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【広島大学の若手研究者】研究分野はトポロジー(位相幾何学)

2023年1月23日

【広島大学の若手研究者】研究分野はトポロジー(位相幾何学)

プレスネットでは、広島大学の若手研究者に着目しその研究内容についてインタビューしています!🎤

今回お話を聞いたのは

大学院先進理工系科学研究科准教授
小鳥居 祐香さん

小鳥居さん1

研究分野はトポロジー(位相幾何学)

絵(形)を数学に置き換え数式を考察
研究内容、外部に積極発信

■研究のきっかけ

 子どものころは絵を描くことが大好きで、将来は画家になることが夢でした。それとは別に、算数や数学が好きで、大学3年生のときに、絵がたくさん出てくるトポロジーという分野の数学に出合ったのが、研究に取り組むきっかけになりました。

■トポロジーとは

 数学は、代数学、解析学、幾何学の分野に大別されます。トポロジーは、モノの形(図形)を扱う幾何学の一つで、ゴムのような柔らかいモノの形を扱います。絵を考察しますが、絵自身を考えるのではなく、絵を数学の言葉に置き換えて研究するのがトポロジーです

■紐(ひも)の形を数式に

 私はトポロジーの中でも、特に紐の形や絡み方について、約10年前から研究を続けています。例えば、運動靴の靴紐が、一見違う結び目の形をしていても、同じ絡み方なのではないか、ということについて、紐の形そのものを見るのではなく、紐の形を数式に対応させ、数式を使って調べます。一見数学的に曖昧そうな概念にきちんと定義を与え、数学の言葉に置き換えるところがトポロジーの面白さの一つだと思っています。
 数式に変えることで、これまで、さまざまな研究者が作り上げてきた数式に関する性質を使うことができます。その性質をうまく活用しながら、紐の形に対応する数式を作り出す方法を考えています。

小鳥居さん3
3Dプリンターで作ったいくつかの結び目の模型

■アウトリーチ活動

 研究の内容を外に向けて伝えるアウトリーチ活動に積極的に取り組んでいます。アウトリーチは、研究を高校生や一般市民らに知ってもらいたい、という目的がありますが、人に伝える技術が身に付けられるので、自分自身の成長にもつながると思っています。少しでも興味を持ってもらうため、VRを使い、より視覚的にアウトリーチをすることもあります。

小鳥居さん2
WPIサイエンスシンポジウムでのアウトリーチ活動

■だいご味と難しさ

 トポロジーは、絵を見ますから、イメージをしやすいのですが、数式に落とし込むと、絵は出てきません。数式の背景に絵があることを考え、数式と絵の間を行き来しながら考察していくことが、研究の面白さであり難しさでもあります。
 数学者にはコンピューターを使って解析する人もいますが、私は紙とペンで研究をしています。そのため、どんな場所でも手軽に仕事ができるのも研究のだいご味です。

■これから

 もっと、いろいろな数学の勉強をしていきたいです。多様な数学の知識がなくても研究はできますが、たくさんの引き出しを持っていた方が良い研究ができるからです。一方で、異なる分野の研究者と協力し、新しい研究を切り開く融合研究にも取り組みたいと思っています。幸い多様な分野で活躍する世界の研究者が広島大に集結し、共同研究を行うプログラムメンバーの一人にも選ばれました。新しいインスピレーションを得て自分の研究に役立てたいと願っています。

PROFILE
神奈川県の桐光学園中・高卒。東京工業大学理学部数学科卒。同大学大学院理工学研究科博士課程修了。2014年~17年、東京大学大学院数理科学研究科特任研究員。理化学研究所革新知能総合センター特別研究員などを経て、20年10月から現職。理化学研究所数理創造プログラム(iTHEMS)客員研究員。WPI「持続可能性に寄与するキラルノット超物質拠点(SKCM2)」副拠点長(アウトリーチ・広報担当)兼PI。

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2022年12月19日

【広島大学の若手研究者】ゲノム編集技術の開発

プレスネットでは、広島大学の若手研究者に着目しその研究内容についてインタビューしています!🎤

今回お話を聞いたのは

大学院統合生命科学研究科 数理生命科学プログラム 准教授
佐久間 哲史さん

佐久間 哲史さん

ゲノム編集技術の開発

科学的なプロセスを理解し、全方向から攻める
使いやすい技術を届け、社会に還元していく

■研究のきっかけ

 もともと人の役に立つ研究がしたくて大阪大学歯学部に進みましたが、基礎研究をしたい気持ちが強まり、広島大学理学部生物科学科に編入しました。ゲノム編集技術の研究を始めたのは2010年、博士課程後期です。以来、山本卓教授のもとで研究を続けています。

■研究内容

 ゲノム編集技術は、2020年にノーベル化学賞を受賞するなど、近年、世界で注目されている分野です。ゲノム編集とは、生命の設計図といわれるゲノムの情報を、DNAを酵素で切断することで書き換える技術です。

