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ラジオ講座「学びの時間」 11月2~23日

2018年11月1日

ラジオ講座「学びの時間」 11月2~23日

〈テーマ〉旧暦併用のススメ 季節感を取り戻そう

 広島大学OBの教職員らでつくる「広大マスターズ」の会員を講師に迎えた週1回のラジオ講座を放送します。テーマは生活、地域社会などで、全4回。11月2~23日の内容を少しだけ紹介します。

今回の講師 金田 晉さん

かなた・すすむ 博士(文学)。美学専攻。「現象学的美学」の確立を目指す。近年、公共性(パブリック)の美意識という観点から、環境・暦・都市・地域・美術館等の諸問題にも積極的に発言。東亜大学特任教授。広島大学名誉教授、蘭島閣美術館名誉館長等。

 世界には、さまざまな暦がある。

 東アジア、特に日本列島は自然環境に恵まれている。中緯度の地帯にあり、モンスーン気候帯に属し、四方、海に囲まれていて、海抜0mから3000mまでの植生が楽しめる。だから、15日刻みの二十四節気、5日刻みの七十二候など、他地域では考えらえないほど、変化に富んだ暦があった。その暦の魅力を考えてみよう。

月の暦は現代のモダニズム

 太陽と月と地球、天体暦がいい。「暦の時間は、生活の時間と宇宙の時間に架けられた橋である」(ポール・リクール)。その暦に合わせて、人類は、生活し、労働し、戦争にまみれ、文化を築いてきた。5千年以上の歴史がある。

 昼と夜の交替、1日である。地球の側から見ると、太陽は天体上の行路(黄道)を通っているように見 える。元の位置に戻るのが1年。昼の最長が夏至、最短が冬至、昼夜等しいのが春分、秋分である。

 地球の赤道が天の赤道から23・27度傾斜しているため、季節の変化が生まれる。月は地球を約29・5日かけて一周する。それがひと月(1朔望月)。月は毎夜形を変えて、暦の日々を区切ってゆく。

▲『月と季節の暦2018』(月と太陽の暦制作室)の表紙

暦は月の暦から始まった

 太陽を基準にするのが太陽暦。明治以来日本が公式暦として使っているグレゴリオ暦はその代表、1年約365日。今では「世界暦」と言われるほど、世界を席巻している。

 イスラム世界で今も使い続けているのが、月だけを基準にする太陰暦。12朔望月を1年とすれば、354日。この約11日のズレを調整して作られたの が、太陰太陽暦。かつて農業暦として世界中で一般的であった。

 中国の暦も、その中国から輸入して1200年の歴史をもつ和暦もそうであった。「旧暦」と呼ばれる天保暦もそうである。最も正確な暦と言われた。

▲月歴と旧暦が書かれたカレンダー『月と季節の暦2018』

月を楽しむ

 現代人は、月を見なくなった。都会生活者には高層のビルに妨げられて月が見えない。電気照明が月の有難さを忘れさせる。東西が一望できる南向きマンションの住人、田園で周囲を山や森に囲まれて暮らす人々は、幸せである。月が見える。湖や池、夏ならば田植え直後の水郷では、月が水に映える。美しい。

 旧暦では、月が大切である。地球を月が一周するのは約29・5日(1朔望月)。毎夜、月の形が変わってゆく。新月(見えない=闇)|上弦(右側が明るい半月)|満月(望月)|下弦(左側が明るい半月)|新月と。月の形で今日が何日か、分かった。1日(朔=月立ち、ついたち)、7日(上弦、例…七夕)、15日(満月、十五夜)など。旧暦で、日を聞いて月を想像してみよう。


