤
今回お話を聞いたのは
広島大学 大学院統合生命科学研究科 助教
山田 恭史 さん
口と両耳、小さな脳での3次元空間把握能力を研究
数理学・動物行動学・工学にわたる包括的な視点で再現
子どものころからモノ作りと生き物が好きだったことから、同志社大学工学部へ進学し、主にコウモリの行動パターンから障害物を回避するときのナビゲーションを研究していました。コウモリを初めて捕獲しに行ったとき、暗闇の洞窟の中で無数のコウモリがぶつかることなく飛び回っている様子に衝撃を受けました。コウモリは自ら発するパルス(超音波音声)に対するエコー(反響音)を使って、周囲の環境を把握する「エコーロケーション」で飛んでいます。視覚は退化しているので、発信器となる口、受信器の両耳、そして小さな脳だけで3次元空間を定置しています。そんなコウモリの能力、超音波のポテンシャルの高さに感動しました。それが私の研究の出発点です。
超音波センサを搭載したドローンを用いて、飛行中にポール(障害物)認識テストを行う様子
コウモリは右に曲がりたいときは、右の方向に超音波パルスを打っています。行きたい方向へ超音波パルスを放射し、進む方向を変化させています。私はこのパルス放射方向を「音の視線」と呼んでいます。この音の視線制御のルールと障害物を避ける制御を数式化した「コウモリ模倣ナビゲーションシステム」を自律走行車に搭載して、有用性を検証しました。コウモリ由来の音の視線制御がない場合は、走行経路のばらつきや障害物への衝突が増えました。つまり、コウモリの音の視線の使い方は、確かに理にかなっていたのです。
そして今、ドローンにこのシステムを搭載し、実機検証をしています。ドローンは飛行ノイズが大きく、超音波システムと相性が悪いと言われてきました。しかしコウモリは100匹単位で生活し、音がたくさんある混信環境で生きています。つまり、自分の声だけ聴き分ける能力、ノイズに強い能力があるということ。そこに可能性を見出し、実証実験を重ねています。
世界中の研究者が敬遠するドローンと超音波ナビゲーションの運用。これを、コウモリと同様に1送信器(スピーカー)、2受信器(マイクロフォン)、そして小さなコンピューターを搭載し、コウモリを模倣した方法から障害物を回避できるナビゲーションで実現できたら世界でオンリーワン! まもなく完成です。
自作の計測用マイクをはんだ付けで修理する様子
昨年の東京オリンピックの開会式で、ドローンが上空で隊列を組んで飛ぶ様子が話題になりました。私は美しく隊列したドローンよりも、コウモリのようにごみごみとした環境を一見無秩序に飛び回るのを見てみたい、再現したいのです。それぞれが好き勝手に動いているけど安全を保つなんて、すごいシステムだと思いませんか。
将来の夢は、コウモリと一緒に暮らせるほどのロボットを作ること。皆さんにもぜひ、機会があれば洞窟でコウモリの能力を感じてほしいです。
※プレスネット2022年5月26日号より掲載
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2022年5月16日
【東広島の企業紹介】「株式会社ヒロタニ」
東広島で就職ってどこですればいいの?そもそも東広島に就職できるところってあるの?
そんな学生の皆さんへ東広島の企業を紹介!