 細胞の中には核があり、その中にDNAがあります。ヒトでいうと、DNAには30億もの情報が含まれ、その30億のうちの特定の遺伝子だけを書き換えます。細胞は切断されたDNAを修復しようとし、その働きを利用して目的通りに改変させていきます。この「目的通り」を実現するためにさまざまなアプローチがあります。DNAを切断するはさみの切れ味や場所を認識する精度を上げるなど、科学的なプロセスを理解しあらゆる方向から攻めていきます。

国際学会(FASEB conference)でのポスター発表
国際学会(FASEB conference)でのポスター発表

■研究の醍醐味(だいごみ)

 ゲノム編集技術は、動物、植物、微生物などあらゆる生物、さらに産業、医療などにも応用できる裾野の広さがあります。例えば、卵のタンパク質のDNAを書き換えて卵アレルギーの方でも食べられる卵を作ったり、治療方法がなかった遺伝性の病気を治したり。また、有用な農作物を作ろうとするとき、何十年もかかる品種改良を数年で実現できるようになります。さまざまな異分野の研究者との共同研究を通して、開発した技術が社会に還元される様子が見えることもやりがいです。

広島大学からの受賞の数々
広島大学からの受賞の数々

■研究者として大切にすること

 オンリーワンの技術よりも、汎用(はんよう)的に使える技術の開発を目指しています。世界中の人が役立ててくれることが、技術の発展につながるからです。1988年にゲノム編集の概念の元が発見されて以来、ゲノム編集技術は生命科学の歴史上でも類を見ないスピードで進化しました。その背景には、研究者が開発した技術を独占せず、広く使えるようにしてきたという土壌があります。研究者人口も多く、毎日新しい論文が出るほど活発に研究がおこなわれています。

■研究で実現したいこと

 「より正確に、より効率よく、より安全に」を追求し、より産業に使いやすい技術を社会に届けていくことが目標です。その先に、アレルゲンを抑えた卵が食卓に上る、バイオ燃料をガソリンスタンドで注げるなど、ゲノム編集技術を生活の中で目にする未来をイメージしています。2019年に設立された大学発ベンチャーのプラチナバイオ㈱を通じて、研究成果の産業実装にも携わっています。

 ゲノム編集技術の可能性は無限大。開発に終わりはありません。

PROFILE
1984年、広島県生まれ。2008年広島大学理学部生物科学科卒、2012年同大学大学院理学研究科で博士号を取得。日本学術振興会特別研究員、広島大学特任助教、特任講師、講師を経て現職。主な受賞歴として、2015年広島大学学長表彰、広島大学Phoenix Outstanding Researcher Award(2016年・2017年)、広島大学Distinguished Researcher(2018-2020年、2021年-現在)など

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2022年11月21日

【広島大学の若手研究者】研究テーマは声楽・音楽教育学

プレスネットでは、広島大学の若手研究者に着目しその研究内容についてインタビューしています!🎤

今回お話を聞いたのは

人間社会科学研究科 准教授
大野内 愛さん

広島大学の若手研究者に聞く

研究テーマは声楽・音楽教育学

音楽を実技と理論の両面から研究
オペラ歌手として公演、表現方法考察

■二足のわらじを履く

 音楽を、声楽の演奏を通した実技面と、音楽教育学という理論の両面から研究しています。演奏では、広島のオペラ歌手として公演などに参加しながら、発声法や演奏表現の方法について研究しています。音楽教育学では、音楽において重要な国とされるイタリアで、インクルーシブな音楽教育をテーマに研究をしています。

 中学校のとき、合唱部に入ったことが、音楽の世界に導かれるきっかけになりました。

■演奏活動が研究

 演奏の表現方法については、歌詞の内容や感情を、どんな音色で、どんな周波数で、どんな速度で歌えば聴いている人に伝わるのか―といったことを、舞台に立ちながら研究しています。日本のトップレベルの人たちと共演することも多く、さまざまなことを学んでいます。また、発声法の研究は、人それぞれで楽器(体)が違いますから、骨格など体の構造を勉強しながら、どのような体の使い方をしたときに良い声が出るのかを考察しています。

 実技は、私自身が演奏することが研究になります。音楽を通して分かったこと、そして音楽家としての精神を、声楽を学ぶ学生に還元できるようにしています。

2022年広島大学ホームカミングデーにて大学歌独唱
2022年広島大学ホームカミングデーにて大学歌独唱

■インクルーシブな音楽教育考察

 イタリアは、障がいのある子どもたちが通常の学級に入って学ぶ「インクルーシブ教育」を実現させている国です。イタリアでは、音楽で人を育てていこうとする「音楽コース」が1999年に中学校に新設され、現在ではイタリア全中学校の25%に設置されています。音楽コースでもインクルーシブな音楽教育に取り組んでおり、興味を持ちました。