FM東広島 放送スケジュール

 FM東広島(89.7MHz)で金田先生の講座を放送します。それぞれ、日曜日17時~、再放送をします。

第1回 11月2日(金)12時~

暦の基本構造

●なぜ今暦なのか。
●太陽―月-地球の物理的特性および周期。
●太陽暦、太陰暦、太陰太陽暦

第2回 11月9日(金)12時~

太陰太陽暦(旧暦)を学ぶ

●太陽暦的要素と太陰暦的要素
●年始め、月初め、一日の始まり
●二十四節気と七十二候

第3回 11月16日(金)12時~

暦で文学を豊かに読む

●秋の歌「花野」
●芭蕉「奥の細道」
●蕪村の句の世界

第4回 11月23日(金)12時~

暦と生活 -豊かな生活のために-

●月を生活の中に取り込む。『枕草子』
●月と動物、植物の関係。畑と虫
●月のエネルギー(引力、潮汐)

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2018年11月1日

地域盛り上げ隊たのした 学生部

地域盛り上げ隊たのした 学生部

 東広島市西条下見地域で活動している広島大の学生らで組織する「たのした学生部」(森脇実穂リーダー)はこのほど、同市西条下見の工学同窓会館で地域児童らを対象にした体験型科学イベント「サイエンスパーク」を開いた。児童と保護者30人以上が参加。
 イベントではインクの分解やスーパーボール作り、衝撃を与えると固まる現象ダイラタンシーの体験など数種類のブースを用意。内容は全て学生らが考案した。
 森脇リーダーは「授業以外の場面で科学に触れることで、理科に親しみを感じ、興味を持ってもらいたかった。楽しそうな児童の笑顔が忘れられないですね」と話していた。(繁澤)

●東広島市西条下見6丁目11-38 工学同窓会館1F「Ripple」
●E-mail/tanoshita3@gmail.com

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2018年10月25日

ラジオ講座「学びの時間」8月3~24日

〈テーマ〉健康寿命を延ばす食べ物

 広島大学OBの教職員らでつくる「広大マスターズ」の会員を講師に迎えた週1回のラジオ講座を放送します。テーマは生活、地域社会などで、全4回。8月3~24日の内容を少しだけ紹介します。

今回の講師 室岡義勝さん

むろおか・よしかつ 食品科学、発酵工学などのバイオテクノロジーが専門の工学博士。広島大学工学部第三類(発酵工学教授)、大阪大学工学部応用生物工学およびバイオ情報専攻教授。大阪大学名誉教授。東広島市高屋町在住。

 長寿を誇る日本人の平均寿命と健康寿命の差は、男性は10歳、女性は12歳。このことは男女とも10年以上、手助けが必要であることを意味しています。できれば人の世話にならずに健康で長生きしたいですよね。体に良い食べ物がたくさんある中から、今回は乳酸菌、こうじ、食酢、サプルメントについて話していきます。


機能に富む乳酸菌

 最近の科学は、乳酸菌を使った乳製品が長寿と関係することを明らかにした。

 日本の伝統発酵食品の漬物、日本酒、みそ、しょうゆ、食酢の健康成分と味や香りは、こうじカビ、酵母菌に加え、乳酸菌による発酵によってもたらされる。

 これら食品の乳酸菌は、植物由来で、ストレスに強く、アレルギー緩和や感染症予防など多くの機能に富んでいる。

 身体を守る乳酸菌やビフィズス菌は、「プロバイオティクス」と呼ばれ、腸から脳に働きかけて、心と体の不調を改善することも分かってきた。

こうじで腸内を健康に

 中国ではこうじを麦から作ったので「麹」という漢字が使われてきた。一方、「糀」という漢字は、米から作る米糀に使われる。「米の花」という日本文化をにおわす粋な文字だ。

 日本の発酵食品に使うこうじカビは、たくさんの分解酵素を作る。これらの酵素が活発に働いて、酵母菌や乳酸菌の栄養源を作り、さらにビタミンやアミノ酸など私たちを元気にする生理活性物質も作る。こうじの甘味を利用して作られる甘酒は、体内の熱や毒を排出する解毒作用もあり、再び人気になっている。