今回紹介する東広島の企業は
「株式会社ヒロタニ」
自動車の、エンジンやタイヤの騒音を抑える内・外装部品を主に手掛ける。追求してきたのは「音・美・熱」をテーマにした、自動車の快適な空間づくり。電気自動車や自動運転など、いわゆる「CASE(ケース)」の時代で、変革が求められる業界にあっても、3本柱を追及する姿勢はいささかもブレない。(日川剛伸)
1951年、広島市でべニア板と新建材の販売を始めたのが会社の出発点。59年、その材料を使って、東洋工業(現マツダ)に自動車の内装部品の納入を始め、会社の礎を築いた。
その後、防音に特化した新製品を製造するため65年に八本松町原に、74年に志和町志和堀に、それぞれ工場を新設。東広島市で、自動車部品工場としての揺るぎない地歩を固め、建材部門を他社に譲渡したのを機に、96年、本社を広島市から東広島市に移した。
本社内には、技術力を高めようと、本社移転と合わせ音響実験室を設けた。実際の走行時を想定して防音効果を解析するシャーシーダイナモ室や、製品に使われる素材の防音性能を測定する残響室・無響室などを備える。それらをもとに、NVH(騒音・振動・衝撃音)分析を行い、高品質で軽量化に優れた部品の開発を進めている。
エンジンルームと車室を隔てている間の車室側に装着している「ダッシュインシュレーター」は、ヒロタニの主力製品だ。「ハーフ」と呼ばれる独自に開発した素材を使用、エンジン音を遮って室内の静粛性を保つ。この他、インシュレーターはタイヤとボディの間にあるタイヤハウスやエンジンカバー、ボンネットなど、自動車のさまざまな箇所に採用されている。
トランクルーム内を覆う「トランクサイドトリム」は、トランクルーム内から室内に入る音を遮り、ルーム内の装飾にも貢献している。外装部品では、自動車の下側に取り付け、空力と防音の機能を併せ持ったアンダーカバーなどを、製造している。
製品は、マツダに9割納入。ダッシュインシュレーターは、マツダの全車種に対応している。マツダ以外のメーカーでは、トヨタやダイハツにも納めている。
自動車部品を転用した商品の開発も進める。コロナ禍を受け、飛沫を防ぐ、自動車の防音材を使ったパーテーションボードを開発した。間仕切り用と卓上用があり、アクリル製よりも軽く、声の反響も防げるという。
電気自動車(EV)やカーシェアリングの普及などで、業界では業態の変革を求める声も大きい。ただ、同社は「ガソリン車であろうと、電気自動車であろうと、車が動く限り、音は必ず出るし、熱も発生する。音・美・熱を追及する姿勢は変わらない。自動車の販売台数が減ってきたとしても、その中でシェアを高めていける技術を持ち続けていきたい」と言い切る。
社員数は約380人。「明るく楽しく、そして挑戦」という行動指針を全社員が共有する。同社の伊妻勉主幹は「全社員が常に向上心を持ち、チームヒロタニとして新しいことに挑戦したい。ものづくりの会社の使命」と力を込める。
【エンジンカバーインシュレーター】
優れた吸音性能でエンジン音による車外騒音の低減や、エンジン本体を保温する効果もあり、再始動時の適温までの昇温時間を短縮し、燃費向上やCO2排出削減への貢献も期待されている
【ダッシュインシュレーター】
ダッシュパネル裏に取り付ける製品。独自開発したHARF(ハーフ)を採用し、軽量かつ高吸音が特性で車室内の静粛性の一翼を担う。リサイクル可能な材料を採用
【フェンダーライナー】
タイヤから巻き上げられる砂や小石などからフェンダーや配線を保護し、車両内外の騒音を低減。繊維層と保護層で高い吸音性と雪の固着による操舵不能を防ぐための着氷剥離性を両立
【パーテーションボード】
自動車部品の音響技術を活用し開発。 飛沫(ひまつ)を防ぎ、声の反響も防げる
新卒者は毎年10人前後を、中途者は毎年20人前後を、それぞれ採用しています。
新卒者については、今年は高卒、大卒を合わせて15人を迎えました。新卒者に求めているのは、失敗を恐れず、挑戦し続けるという気構えです。ヒロタニには、長年の経験に基づいた確かな技術力があります。その技術を受け継ぎながら、常に新しい発想で仕事をやり遂げる人材を必要としています。中途者には、経験に裏付けされた即戦力となる人材を求めています。