 音楽コースでは、障がい児と健常児が一緒にアンサンブルを楽しんでいます。アンサンブルは、一人が欠けると成立しません。私が研究対象で訪れた学校では、多くの障がい児が通っており、「できなければ助ければいい。助ければ一緒にできるじゃないか」という取り組みが浸透していました。障がい児も健常児もできないことはあります。障がい児はできることとできないことのデコボコが健常児よりも大きいのかもしれません。少しのサポートで、ともに演奏できる可能性があることに気付きました。

 多様な仲間たちとの演奏による共感は音楽のもつ素晴らしさと言えます。研究をする中で、インクルーシブ教育を実現するにあたり、音楽のもつ大きな可能性を感じています。

2021年東広島芸術文化ホールくららのサロンホールにてR. シューマン作曲「女の愛と生涯」を演奏
2021年東広島芸術文化ホールくららのサロンホールにてR. シューマン作曲「女の愛と生涯」を演奏

■これから

 日本でインクルーシブ教育を実現するためには、学力の保障が課題になります。今後私は、障がいのある子どもたちと一緒に学ぶことで、健常児の音楽の学力が向上する可能性を考察していくつもりです。

■座右の銘

 「目の前のことに誠実に!」。今、目の前にあることに誠実に、一生懸命に取り組んでいくことが、結果的に将来の夢や自分の望む未来になる、と思っています。

PROFILE
1984年生まれ。愛媛県宇和島市出身。2003年広島大学教育学部入学。20年に同大学院教育学研究科にて博士(教育学)取得。令和2年度広島文化新人賞受賞。広島県内を中心にオペラ歌手として演奏活動をしている。20年から現職。

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2022年10月25日

【広島大学 輝く学生にズームイン】広島大学校友会

11月5日にホームカミングデー

広島大の魅力発信。市民との交流促進
校友会学生チームら企画

 広島大の卒業生や在学生、東広島市民たちが交流を深める「広島大学ホームカミングデー」が11月5日、東広島市鏡山の広島大学東広島キャンパスで開かれる。主催者の一員として準備を進めている広島大学校友会の学生チームのメンバーは「多くの人に来ていただき、広島大の魅力に触れて」と話している。

 ホームカミングデーは、今年が16回目で、ホームカミングは英語で帰宅や帰郷を意味する言葉だ。2007年に広島大学校友会を設立し、「大学が卒業生や旧教職員にホームカミングを案内し、卒業生の交流を促進したい」と始まった。09年の3回目からは、「多くの人に広島大を知ってもらいたい」と市民にも大学を開放し、市民参加型のイベントとして定着、大学と校友会が共催して続けている。

特産品やグルメのブースが並ぶホームカミング広場1
特産品やグルメのブースが並ぶホームカミング広場2
特産品やグルメのブースが並ぶホームカミング広場

 今年は9時30分から17時まで、サタケメモリアルホール周辺のホームカミング広場を中心に、東広島キャンパス一帯で開かれる。サタケメモリアルホールでは、オープニングセレモニーに続いて、俳人・エッセイストで知られる夏井いつきさんが講演を行う。俳句やことばが持つ力について、分かりやすく伝える。

 各学部・研究科は、研究内容を市民や卒業生に紹介。市民参加型の企画を用意している研究室もある。理学部では、「現代科学をあなたの目で」と銘打って、市民が持ち寄った岩石を鑑定したり、海の珍しい動物を公開したりする。自然科学研究支援開発センターでは、極低温の不思議な世界を見ることができる。

パフォーマンスを披露する学生サークルのメンバー
パフォーマンスを披露する学生サークルのメンバー

 ホームカミング広場では校友会の学生チームが主体となった企画が並ぶ。「先輩見つけ隊」と銘打ったブースでは、卒業生や在学生たちの両手を開いた写真を撮影。A3サイズにラミネート加工を施し、写真をつなぎ合わせていく。今後、数年をかけて写真を撮り、最終的には、つなぎ合わせた写真で東広島キャンパスを周回できるようにする。

 広島大と連携協定を結ぶ県内外の市町からも特産品や人気グルメが揃う。学生チームは「卒業生に東広島や広島を思い出してもらおう」と自らお好み焼きや美酒鍋のブースを出店する計画だ。

卒業生に「広島を思い出して」とお好み焼きを焼く校友会の学生
卒業生に「広島を思い出して」とお好み焼きを焼く校友会の学生

 特設ステージでは、さまざまな学生サークルが日頃の成果やパフォーマンスを披露。市民が一緒に楽しめるイベントも用意している。

 学生チームの片山開貴さん(法学部3年)は「僕たち学生が市民の方々と触れ合う機会はほとんどない。市民の方々には、気軽に足を運んでもらい、素の広島大や学生を知ってもらうきっかけにしてもらえれば」、山中千紘さん(経済学部2年)は「五感で楽しめるのがホームカミングデー。ブラッと、遊び感覚できてください」と話している。雨天決行。

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2022年10月11日

【東広島の企業紹介】「ミツトヨ志和工場」

東広島で就職ってどこですればいいの?そもそも東広島に就職できるところってあるの?
そんな学生の皆さんへ東広島の企業を紹介!