 こうじは、腸内を健康にするため、便秘の解消や免疫力の強化などによる、乾燥肌やニキビ、アトピーなどの肌荒れの改善や貧血を予防する働きもある。

炎症和らげる酢

 酒から作る酢は、炎症を和らげる効果があるとして、古くから薬としても使われてきた。

 米酢が精米を原料とするのに対して、黒酢は未精米の玄米を用いる。それゆえ黒酢は、コメ表皮やぬかに由来する多くのアミノ酸や脂質、さらにビタミンなどを含んでいる。

 食酢には、さまざまな健康効果があることから、日本では、食酢、特に黒酢が健康飲料として人気になった。体内脂肪や血圧を下げる特定保健用食品の黒酢も市販されている。

科学的根拠を確認

 皆さんはちょっとした健康不安から、サプルメントをあれこれと飲んでいないだろうか。中には、注射で効いても食べると分解されて効果のないものもある。体験談や広告に惑わされないで、科学的根拠のあるものを選んで無駄遣いをやめよう。


FM東広島放送スケジュール
FM東広島(89.7MHz)で室岡先生の講座を放送します。
それぞれ、日曜日17時~、再放送をします。

第1回
8月3日(金)12時~

最近の科学が明らかにした乳酸菌の効用

●プロバイオティクスって何?
●日本の伝統発酵食品の乳酸菌
●なれずしの乳酸菌が免疫を高めた
●腸内細菌が脳からの指令を促す

第2回
8月10日(金)12時~

日本のこうじは世界の宝

●こうじから胃腸薬を作った日本人
●こうじの健康効果
●甘酒は滋養強壮剤
●こうじや米ぬかの美容効果

第3回
8月17日(金)12時~

米酢や黒酢を飲んでメタボの改善

●酢は古代から薬だった
●ビタミンを世界で初めて発見した日本人
●大さじ一杯の酢が血圧や血糖値を下げる
●毎日酢を取ると体脂肪が減る

第4回
8月24日(金)12時~

サプルメントの無駄遣いはほどほどに

●ビタミンCとミネラルを補って健康寿命を延ばそう
●コラーゲンやヒアルロン酸を食べても関節痛は治りません
●トクホとか機能性表示食品って何?

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2018年10月25日

目標はアマチュア日本一 自由な発想で打てるのが囲碁の魅力
竹田幸一さん(広島大医学部1年生)

昨年夏に宮城県で開かれた全国高校総合文化祭
(みやぎ総文)の囲碁部門で対局する竹田さん(右)

第64回全日本アマチュア本因坊決定戦県大会で優勝

■アマ本因坊県大会Ⅴ

 運が良かったのだと思います。優勝云々より、勝ち上がれば強い人と戦うことができるので、そのことを楽しみに大会に臨みました。この大会の前にあったアマ名人戦広島地区予選で敗れた相手にリベンジできたことは、うれしかったですね。

■全国大会は苦杯

 県アマ本因坊の称号を得て出場しましたが、3人と対局する1次予選で1勝2敗に終わり、決勝トーナメント進出を逃しました。負けた2人の相手は、過去に全国優勝を果たしている強敵。2人ともミスをしないというか、隙を見せない囲碁で強かったです。

■きっかけ

今年7月のアマチュア本因坊戦広島県大会で対局する竹田さん(右)

 6歳のとき、母親に連れられて、子ども囲碁教室に行ったのが囲碁を始めるきっかけになりました。それ から碁会所に通うようになり、囲碁を覚えていきました。最初は何となく囲碁を打っていましたが、小学校5年生のとき、年下の子に負けたのが悔しくて、本気で囲碁に取り組むようになりました。碁会所に通う回数も増え、勝つたびに囲碁の面白さにはまるようになりました。

■学業との両立

 中学、高校と囲碁部に所属。とにかく全国大会出場を目標にしていたので、囲碁の時間は大切にしました。医者を目指そうと思ったのは、中3の終わりです。中高一貫校だったので、高校は難関大進学のクラスに入りました。ただ、高3の夏までは囲碁を続けながら、勉強に励みました。部活を引退するとき、囲碁をやりきったという充実感があり、その達成感を受験勉強へのエネルギーに変えました。囲碁で集中力が培わ れたのも医学部に合格できた要因かな、と思っています。