職場は、製造業ゆえ男性社員が8割を占めますが、近年は女性社員の採用にも積極的です。軽量な製品を取り扱うので、工場では女性でも安心して働くことができます。
(主幹・伊妻勉談)
1951年 広島市三川町で広谷商店として創業
1959年 東洋工業(現・マツダ)に自動車内装部品の納入を開始
1965年 八本松町原に工場を新設
1973年 株式会社ヒロタニに商号変更
1974年 志和町に工場を新設
1982年 山口県防府市に工場を新設
1996年 本社を志和町に移転
2000年 志和工場に音響実験室を新築
2013年 福岡県飯塚市に九州工場を開設
2014年 滋賀県甲賀市に滋賀工場を開設
2017年 山口市に山口工場を開設
※プレスネット2022年5月19日号より掲載
\東広島の凄い企業をまとめて紹介!/
2022年3月28日
【広島大学の若手研究者】喜界島・奄美大島の方言を研究
プレスネットでは、広島大学の若手研究者に着目しその研究内容についてインタビューしています!🎤
今回お話を聞いたのは
大学院人間社会科学研究科 准教授
白田 理人 さん
一語一語をていねいに収集し分析
言語を記録保存し継承をサポート
大学の学部3回生のときに、沖縄県の宮古島の方言データを分析する授業があり、同じ日本国内なのに、共通語と大きく異なる言語が話されていることに衝撃を受けました。その授業がきっかけで、鹿児島県の奄美群島から沖縄県にかけて話されている琉球(諸)語に興味を持ちました。
喜界島北部での方言調査の様子
鹿児島県の喜界島の伝統的な方言についてフィールドワークによる調査・研究を行っています。喜界島の方言は、文字化した資料などの先行研究が少なく、まず言語の全体的な特徴をつかむことから始めました。
喜界島の人たちは、60歳代以上の人しか伝統的な方言を話しませんが、その人たちも共通語と使い分けて話しています。そのため、聞き取り調査では、できるだけ普段通りの方言で話してもらうよう心掛け、聞き取った言葉に対しては、一つずつ「なんと言っています
か?」「意味は何ですか?」と確認しながら一語一語ていねいに収集・記録していきました。
言語を記録していくには、語彙(語形と意味・用法)、文法(言語の仕組み、法則)、テキスト(自然な会話の資料などを文字化したもの)の3つの柱が大切です。そのことを念頭に入れながら調査を進めてきました。自分で教科書を書きながら語学を勉強しているようで大変でしたが、母語話者が無意識に使っている言葉に、法則を見つけ出す瞬間があり、興味深い経験ができました。
喜界島は人口約6800人、面積は約57平方キロの小さな島です。それでも北部と南部の集落では、言い表し方やイントネーション、母音の使い分けに違いがあります。例えば、一人称複数形の「私たち」について、北部の集落では、会話に出てきた人物と話し手をまとめて一つのグループとして会話に導入するための「アリワーキャ」という表現が見られます。また、北部と南部では、疑問文末のイントネーションに違いが見られます。集落間の交流が少ないと、言葉が集落ごとに独自に変化することが示唆されます。
喜界島南部での方言調査の様子
現在、世界で消滅の危機に瀕している言語は、日本のアイヌ語や、私が研究している琉球列島の言語を含めて2500あると言われています。そうした言語・方言の研究は、失われつつある人類の言語文化の多様性を記録保存する意味で、大きな社会的役割を担っていると思っています。
言語の消滅を防ぐためには、継承も大切になります。喜界島では、方言を聞いて分かる世代は主に40代以上で、30代以下になると、理解できない人が増えています。研究の成果を公民館の方言講座などで、地域に還元できれば、と願っています。
※プレスネット2022年3月31日号より掲載
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2022年2月22日