今回紹介する東広島の企業は
「ミツトヨ志和工場」

モノづくり支えるマイクロメータ一貫生産

 1934年の創業以来、世界に市場を広げ、精密測定機器の総合メーカーとしての地歩を固めてきたミツトヨ(本社・川崎市)。志和工場(東広島市志和町志和東)は、創業期からミツトヨを支えてきた製品で、あらゆる部品の長さを測定できる「マイクロメータ」を製造する専門工場だ。(日川剛伸)

ミツトヨ志和工場
志和町志和東の志和工場。昨年工場を増設した

技術にこだわり1350品目手掛ける

 1947年、マイクロメータの製造技術温存のため、志和工場の前身となる広島研究所を開設。その後、1987年にマイクロメータの一貫生産工場を建設・操業開始した。

 志和町は創業者の沼田恵範氏(故人)の生誕の地。志和工場に隣接する浄蓮寺の三男として生まれ、「よし、いつか必ず自分がこの村に工場をもってこよう」と志を抱き34年に会社を興した後、半世紀越しでその思いを成し遂げ、創業者の志が刻まれているのが志和工場だ。

 志和工場が扱うマイクロメータは、創業時のミツトヨが、国産化に成功した、会社の原点ともいうべき商品だ。現在、志和工場では、1350品目のマイクロメータを切削・研削加工から、組立まで一貫して生産。100分の1ミリ(10マイクロメートル)単位で主に読み取れる機械式のマイクロメータから、1000分の1ミリ(1マイクロメートル)単位で読み取れるデジタル式のマイクロメータまで手掛ける。

 創業者の技術へのこだわりは、70年代後半には、いち早くデジタル化の実現となって実を結び、以後、デジタル化で業界をリードしてきた。2011年には、世界初となる1万分の1ミリまで測定できるマイクロメータの生産を開始した。

ミツトヨ志和工場内
1350品目のマイクロメーターを手掛ける

 昨年は、好調な受注増を背景に、工場棟と事務棟5棟のうち2棟を増床した。建物の延べ床面積は約1万1600平方mとなり、改修前と比べて1・4倍になった。工作機械などの設備を導入し、来年までに生産能力を1・26倍に、29年までに2倍に引き上げる計画だ。藤川勇二工場長は「精密測定機器はものづくりの生命線。(増床で)電気自動車や通信機器などの分野を中心に、ますます高度化・精密化する市場への対応に備えたい」と力を込める。

 社是は「良い環境」「良い人間」「良い技術」。志和工場では、良い技術は、良い人間によって生まれ、良い人間は良い環境によって育てられる―と解釈する。藤川工場長の話によると、自然環境に恵まれ、交通の利便性の良い東広島市は、ミツトヨの社是を実現できる絶好の土地柄だと、いう。

 志和工場は今年で操業35年目。国内はもちろん、世界60カ国に販売拠点を持ち、そこから世界中に販売代理店のネットワークを展開する。ミツトヨが、マイクロメータを生産しているのは志和工場だけで、志和で作られた商品は、世界中のものづくりの現場で利用されている。

 藤川工場長は「世界の需要を見極めながら、これからも東広島で、創業者の志を引き継ぎ、マイクロメータを作り続けていきたい。工場を未来の世代につなげていくことが、地域の雇用を守ることにもなる」と目を輝かせる。

ミツトヨのマイクロメータの歴史と製品

【1μm(マイクロメートル)の厚さはどのくらい?】

 1μm(マイクロメートル)は1000分の1ミリ。ただ、1000分の1ミリと聞いてもピンとくる読者はいないだろう。ちなみに1万円札の厚みは10分の1ミリだから、1万円札の100分の1ミリが1μmになる。

ミツトヨのマイクロメータ第1号
ミツトヨのマイクロメータ第1号
高精度デジマチックマイクロメータ(MDH-25MB)
高精度デジマチックマイクロメータ(MDH-25MB)。高精度測定のニーズに応え0.1μm測定を可能にしたマイクロメータ
クーラントプルーフマイクロメータ(MDC-25MX)
クーラントプルーフマイクロメータ(MDC-25MX)。ミツトヨの原点を継承する1μm読みのマイクロメータ

1936年 第1号マイクロメータを製作
1947年 戦後、中断していたマイクロメータの生産を開始
1969年 3点式内側マイクロメータの生産を開始
1979年 国産第1号のデジタルマイクロメータを製作
2003年 クーラントプルーフマイクロメータを開発
2011年 高精度デジマチックマイクロメータを開発

藤川勇二工場長に聞く

何でも言い合える環境
即戦力求め中途採用も積極的

藤川工場長
藤川工場長


 志和工場には、派遣社員を含め、現在、約330人が働いています。男女比は半々で、東広島市在住の社員は7割を占めています。

 県内の学卒者は本社一括採用で、高卒者は広島地区(志和工場、呉工場、郷原工場)での一括採用となります。新卒者の採用は、毎年若干名のため、生産の拡大などで人員が必要になった際には、中途採用で対応しています。