■魅力と難しさ

 囲碁はどこに石を置いても構いません。自由な発想で、自分の考えた手を打てるのが魅力です。もう一つ、年齢や性別、国籍も関係なく対局できますから、コミュニケーションを図るツールとしても最高のゲームです。難しさは、魅力の裏返しにもなりますが、常に局面の全体を見ながら着手を決めないといけないところです。強い相手との対局では20手先を読むようにしています。

■モットー

 対局を楽しむこと。勝ちたい、勝とうという意識が強くなると、本来の力が出せなくなるからです。

■これからの夢

 過去の全国大会の最高成績は高1のときの3位入賞です。ですから本因坊戦でも名人戦でもいいので、アマチュア日本一になることが目標です。


 1999年、広島県生まれ。関西創価中・高校卒。2018年、広島大医学部に入学。囲碁は6歳から始め、中高時代は6年連続で全国大会に出場し、高1のとき全国高校囲碁選手権で3位に入賞した。現在、アマ5段。広島大囲碁部所属。


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2018年9月27日

【広島大学の若手研究者】時空間統計解析がテーマ

プレスネットでは、広島大学の若手研究者に着目しその研究内容についてインタビューしています!🎤

今回お話を聞いたのは

広島大大学院教育学研究科・広島大情報科学部講師
山村 麻里子 さん

山村麻里子

時空間統計解析がテーマ
データを分析することで、新しい事象を発見できることが醍醐味。

研究のきっかけ

 私は学生時代にソフトボールに打ち込んでいて、試合のたびにスコアブックを付けていました。
 その数字の記録をさまざまな角度から分析すると面白いだろうなと。

ーもう1つは時間です。
 時間は目に見えませんが、例えば身長や気温などはデータとして残すことで、時間ごとに変わっていく状況が分かります。
 その時間の流れがもたらすものを、データの分析で見えたら、と思ったのが研究のきっかけです。

 

研究のテーマ

 時間と空間の変化で、どういった違いが起こるかという、時空間統計解析に取り組んでおり,興味の対象となる項目が、調べられた場所や時間とともに記録されているデータを分析します。

 具体的には、ノルウェー近郊の大西洋へ回遊するミン ククジラについて、生物学者と共同で、研究・調査を重ねています。
 脂肪の厚さと緯度・経度、時間、および季節との関連を調べる分析から、さまざまなことが分りました。

 それらの理由は生物学者が調べており、共同研究から見える成果に期待しています。

 

学生にメッセージ

 統計はブームですが、統計を支えている数学の理論をもっと勉強してほしい、と願っています。

 最近は、データに分析が適しているかどうかを理論的に確かめないで、統計ソフトに頼ったまま結果を発表しているケースが目につきます。

学生にメッセージ
統計解析に関する数式を学生と考える山村さん

 数学の魅力は真か偽かの世界で、隙間が入る余地がないこと。学生には、その魅力をもっと知ってほしい、と思っています。

 

難しさと喜び

 統計は数学の知識とパソコンによるデータ処理が欠かせません。
 難しい数学の問題を何日も考え、データの分析のため、根気強くプログラミング言語を書きます。

 数学もプログラミングも知りたいことにたどり着くまで、予備知識が必要で、それが幾重にも重なったとき、自分にできるのかと、難しいと感じます。
 喜びは見えなかった事象が見えるようになること。データを取っただけでは単なる数字の羅列です。

 そのデータを加工することで客観的に新しい事象を発見できることが醍醐味です。

 