【広島大学の若手研究者】「魔術的リアリズム」が村上文学の特徴 翻訳文体で海外の読者に人気
プレスネットでは、広島大学の若手研究者に着目しその研究内容についてインタビューしています!🎤
今回お話を聞いたのは
大学院人間社会科学研究科 助教
ダルミ・カタリン さん
村上春樹文学を研究
ハンガリーの大学生だった2007年、村上春樹の「羊をめぐる冒険」のハンガリー語訳が出版され、読んでみて面白いなと思ったことが、村上文学を研究する動機になりました。読みやすかったことが、面白さに結び付きました。
二つあります。一つ目は外国人には読みやすい文体であることです。春樹は、最初に英語で書き起こして、日本語に置き換えていくという翻訳文体が特徴です。このため、自分の叔父のことは、日本語なら「叔父」という言葉で表しますが、春樹の作品では、叔父が「彼、彼」という言葉になって紡がれます。英語では、叔父のこともHe(彼)と表現しますから、日本人には難解でも外国人には普通に読めるのです。
二つ目は比喩表現の巧みさです。例えば、上から目線の怖い感じの話し方を、春樹は「手袋で机の上のほこりを払うようなしゃべりかただった」と形容します。このうまさは春樹ならではです。もう一つ付け加えると、物語の面白さの裏側に、深いテーマを散りばめたストーリー構成も春樹作品のだいご味です。
現実的な要素と非現実的な要素を織り交ぜて、合理的ではない離れた視点から、合理主義の現実を捉え直す手法です。欧米では、文学研究に広く用いられてきたキーワードで、私は春樹文学に出合ったことで、彼の作品の特徴である魔術的リアリズムを追究するようになりました。
日本と海外の読者によって魔術的リアリズムの捉え方が異なってくることです。例えば、「海辺のカフカ」という作品には、別世界を行き来する生き霊が登場します。海外の読者から見ると、生き霊は合理主義と離れた感覚ですが、日本の読者からすると、お盆には先祖の霊が帰ってくると言い伝えられているように、生き霊は、日常の合理主義の範囲でもあります。読者の視点を意識すると、英語と日本語で論文は異なってきます。
文学作品は、読み方の視点を変えるだけで、調べることがたくさん出てきます。毎日、新しいことを勉強できるのがだいご味です。難しさは、共同研究ができる理系と違い、文学研究は一人だということ。行き詰まったときも、自分一人で乗り越えないといけませんからね。
日本で学んできた研究成果を母国(ハンガリー)に還元することです。将来的には、ハンガリー語で春樹作品を含めた日本文学のことを紹介するのが夢です。もう一つは、「コンビニ人間」で芥川賞を受賞した村田沙耶香さんら日本の女性作家にも興味があり、春樹作品以外にも研究領域を広げていきたいと思っています。
ダルミ・カタリンさんおすすめ村上春樹作品ベスト3
1.『海辺のカフカ』(2002)
「僕らの責任は想像力の中から始まる。」15歳の主人公は、父親にかけられた呪いから逃れるために四国に渡る。夢と現実の境界線が曖昧な物語世界に猫と話せる老人や生き霊など、村上ワールドの不思議な登場人物たちが次々に登場する。読者の想像力をかき立てる一冊。
2.『羊をめぐる冒険』(1982)
「鼠三部作」の第3部に当たる長編小説。アメリカでは村上春樹のデビュー作となり、広く知られている。ハードボイルド探偵小説を想起させるようなストーリーで、初期の村上春樹作品の魅力を味わえる一冊。
3.『女のいない男たち』(2014)
恋愛をテーマにした近年の連作短編小説集。中には昨年映画化された「ドライブ・マイ・カー」も収録されており、幻想的な作品が苦手な読者にお勧め。
※プレスネット2022年2月24日号より掲載
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2022年1月24日
【広島大学の若手研究者】ボルネオ島の生物の多様性に着目 ジャコウネコで共存メカニズム考察
プレスネットでは、広島大学の若手研究者に着目しその研究内容についてインタビューしています!🎤