 新卒者には、会社と一緒に成長できるピュアな心を持っているかどうかを、採用の判断基準にしますが、中途者にはスキルや経験を求めます。年齢は問いません。ものづくりの工場として、設計から開発、管理、製造、総務と各職務に合っている人材をピンポイントで採用しています。

 志和工場は各部署の垣根を取り払い、社員同士が、上司と部下が、何でも言い合える環境づくりに取り組んでいます。その一つが3年前から始めた「ワイガヤ活動」。部署が違う、同じ階級クラスの社員が集まり、工場のためになるのだったら何でもいいので、好きなことにチャレンジしてもらっています。壁を取り除くことで、思いもよらないアイデアが出て、会社(工場)の発展につながることを期待しています。

3年前から取り組む「ワイガヤ活動」
3年前から取り組む「ワイガヤ活動」

―ミツトヨ 会社概要―

 1934年、東京都で創業。1987年、三豊製作所からミツトヨに社名変更。精密測定機器の総合メーカーとして、マイクロメータ、ダイヤルゲージ、光学機器、画像測定機など、5500種類の商品を手がけ、世界各国に販売ネットワークを持つ。本社は川崎市。国内の研究開発・生産拠点としては、広島地区の志和工場、呉工場、郷原工場の他に、川崎工場、測器工場、MC工場、清原工場、中津川工場、宮崎工場、高知工場がある。
2021年末現在の従業員数は5270人。海外の法人を含めた連結売上高は1170億2900万円。

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2022年9月27日

【広島大学の若手研究者】研究領域はスポーツ科学

プレスネットでは、広島大学の若手研究者に着目しその研究内容についてインタビューしています!🎤

今回お話を聞いたのは

大学院人間社会科学研究科 助教
尾崎 雄祐さん

尾崎さん

研究領域はスポーツ科学

陸上の競技力向上に着目し研究
指導者や選手の指南になる研究を

■研究のきっかけ

 小学生のときから、ハードル走に取り組み、今も現役選手として競技を続けています。選手として、どのような練習に取り組んだら競技力が高められるだろうか、と思っていたことが、大学時代の卒論のテーマになり、研究の原点になりました。

■400㍍ハードル走でパフォーマンスを高めるために

 最初の大きな研究テーマです。高校生を対象に、10台あるハードルを、それぞれ踏み切った後の、着地時のタイムを計測しました。ハードル間のタイムを測ることで、その選手が、どのようなレースパターンで走っているのかを分析。記録が伸びたときには、レースパターンにどういう推移をたどってきたのかを考察してきました。

 記録が伸びた選手を分析してみると、後半のタイムが劣っていた選手は、後半のタイムを改善し、前半のタイムが劣っていた選手は、前半のタイムを改善していました。長所を伸ばすよりも、短所を克服するトレーニングに取り組んだほうが、記録の向上につながっていくことが明らかになりました。

トップアスリートのコーチング現場と、フィードバック例
トップアスリートのコーチング現場と、フィードバック例

■スタティックス(静的)ストレッチング(以下SS)と運動能力

 近年の研究テーマです。SSは傷害予防の一方で、運動能力を落とすことが指摘されていることに着目。短距離選手や球技選手を対象に、肉離れが生じやすいハムストリングスのSSを行った直後に、全力疾走してもらい、ハムストリングが強く関わる、膝を曲げる機能の変化を考察しました。

 その結果、走力に影響を与える膝を曲げる力発揮のタイミングが遅れることが分かってきました。タイミングが遅れると、より膝が伸びたときに大きな力を発揮することになり、肉離れをしにくい脚の使い方に近づく可能性があります。一方で、走力は落ちることが分かりました。

 SSは、記録を出したい試合では、リスクを伴いますが、普段のトレーニングでは故障予防につながり得ます。選手個々でSSの取り組み方を
示唆できる研究になったかなと思っています。

 今後は、日常的に行うSSが、運動を行う直前のSSと比べて、アスリートにどんな影響をもたらすのか、研究したいと思っています。

レース、ハードルクリアランスデータ収集風景とレースパターン情報
レース、ハードルクリアランスデータ収集風景とレースパターン情報

■夢

 大好きな陸上競技に、選手として、指導者として、研究者としてかかわることができ、夢はかなっています(笑)。研究者としては、私の論文が指導者や選手の大きな成果となって表れることを願っています。選手、指導者としては、ひのき舞台で入賞したり、入賞できる選手を育成したりすることが目標です。

■陸上競技とは

 取り組んできたことが数字になって表れることです。数字はウソをつきませんから、モチベーションにもつながっています。選手・指導者としてはもちろん、研究にも通じています。これからも揺るぎない信念を持って陸上にたずさわりたいと思っています。