これから

 広島大では今春、機械学習や統計を用いたデータの分析を学べる情報科学部を新設しました。

 人工知能など、機械が人間と同等の能力を学習する裏では、統計学が大きく貢献しているからです。

 教育の面では、統計を教えられる数学の先生を育成したいと思っています。

 自分の研究は、分かりやすく、利用しやすい統計解析の研究を追究していくつもりです。

 

PROFILE 1974年、京田辺市生まれ。大阪府立大卒。
2008年、筑波大大学院システム情報工学研究科博士課程修了。
医療経済研究機構研究員、北里大薬学部特任助教、筑波大大学院ビジネス科学研究科助教を経て2011年4月から現職。

※プレスネット2018年9月27日号より掲載

過去の「広島大学の若手研究者」はコチラ

 

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2018年8月30日

広島大学 輝く学生にズームイン! 
齋原みず稀さん(女子サッカー部)

なでしこリーグ特別指定選手に

▲広島大女子サッカー部の齋原みず稀さん

 女子サッカー部の齋原みず稀さん(20)(教育学部3年)が今年7月、日本サッカー協会・なでしこリーグの特別指定選手(※)に認定された。大学に在籍しながら、なでしこリーグの試合に出場する。齋原さんは「(なでしこリーグで)自分の力がどこまで通用するのか、試したい」と目を輝かせる。

日本代表見据え決意新た

 齋原さんは広島市安佐南区出身。サッカーを始めたのは、小学2年生のときで、「男子と一緒に遊ぶことが多かった」ことから、自然とサッカーに親しんだ。小学生のときからFW(フォワード)として活躍。中学校、高校と広島のクラブチームに所属、メキメキと力を付けた。

 高校時代はアンジュヴィオレ広島に所属。1年生のとき中国リーグで得点王に輝き、クラブの優勝に貢献。クラブをチャレンジリーグ(現なでしこリーグ2部)に昇格させる原動力になった。その活躍が評価され、U-17の日本代表に選ばれた。

▲男子中学生チームと練習試合に臨む齋原さん。持ち味は、どんな状況からでも打てる右足からのシュート

大学では、文武両道を掲げながらサッカーに打ち込む。インカレ出場が大きな目標だ。併せて、なでしこ リーグ2部に所属するバニーズ京都FCの選手としてもスタートを切った。なでしこリーグには、既に2試合に出場。1試合目は不安があったが、2試合目は自信を持ってピッチに立てた、という。「大学の活動と両立させながら、高いレベルのなでしこリーグで、いろいろなことを吸収したい」と力を込める。

武器は鋭いシュート 

 171cm、62キロ。フィジカルの強さとスピードを生かした、鋭いシュートと裏を抜け出す縦への突破力が武器だ。FWとして「1試合1得点」を最低限の目標に見据えながら、試合に臨んでいる。「FWの魅力は、自分の想像力を働かせて、ゴールをこじ開けられること。その意味で、自分の想像を超えたプレーをする、アルゼンチン代表のメッシ選手は憧れの存在」とほほ笑む。

▲アンジュヴィオレ広島時代の齋原さん

2019年と23年には女子ワールドカップが、20年には東京五輪が開かれる。「高1のときに経験した〈日本代表の景色〉は忘れられない。日の丸を背負って戦う経験は、何物にも代えがたい。上〈フル日本代表〉を目指して頑張りたい」。大舞台での活躍を夢見ている。

広島大女子サッカー部・長谷川博監督の話

 「身体的な強さとスピードが彼女の強み。トラップやドリブルなど高度なテクニックを兼ね備え、特に、右足からのシュートはどのような状況でも打てる。今後の課題はメンタル面を強化することと、高いコミュニケーション能力を培うこと。広島大が求める人物像とも一致する」

※なでしこリーグ特別指定選手制度 サッカー選手として最も成長するユース年代に、組織の垣根を越えて、個人の能力に応じた環境を提供する制度。日本サッカー協会女子委員会の認定を受けた選手が、所属チーム登録のまま、なでしこリーグ加盟チームで活動、その試合に出場することができる。