今回お話を聞いたのは
大学院先進理工系科学研究科 助教
中林 雅 さん
研究テーマは熱帯生態学
高校生のとき、兵庫県の博物館が主催の、ボルネオ島のジャングル(熱帯雨林)で1週間を過ごす体験スクールに参加しました。そこでジャコウネコの存在を知りました。肉を食べるのに適応した食肉目の動物なのに、地上30㍍の木の上で果実を一心不乱に食べている不思議さに惹かれたのが、ボルネオ島でジャコウネコを研究するきっかけになりました。
2010年から19年までボルネオ島と日本を行き来する生活を送りました。自動撮影カメラを仕掛けたり、ジャコウネコを追って夜の熱帯雨林を歩き回ったり、樹高60㍍の木に登ったりしながら、地道に生態を研究しました。また、ジャコウネコを通して、動物が植物の種子を運ぶ種子散布という機能の観点で動物と植物の関係にも着目し、植物の分野にも研究領域を広げ調査を行ってきました。
ボルネオ島を含む東南アジアの熱帯は、他の熱帯地域よりも同じ場所に生息する食肉目動物の種数が多いことが知られており、ボルネオ島にはジャコウネコが8種も生息しています。そこで、8種のうち特に近縁な4種に着目して、共存メカニズム(すみ分け)を調査してきました。これまでの研究で、基本的に同じ空間で同じ時間帯に活動して同じものを食べるが、種によって食べる部位や時期が少しずつ違うことが分かってきました。
また、果実を食べるジャコウネコは、種子散布に大きく貢献していることも分かりました。一方で、最大の種(ビントロング)は体重が10㌔あるので狩猟の標的になりやすく、絶滅が危惧されています。今は、そうした種子散布動物の減少が、植物の個体数や生態系に及ぼす影響を調べています。
調査地がジャングルなので、歩くことすら大変です。研究器具や機材を設置しても、ゾウなどに壊されることもしばしば。思うようにいかないことが、研究の難しさですね。だから、失敗しても簡単には諦めないことを心掛けています。
醍醐味は、研究を通じて熱帯雨林の不思議が一つ一つ明らかになることです。ボルネオ島は世界的にも生物多様性が高く、また森林減少が著しい地域でもあります。森林破壊による気候変動などの研究はとても重要ですが、私は、熱帯雨林の動植物がもつ不思議や魅力を明らかにして、熱帯雨林の価値を伝えていきたいです。
東広島市の獣害研究で、イノシシが柵をくぐり畑に侵入した瞬間を捉えた写真
コロナ禍で海外渡航制限が設けられた以後は、東広島市の北部地域で、農作物被害などをもたらす害獣と呼ばれるイノシシやシカなどの生態を研究しています。日本でのこうした哺乳類の研究は十分とは言えず、地域に即した獣害対策を考える必要があります。山の中や山間部の集落の畑に自動撮影カメラを設置して行動を分析しています。この研究が人間と動物のすみ分けに役立つことを願っています。
※プレスネット2022年1月27日号より掲載
\オススメ記事/
2021年12月20日
【広島大学の若手研究者】自動車排ガス浄化に有効なゼオライト材料開発 カーボンリサイクルの省エネルギー化追究
プレスネットでは、広島大学の若手研究者に着目しその研究内容についてインタビューしています!🎤
今回お話を聞いたのは
大学院先進理工系科学研究科 助教
津野地 直 さん
研究キーワードはゼオライト・二酸化炭素の回収と利用
僕は触媒を扱っている研究者です。触媒は、特定の化学反応の反応速度を速めますが、自身はなくならない物質のことです。例えば、家の壁に塗ってある光触媒は、付着した汚れを分解することができますが、光触媒自体は分解せず壁をきれいに保ち続けることができます。
研究テーマにしている無機材料です。ゼオライトは独自の触媒・吸着特性を持ち、幅広く使われている工業材料です。代表的な例としては、石油からガソリンを作る石油精製の触媒として使われています。