PROFILE
1994年、長崎県出身。2021年、広島大学教育学研究科博士課程修了。22年4月から現職。広島大学陸上競技部コーチ。日本建設工業アスレティッククラブコーチ。選手としては日本選手権に2回出場。

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2022年8月22日

【広島大学の若手研究者】GISで可視化、災害など考察

プレスネットでは、広島大学の若手研究者に着目しその研究内容についてインタビューしています!🎤

今回お話を聞いたのは
大学院先進理工系科学研究科助教
田村 将太さん

大学院先進理工系科学研究科助教

専門は都市計画

GISで可視化、災害など考察
都市計画家兼ねた研究者に

■研究者を志した動機

 大学では建築を学んでいましたが、建物を建てる際には周辺環境にも配慮が必要です。そうすると、都市全体で建物を考える必要があり、都市計画分野に関心が移っていきました。
 研究者を志したのは、アメリカ・メリーランド大学への留学がきっかけです。研究者として理論研究を進めながら、現実の都市計画に携わる方々との協同研究の機会に恵まれ、研究者かつアーバンプランナー(都市計画家)になることが、自分の進むべき道と思うようになりました。

■これまでの研究内容

 地理情報システム(GIS)を使い、さまざまな研究に取り組んできましたが、ここでは二つの研究を紹介したいと思います。一つ目は、コンパクトシティに関する研究です。日本の多くの都市では、人口減少により都市施設維持コスト(道路や上下水道等)や環境負荷増大等の問題が生じており、これらの解決に向けてコンパクトなまちづくりが求められています。

 二つ目は「平成30年7月豪雨」の被害分析です。私自身、災害直後からボランティアセンターでGISを用いた情報支援活動を行う中で、河川氾濫等による甚大な被害を目の当たりにし、災害に強いまちづくりの必要性を強く感じました。そこで本研究では、三原市沼田川流域を対象に、浸水被害の特性について分析しました。

研究室学生へのGIS講習の様子
研究室学生へのGIS講習の様子

■主な研究成果

 広島市を対象としたコンパクトシティに関する研究では、都心部から離れたエリアや市街地縁辺部で、1人あたりの自動車の二酸化炭素排出量や都市施設維持コストが大きくなることが分かりました。またこの結果をもとに、市街地中心部に集約した都市をGIS上で評価した結果、二酸化炭素排出量と施設コストが削減されることが明らかとなりました。

 豪雨災害に関する研究では、沼田川流域の被害を分析した結果、比較的古い建物の被害が少なく、新しい建物の被害が多いことが分かりました。これは、この地域が以前より水害常襲地域であるため、浸水リスクの低いエリアから優先的に開発されてきたものの、戦後の人口増加に伴い、浸水リスクの高いエリアまで開発が進んだことが要因と考えられます。

 今後はこれら二つの研究の視点から、災害軽減を考慮したコンパクトなまちづくりが重要になると考えています。

■研究のだいご味と難しさ

 だいご味は、知的好奇心を刺激してくれることです。特にデータを地図化、可視化して初めて分かることに出会えた時に研究の面白さを感じます。知りたいと思うことが、私の研究の原動力となっています。難しい点は、研究成果をいかに都市計画まで落とし込むかということ。現実は理論だけでなく、地域の実情や住民の思い等も考慮し、地域に合わせた将来像を描く必要があるためです。

国際学会(オンライン)での発表の様子
国際学会(オンライン)での発表の様子

■これから力をいれたいこと

 豪雨災害は常習化しており、災害に強いまちづくりのための施策が行政に提言できるよう、土砂災害から内水氾濫まで、災害に関する研究に力を入れたいと思っています。

PROFILE
1992年、東広島市生まれ。2015年、広島大工学部卒。18年、広島大大学院博士課程前期修了。米メリーランド大学留学を経て、21年広島大大学院博士課程後期修了。日本学術振興会特別研究員DC1。21年から現職

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2022年7月27日

【広島大学 輝く学生にズームイン】広島大硬式野球部

広島六大学のリーグ戦優勝が目標
主体性を持ち練習に打ち込む

 過去、春3回(全日本大学野球選手権)、秋2回(明治神宮野球大会)の全国大会出場経験を持つ広島大硬式野球部。全国舞台につながる広島六大学野球の春季・秋季リーグ戦の優勝を大きな目標に掲げながら、練習に打ち込んでいる。

 現在の部員数は学部生の57人。練習は週に6日で、全体練習の後、それぞれが自主練習に取り組む。監督は勤務の関係で、週末しか指導できないため、学生たちが練習メニューを考える。学生が主体性を持って練習に取り組むのは、広島大の伝統だ。幹部の3年生を中心に週に1回、ミーティングを行い、下級生やポジションごとの意見をくみ取りながら、1週間の練習内容を決める。