▲広島大女子サッカー部員と。「9」が齋原さん

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2018年8月23日

8月26日にナイトマーケット 西条中央公園で初開催

東広島ひとむすび

▲ゲームで使う道具を作成する学生

 広島大学の学生を中心としたサークル「東広島ひとむすび」は8月26日、西条中央公園(テニスコート側)でナイトマーケット「東広島マーケットひとむすびの場」を開く。17時~20時。

 ひとむすびの場は、東広島に拠点を置く事業者と地域の交流を目的としたマーケット。2016年から7、8月を除く毎月最終日曜日に開催しているが、ナイトマーケットは初の試み。

 地元産の野菜、ハンドメード作品、料理などを販売する約30店が並ぶ。学生は手作りのゲーム、ステージ、キャンドルサークルによるキャンドルナイトや盆踊りなどを企画し、会場を盛り上げる。運営スタッフの徳永優希さん(21)は「大人も子どもも楽しめる夏祭りにしたい」と笑顔で話していた。

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2018年7月26日

【広島大学の若手研究者】リュウキュウカジカガエルの幼生考察

プレスネットでは、広島大学の若手研究者に着目しその研究内容についてインタビューしています!🎤

今回お話を聞いたのは

両生類研究センター助教
井川 武 さん

井川武

研究テーマは進化生物学
リュウキュウカジカガエルの幼生考察
46度の温泉に生息 極限環境に適応分布拡大

 研究対象にしているのは、日本の南西諸島に生息するリュウキュウカジカガエルです。

 2013年、トカラ列島にある口之島の現地調査をした際に、リュウキュウカジカガエルの幼生(オタマジャクシ)が、これまで記録された中では最高温度となる46.1度の温泉で生息しているのを発見しました。
 今は、ゲノム進化の観点から、このカエルの高温耐性の仕組みをつまびらかにするための研究を続けています。

 小学生のときから、時代をさかのぼって考える歴史や科学全般が好きだったことで、進化の分野に興味を持つようになりました。研究の対象に両生類を選んだのは、広島大に両生類の研究施設があったからです。

 研究の出発点は、地理的な観点から生物の進化を考える系統地理学です。
 日本に生息する2系統の日本産ヒキガエル(二ホンヒキガエルアズマヒキガエル)は、遺伝的には2系統に分かれています。
 過去にそれらを分ける障壁があったと考えられ、DNA配列に基づいて推定した結果、約500万年前に日本列島が二つに分断された時期に2系統に進化したものと推察できました。

 その後、南西諸島で絶滅危惧種に指定されている両生類の遺伝的多様性に関する研究に取り組みました。この研究では遺伝子解析に地形解析を組み合わせて、絶滅危惧種が島の中でも遺伝的に分化している仕組みを明らかにしました。

 絶滅危惧種は様々な環境要因に依存していて、限られた場所でしか生息できません。生息地が連続していないと集団間の移動分散ができないために遺伝的分化が生じることが分かりました。

 それとは対照的に台湾からトカラ列島まで広く分布しているリュウキュウカジカガエルには、多様な環境条件を克服する生理的な適応力が分布拡大の要因にあるのでは、との思いが膨らみ、リュウキュウカジカガエルの研究が始まりました。

リュウキュウカジカガエル
口之島での現地調査

 気温の高い亜熱帯でもオタマジャクシが生息する水温は高くても30度程度が限界です。
 水温40度を超える口之島のセランマ温泉で、オタマジャクシがいることに気付いたときは驚きました。台湾の温泉でも生息が確認されていましたが、46.1度で生息しているオタマジャクシは、世界広しといえども口之島だけでしょう。

 オタマジャクシを研究室に持ち帰り、人工的に温度を変えて調べると、40度までは、長時間生きられることが分かりました。
 普通、生物には高温に対処するためのタンパク質がありますが、リュウキュウカジカガエルはそのタンパク質の遺伝子が他のカエルとは大きく異なっていて、効率よく働くように機能が進化している可能性も出てきました。