一方、ゼオライトの合成は、複雑な中間状態を経由するため、「この機能を発現させたい」と、ゼオライトの合成過程を《ねらって》制御(コントロール)することはできません。さまざまな研究者・メーカーが、試行錯誤をしながらつくっているのが現状です。そこで、ゼオライト合成や得られる機能を意図的に制御できる手 法を開発しています。現在は、自動車排ガス浄化触媒などに有効なゼオライト材料を開発しています。
先ほども話しましたが、期待した合成結果がしばしば得られない点です。論文データを読み込んで、真似してもなかなか再現できません。一方で、敷居が高い分、ゼオライトの合成の過程を微細に制御することには研究のロマンを感じます。
ゼオライトの精密な合成
もう一つの研究のキーワードです。吸着材から二酸化炭素を回収し、他の炭素原料へ変換(資源化)することができれば、温室効果ガスを削減しつつ、それらを有効に利用することも可能です。しかし、このプロセス(カーボンリサイクル)は、回収するための高温処理や、資源化の低い反応効率などが要因となって、多量のエネルギーを必要とします。結果的に温室効果ガスの発生につながるため、カーボンリサイクルを省エネルギー化する必要があります。
研究では、二酸化炭素の回収と資源化を同時に、かつ低エネルギーで進行させることのできる複合材料を、経産省の委託で高知大、中国電力と共同研究をしています。ゼオライトで培った合成技術を、プロジェクトに生かせれば、と思っています。
カーボンリサイクルにかかる多くのエネルギー
研究で心掛けていることです。偶発的なデータでも、解釈次第でプラスに転じることがあります。期待した合成結果が得られなくても、その結果も次の合成を考える際に役立つので、無駄なデータではありません。
ゼオライトの合成過程を分子レベルの知見に基づいて解析する手法を開発しました。次は、合成過程の制御手法を論理立てて確立することが目標です。この基礎研究によって、試行錯誤で開発していた材料を、短期間で開発できることになり、求める触媒を迅速につくることで、さまざまな社会ニーズに柔軟に対応できるようになります。
※プレスネット2021年12月23日号より掲載
\オススメ記事/
2021年11月29日
【広島大学の若手研究者】131億年前の宇宙で「隠れ銀河」発見 想像以上の世界を見せてくれる宇宙に醍醐味
プレスネットでは、広島大学の若手研究者に着目しその研究内容についてインタビューしています!🎤
今回お話を聞いたのは
広島大学宇宙科学センター 助教
稲見 華恵 さん
研究テーマは銀河の形成・進化
小学生の頃、科学事典で、宇宙を紹介した写真の美しさに惹かれ、子ども心に「宇宙に関わる仕事がしたい」と思っていました。この頃は宇宙飛行士になりたいと思ったこともありますが、宇宙そのものを理解することに惹かれ、研究者の道を選びました。願っていた夢がかない、今はさらにその先に進もうとしています。
アルマ望遠鏡による観測では、ハッブル宇宙望遠鏡では何も見えていない領域(上方の四角)に、塵に深く埋もれた銀河(右上の想像図)を新たに発見
ALMA(ESO/NAOJ/NRAO),NASA/ESA Hubble Space Telescope
大学院に進学した少し前に、天体からの赤外線を観測する赤外線天文衛星「あかり」が日本主導で打ち上げられました。当時、赤外線天文学の歴史は浅く、分からないことも多かったため、赤外線では宇宙の何が見え、何が分かるのか、挑戦したいと思うようになり、赤外線を使った銀河の形成や進化について研究を進めることにしました。
銀河は、ガスや塵(ちり)を持っていて、ガスと塵が集まって星が生まれます。言い換えれば星が生まれるところは塵に包まれていることが多いのです。塵は星が放射する紫外線を隠しますが、紫外線に暖められた塵が赤外線を放射します。つまり、赤外線を観測すれば、銀河でどれだけ星が生まれ形成されてきたのかが分かるということです。
約131億年前の宇宙で塵に深く埋もれた銀河を発見することができました。塵に埋もれた銀河として見つかったもののなかでは、観測史上最古の銀河です。宇宙は約138億年前に、超高温・超高圧の火の玉が爆発するビッグバンで始まったと考えられており、宇宙誕生直後の銀河が見つかったことになります。