 フィジカル面で、選手をサポートしているのが東広島市内でトレーニングルームを開設している高島誠さん。選手たちは、メジャーリーグ球団でトレーナーを務めた経歴を持つ高島さんのもとに、投手陣全員と野手の一部が、週2回通い、故障を予防する強い体作りに励んでいる。また、今年6月からは、元広島カープ監督の野村謙二郎さんが、広島大スポーツセンター客員教授に就任。それに合わせ野球部のアドバイザーになり、選手を支える。

 近年の広島六大学野球は、甲子園出場組や強豪私学高出身者が揃う近大工学部と広島経済大の2強時代が続く。広島大は、2018年春のリーグ戦を制したのを最後に優勝から遠ざかる。今年の春のリーグ戦では、不本意な4位に終わった。当然、8月下旬から開幕する秋のリーグ戦は、春を上回ることが最低目標だ。

 リーグ戦は、6大学が総当たりで戦い、各カードで、先に2勝をした大学に勝ち点が与えられる勝ち点制で競う。選手たちが意識するのが対戦カードの初戦を取ることだ。紅林輝希主将(教育学部3年生)は「第1戦に勝てば、気持ち的に優位に立てる。おのずと良い順位が見えてくる。チームの力で2強に食らいついていきたい」と強調する。

 その初戦のマウンドを担うのが、多彩な変化球で打者を翻弄(ほんろう)する主戦の平田宗一郎さん(総合科学部3年生)だ。「長打を打たせない投球を心掛け、結果を出したい」と意気込む。

主戦の平田宗一郎投手
主戦の平田宗一郎投手

 今のチームには、甲子園出場経験者はいない。それでも、「能力の高い選手が集まり、近年では一番強い。優勝争いに絡んでいきたい」と学生コーチを務める竹内空さん(大学院人間社会科学研究科)は言い切る。

4番を務める奥成航太選手
4番を務める奥成航太選手

 秋のリーグ戦は、4番を務める奥成航太さん(教育学部)ら力のある4年生が主力として残るのも、チームを後押しする。もちろん、控えの選手も虎視眈々(たんたん)とレギュラーの座をうかがい、チーム内に競争意識を植え付けている。外野手の中島悠輝さん(工学部3年生)は「秋は多くの試合に出て経験を積みたい」と目を輝かせる。

 秋のリーグ戦で勝ちグセを付け、リーグの常勝軍団へ―。選手たちが思い描く青写真だ。

※プレスネット2022年6月30日号より掲載

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2022年6月30日

【広島大学の若手研究者】鳥類で生殖システムや遺伝子改変を考察

プレスネットでは、広島大学の若手研究者に着目しその研究内容についてインタビューしています!🎤

今回お話を聞いたのは
広島大学 大学院統合生命科学研究科 助教
松崎 芽衣 さん

鳥類で生殖システムや遺伝子改変を考察
人の不妊治療や医薬品開発に役立てたい

■きっかけ

 学生時代から鳥類の生殖システムの分子メカニズムを研究しています。きっかけになったのは、ウズラの精子を顕微鏡で見たとき。ちょうどオタマジャクシが頭と尻尾を動かして泳いでいるイメージで、とても神秘的でした。その精子の動きと美しさに魅了され、生殖システムの研究に取り組むようになりました。


培養試験中の始原生殖細胞を顕微鏡で観察

■精子を貯蔵

 鳥類は、交尾後の精子を貯蔵できる「精子貯蔵管」を持っていて、一度交尾をすれば、その後交尾をしなくても貯蔵精子を使って、受精卵を産み続けることが可能です。ニワトリであれば、約3週間、精子を貯蔵できます。精子貯蔵管では乳酸がつくられていて、貯蔵された精子は乳酸の働きで休眠状態となっていることを、博士課程の研究で突き止めました。


精子貯蔵管の顕微鏡写真

■長い精子が選ばれる?

 では、精子はどうようにして精子貯蔵管に入るのか。ウズラの精子を 使い、精子が貯蔵管に入る仕組みについて調べた結果、ウズラの精子表面に存在する糖鎖が精子貯蔵管への侵入に大きな役割を果たしていることを明らかにしました。

 一方、射精された精子が貯蔵管に入る割合は1%未満に過ぎません。どんな精子がメスに選ばれるのか、という研究も行っています。精子は一つ一つで長さが違いますが、精子貯蔵管には長い精子が多く貯蔵されていることが分かってきました。そのことが、子孫を多く残すための戦略なのか。そして、メスに好まれる精子がどのように作られるか、明らかにしていきたいと思っています。

■遺伝子改変技術

 生殖システムと並行して、取り組んでいるのが遺伝子改変技術の研究です。哺乳類では、ゲノム編集が普及してから、より簡単に遺伝子を書き換えることができるようになりました。一方で、鳥類では細胞分裂を始める前の受精卵を腹から取り出すのが難しく、卵自体も巨大で操作が しづらいことから、遺伝子改変が難しいのが実情です。そこで、鳥類では、将来生殖細胞となる「始原生殖細胞」を発生途中の胚から採取し、始原生殖細胞へ遺伝子改変した後に、別の胚に細胞を移植して改変個体をつくる方法が考えだされました。