 未だに謎なのは、人工的な飼育では、40度までは生きることができても、成長はしないということ。口之島のオタマジャクシは成長しています。
 温泉成分に成長を促進する成分があるのでは、と考えています。もう一つ、水温30度で飼育すると、3週間で成体になることも分かりました。変態が早いといわれるネッタイツメガエルでも成体になるまでには、1カ月はかかります。
 オタマジャクシが高い温度に生息するのは生存戦略と関連性があるのでは、と推察しています。

 研究の魅力は、誰も知らないことを自分の手で明らかにしていくこと。特に今の時代はいろんなツールがそろっていて、自分の意志さえあれば大抵のことはできます。
 自分で乗り越えられたときの喜びは何にも代えがたく、研究の醍醐味でもあります。

 これまでの研究から見えてきたことは、環境適応と分布拡大の相関関係で、リュウキュウカジカガエルは、他のカエルが利用できないような極端な環境に適応することで分布を拡大できたことです。
 これからはリュウキュウカジカガエルの高温耐性について研究を深化させたいと思っています。

 現在はリュウキュウカジカガエルと高温耐性のないカジカガエルの全ゲノム解読を進めています。
 ゲノムに刻まれた進化の歴史から適応進化の仕組みを理解したい、と考えています。

 

PROFILE 1980年、江田島市生まれ。島根大学卒。
2008年、広島大大学院理学研究科博士課程後期修了。
同大学院理学研究科附属両生類研究施設特任助教、同大学院国際協力研究科助教などを経て2017年5月から現職。

※プレスネット2018年7月26日号より掲載

過去の「広島大学の若手研究者」はコチラ

 

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2018年7月5日

学術協力協定を締結 大学に研究費など助成

広島大とマイクロン財団

▲協定書を交わす広島大の山本理事・副学長とマイクロン・テクノロジーのデボア上席副社長(写真提供:広島大学)

 広島大は米国半導体大手のマイクロン・テクノロジーが設立したマイクロン・テクノロジー財団との間で6月27日、学術協力協定を結んだ。広島大は、今後5年間、同財団から、研究・教育の費用などで支援を受ける。

 同大であった調印式では、広島大の山本陽介理事・副学長とマイクロン・テクノロジーのスコット・デボア上席副社長が協定書を交わした。その後の記者会見で、山本理事・副学長は「東広島には、子会社のマイクロンメモリジャパン広島工場があり、協定は意味深い。マイクロン財団と協力し、将来のテクノロジーの発展に貢献できる学生を育てたい」とあいさつ。デボア上席副社長は「広島工場はマイクロンの重要な製造拠点の一つ。広島大を支援する中で、学生がマイクロンのビジネスに興味を持ってもらえれば」と話した。

 計画では、初年度は日本円で約1600万円を寄付。半導体などを研究する同大のナノデバイス・バイ オシステム研究所の研究資金や、同大の女性研究者への助成などに充てられる。来年度以降の使途は、毎年話し合って決めていく。

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2018年5月10日

広島大とコベルコ建機共同研究所を開設

技術開発や人材育成

▲テープカットに臨む越智光夫学長(左)と楢木一秀社長

 広島大学(越智光夫学長)とコベルコ建機(楢木一秀社長)が同大工学研究科に共同研究所を設け、4月18日、東広島キャンパスで開所式を行った。油圧ショベルやクレーンの作業効率の向上、操縦環境の改善などをテーマにした技術開発に取り組む。

 名称は「コベルコ建機夢源力共創研究所」。同大が今年4月に創設した「民間企業等外部機関の研究所制度」の第1号。研究所の所長に工学研究科の山本透教授が就任した。キャンパス内に実機試験場を整備する他、人材育成を目的にした奨学金を設立する。

 越智学長は「新たなイノベーションが起こることに期待している」、楢木社長は「高齢化に伴い労働人口が減少する中、何が必要かを共に考え、チャレンジしていきたい」と述べた。

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