私には、一つの謎を解こうとして、新たな謎が見つかったという、科学のだいご味を改めて感じることにもなりました。塵を大量に生産するためには、ある程度歳をとった星が必要なのに、なぜ、ビッグバンから短期間しか経っていないのに大量の塵が生み出されたのか、不思議でたまりません。これから、その謎を解き明かしていこう、と思っています。宇宙の初期に塵を持った銀河が形成されていることを発見したのは、広大な宇宙には、私たちが知り得ていないことがまだたくさんあることを示してくれました。
サイエンスカフェにて宇宙の塵について解説中(広島大学広報グループ提供)
望遠鏡を覗いて観測することが、天文学者の研究と思われがちですが、カメラの発達で、望遠鏡に取り付けたカメラが受信した信号を、コンピュータで解析するのが研究のスタイルです。自分の想像以上の世界を見せてくれるのが研究の楽しさですが、それには本物の信号かどうかを検証する地道な作業も不可欠です。
東広島市は、大都会と比べると星がまだよく見えます。時にはふと夜空を見上げて、身近に宇宙を感じてほしいですね。星空の変化を感じ取ることが、科学に興味を持つきっかけづくりになれば、うれしいです。
※プレスネット2021年12月2日号より掲載
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2021年11月23日
【東広島の企業紹介】児童養護施設 児童心理治療施設 「広島新生学園」
東広島で就職ってどこですればいいの?そもそも東広島に就職できるところってあるの?
そんな学生の皆さんへ東広島の企業を紹介!
今回紹介する東広島の企業は
児童養護施設 児童心理治療施設
「広島新生学園」
広島市に原爆が投下された1945年の夏が、児童養護施設・広島新生学園が誕生する原点になった。あれから76年。これまでに約2100人の子どもたちを養護し、子どもたちの自立を支援してきた。歩みをたどりながら、学園に脈々と根付くDNAを紹介する。(日川剛伸)
創設時からスポーツ活動による集団指導に力を入れている。写真はソフトボールに取り組む小学生男子
創設者は上栗(かみくり)頼登(1919~95年)。原爆投下のあの日、陸軍見習士官として広島市郊外から広島市内に入り、悲惨な地獄絵図を目の当たりにした。息絶えた母親のそばで泣いていた赤ん坊の口に、持っていた水筒の水をそっと含ませ、その場を立ち去ったとき、児童福祉に一生を捧げる決意を固めた、という。
運命を変えることになったのは、その年の秋。南方の激戦地からの引き揚げ船が次々と広島の港(宇品)に入るようになった。両親を失い、港で路頭に迷う子どもたちの姿に心を突き動かされた、「俺が面倒を見る」。軍除隊退職金2000円を注ぎ込み、旧陸軍部隊の兵舎を借りて、新生学園の出発点となる引き揚げ孤児収容所を開設した。
その後、原爆孤児や戦災浮浪孤児たちの養護も始め、収容施設の場所も広島市の宇品から草津、広島城近くの基町へと移転していった。1971年、広島市の都市計画に伴い、現在地の東広島市に移転。経営主体も県同胞援護財団から分離独立し、社会福祉法人・広島新生学園となった。
1950年代までは、入所園児の多くは原爆孤児たちだったが、60年代に入ると、親から肉体的、精神的な虐待を受け、家庭に居場所がなくなって入所する子どもが主流を占めるようになった、という。
創設当初から力を入れてきたのが、スポーツ活動による集団指導だ。西条町に移転した際には、敷地内に両翼80m、中堅90mの野球場と、屋外バレーボールコートを整備した。現在、学園には2歳から18歳までの男女73人が在籍しているが、園児たちは、各学校から下校後、男子はソフトボールや軟式野球を、女子はバレーボールを行うことを日課にしている。学園は、寝食と学校に通わせることだけではない、という強い思いがあるからだ。