 ただ、この方法は、ニワトリ以外の鳥類では、始原生殖細胞の培養が難しいのが欠点。このため、鳥類の産卵直後の受精卵へ直接ゲノム編集ツールを導入し、効率的に遺伝子を書き換えた鳥類を作る研究に取り組んでいます。

■これから

 鳥類はユニークで面白い生殖のシステムを持っています。遺伝子改変と合わせ、一つ一つを解き明かしながら、人の不妊治療や、医薬品・食品産業の応用に役立てられれば、と思っています。シンプルに「知りたい」という思いを大切にしながら、チャレンジ精神を持って研究に向き合っていきます。

PROFILE
2014年3月、静岡大学大学院農学研究科修士課程修了。17年3月、岐阜大学大学院連合農学研究科博士課程修了。16年4月~18年3月、日本学術振興会特別研究員(岐阜大学)。18年4月~19年3月、学術研究員(静岡大学農学部)。19年4月から現職。

※プレスネット2022年6月30日号より掲載

 

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2022年5月23日

【広島大学の若手研究者】コウモリの超音波センシングの運用法

プレスネットでは、広島大学の若手研究者に着目しその研究内容についてインタビューしています!🎤

今回お話を聞いたのは
広島大学 大学院統合生命科学研究科 助教
山田 恭史 さん

山田さん

口と両耳、小さな脳での3次元空間把握能力を研究
数理学・動物行動学・工学にわたる包括的な視点で再現

■研究のきっかけ

 子どものころからモノ作りと生き物が好きだったことから、同志社大学工学部へ進学し、主にコウモリの行動パターンから障害物を回避するときのナビゲーションを研究していました。コウモリを初めて捕獲しに行ったとき、暗闇の洞窟の中で無数のコウモリがぶつかることなく飛び回っている様子に衝撃を受けました。コウモリは自ら発するパルス(超音波音声)に対するエコー(反響音)を使って、周囲の環境を把握する「エコーロケーション」で飛んでいます。視覚は退化しているので、発信器となる口、受信器の両耳、そして小さな脳だけで3次元空間を定置しています。そんなコウモリの能力、超音波のポテンシャルの高さに感動しました。それが私の研究の出発点です。

超音波センサを搭載したドローンを用いて、飛行中にポール(障害物)認識テストを行う様子
超音波センサを搭載したドローンを用いて、飛行中にポール(障害物)認識テストを行う様子

■研究内容

 コウモリは右に曲がりたいときは、右の方向に超音波パルスを打っています。行きたい方向へ超音波パルスを放射し、進む方向を変化させています。私はこのパルス放射方向を「音の視線」と呼んでいます。この音の視線制御のルールと障害物を避ける制御を数式化した「コウモリ模倣ナビゲーションシステム」を自律走行車に搭載して、有用性を検証しました。コウモリ由来の音の視線制御がない場合は、走行経路のばらつきや障害物への衝突が増えました。つまり、コウモリの音の視線の使い方は、確かに理にかなっていたのです。

 そして今、ドローンにこのシステムを搭載し、実機検証をしています。ドローンは飛行ノイズが大きく、超音波システムと相性が悪いと言われてきました。しかしコウモリは100匹単位で生活し、音がたくさんある混信環境で生きています。つまり、自分の声だけ聴き分ける能力、ノイズに強い能力があるということ。そこに可能性を見出し、実証実験を重ねています。

 世界中の研究者が敬遠するドローンと超音波ナビゲーションの運用。これを、コウモリと同様に1送信器(スピーカー)、2受信器(マイクロフォン)、そして小さなコンピューターを搭載し、コウモリを模倣した方法から障害物を回避できるナビゲーションで実現できたら世界でオンリーワン! まもなく完成です。

自作の計測用マイクをはんだ付けで修理する様子
自作の計測用マイクをはんだ付けで修理する様子

■これからの夢

 昨年の東京オリンピックの開会式で、ドローンが上空で隊列を組んで飛ぶ様子が話題になりました。私は美しく隊列したドローンよりも、コウモリのようにごみごみとした環境を一見無秩序に飛び回るのを見てみたい、再現したいのです。それぞれが好き勝手に動いているけど安全を保つなんて、すごいシステムだと思いませんか。

 将来の夢は、コウモリと一緒に暮らせるほどのロボットを作ること。皆さんにもぜひ、機会があれば洞窟でコウモリの能力を感じてほしいです。

PROFILE
1989年、大阪府生まれ。2007年同志社大学工学部電子工学科入学、同大学生命科学研究科で博士号を取得。コウモリの飛行実験から行動を分析、それの行動パターンを再現するために必要な数理モデリングの力を強化するため、18年に研究員として広島大学理学研究科へ。19年から総合生命科学研究科の研究員。2021年から助教、プログラミングの講義も担当。

※プレスネット2022年5月26日号より掲載

 

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