頼登氏の死後、95年に運営を引き継いだ長男の上栗哲男園長は「学園で高校までを過ごしても、高校卒業後、ほとんどの子は家に帰れません。家庭が崩壊して両親が離婚した挙げ句、それぞれに新しい家庭ができているからです。だから子どもたちの自立を促すことも、学園の大きな役割。そのためのスポーツ」と力を込める。
創設者の上栗頼登の銅像の横に立つ2代目園長の上栗哲男氏。創設者の思いは今も脈々と息づいている
落ち着きがなく、自分のことしか考えなかった子どもたちが、チームプレーのスポーツを通して協調性を養い、ルールを守る大切さも分かってくる。周囲から認められることで、自信も芽生えてくる―。上栗園長によると、スポーツにはさまざまな効用があるという。
「家庭に近い環境の養護施設」を貫いているのも特徴だ。その思いを実現するため、89年からいち早くスタッフにフレックスタイム制を導入。子どもたちの起床から就寝までを、同じスタッフで対応し、子どもたちが学校に通っている午前8時~午後4時まで休憩時間にしている。上栗園長は「朝のお母さんと夜のお母さんが違っていたら、子どもはどう思うでしょう。一緒の人であることが、子どもに安心感を与える」と話す。
毎年、盆と正月には、多くの卒園者が、妻や子どもを伴って、学園に『里帰り』をする。現役の園児と卒園者による野球の紅白戦は恒例の行事になっている。今年の夏には創立当初に在籍した80歳代の卒園者も訪ねてきた。上栗園長は「立派になった卒園者が、『わが家』を訪れたときは、いつもうれしさでいっぱいになる。施設を運営するエネルギーの源にもなっている」と目を細める。
学園内の敷地内には、慰霊碑がある。中央の三角石はデルタ地帯の広島を表し、両脇は平和の象徴のハトの両翼を表現しているという。石碑には、原爆の投下で、息途絶えた母親の乳房にしがみつく幼子と、水を求めて川に手を伸ばす犠牲者たちを目にした創設者の痛恨の思いが碑文に刻まれている。
敷地内にある原爆犠牲者たちの慰霊碑
児童養護の事業を始めるに至った原点を忘れてはならない、と石碑を建立。碑の前には原爆瓦を敷き詰め、敷石は原爆を直接浴びた御影石を使っている。原爆犠牲者や学園を卒園して亡くなった人、その親たちを慰霊対象にしている。毎年8月6日には、供養祭を行っている。
昭和31年頃の原爆ドーム前の園児たち。施設が基町にあった時代は、毎年8月6日に平和記念公園内の慰霊碑に参拝していた
新藤兼人監督(故人)、乙羽信子(故人)主演で、原爆を取り上げた初の作品として高い評価を受けた映画「原爆の子」(1952年公開)。ロケ現場には、基町時代の広島新生学園が使われた。
映画は、原爆の被災の頃に勤務していた幼稚園の教師(乙羽)が園児たちの消息を確認したい、と故郷広島に戻ってきた、というストーリー。広島新生学園の園児たちは、エキストラで出演、乙羽から浴衣をもらった、という。
映画「原爆の子」のロケ風景
広島新生学園はギャンブル団体・企業からの寄付は一切受けない。入所する園児は、親の虐待を受けた子どもが大半。虐待のもとをたどれば、親の公営ギャンブル依存などが、家庭の崩壊を招く大きな原因の一つになっているからだ。
「学園が寄付を受け付ければ、子どもたちはどう思うのか。ギャンブルを肯定する心が芽生え、大人になってから親と同じことを繰り返しかねない」と上栗哲男園長。「うちの卒園生は、ギャンブルで人生を棒に振ることはありません」と胸を張る。
現在の広島新生学園の正門
基町時代の施設
1945年10月 原爆孤児や引き揚げ孤児などの収容保護を目的に、広島市南区(現)の陸軍の兵舎の一部を借り、事業を開始
1945年12月 戦災援護会広島支部(現県同胞援護財団)の経営に
1946年 4月 広島市西区草津新町(現)に移転
1947年 4月 広島市中区基町(現)の旧陸軍野砲部隊跡に移転
1971年 4月 現在地の東広島市西条町に移転
1971年10月 社会福祉法人・広島新生学園の経営になる
2018年 4月 園舎を全面改装、児童心理治療施設を併設
※プレスネット2021年11月25日号より掲載
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