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【広島大学の若手研究者】人の感性に基づいたモノづくり

2020年10月27日

【広島大学の若手研究者】人の感性に基づいたモノづくり

プレスネットでは、広島大学の若手研究者に着目しその研究内容についてインタビューしています!🎤

 

今回お話を聞いたのは

広島大学大学院先進理工系科学研究科助教

木下 拓矢 さん

 

研究者_木下さん

 

 

 

研究テーマは「制御」

センサー技術が発達した現代では、モノを動かすための、機械の電流・電圧の運転情報から原料投入量まで、あらゆる膨大なデータが瞬時に収集可能になりました。

 

そのデータベースを基盤に、効率よくモノを動かすためには、どのようにデータを抽出して、どう処理すればいいのか

 

昔ながらの人の熟練技術に頼るのではなく、デジタルで超情報化社会に合わせた、新しい制御(コントロール)のためのアルゴリズム(数式処理の手順)を導入することで、機械の立ち上げ時間の短縮や、人に依存しない製造システムの構築などを実現する研究に取り組んでいます。


少しかみくだいて説明すると、お好み焼きを焼く鉄板温度は、時間をかければ熟練者の技術で100度にすることができます。その温度を制御アルゴリズムで短時間に100度にしようということです。

 

 

人の感性を制御

近年、取り組んでいる研究です。これまでのモノづくりは、経済性を重視した結果、モノはあふれてストレスが生じる社会となっていました。

 

例えば、思い通りに車を操作できないなどです。感性を可視化して、モノが人の心を考える製品をつくりましょう、という研究です。

 

実用化を目指し、数社の企業と共同研究に取り組んでいます。

 

 

研究の実例

コベルコ建機(本社・広島県)さまとは、人の感性を踏まえた油圧ショベルの研究を進めています。

 

ショベル

 

機体の扱いに慣れている人とそうでない人で受けるストレスが変わってきます。

 

つまり慣れている人は、動きが遅いと感じるでしょうし、初心者であれば怖いという感情が先立つでしょう。

 

広島大学では、医工連携をし、医学部が開発した脳波計を用いて感性を検知し、速度の制御アルゴリズムを導入して、その人に適した速度に自動調整される新型機の開発を目指しています。

 

脳波計シミュレーション

 

制御の本質

モノに付加価値を与えるデジタル分野だということでしょう。例えば10年前の車と今の車で何が違うのか。

動くこと自体は変わりませんが、制御の導入で走行性能・燃費効率の向上に貢献しています。まさに制御は縁の下の力持ちです。

 

数式処理の手順を一つ変えることで、モノの動きが全く別になる。制御の醍醐味ですね。

 

 

認知度を高める

研究者には論文で理論を構築していくことは大切ですが、私自身は研究が目に見える形で実用化されていくことにやりがいを感じています

 

今、さまざまな企業と連携させてもらっていますが、今後も企業との連携を深め、さまざまな製品の開発をお手伝いできたらな、と考えています。


もう一つ、制御の魅力を伝え、認知度を高めることも役割かなと。制御の本質を知っている人は少ないのが現状です。多種多様な分野に応用できるのが制御の面白さ

 

考え続けること」を心に留めながら、社会に還元できる研究を続けたいと願っています。

 

 

PROFILE

木下  拓矢

1990年長崎県生まれ。

広島大学大学院工学研究科博士課程後期修了。

日本学術振興会特別研究員(PD)を経て、2018年4月より現職。

 

※プレスネット2020年10月29日号より掲載

 

過去の「広島大学の若手研究者」はコチラ

 

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2020年9月21日

【広島大学の若手研究者】40億年以上前の隕石衝突を発見!

広島大学の若手研究者に着目し、その研究内容についてインタビューしました!🎤

 

今回お話を聞いたのは

広島大大学院先進理工系科学研究科助教

池 みずほさんです。

 

小池みずほ

 

研究テーマは地球惑星科学🌏

 

 

 

 

歴史を大幅修正

地球をはじめとする太陽系の惑星形成は45億年前までにほぼ完了しました。

その形成の初期の約44億~41億年前に、惑星には大量の隕石衝突の可能性があったことが、小惑星(ベスタ)から来た隕石の年代測定から分かりました。


従来は、誕生から6~7億年後の約39億年前に地球や月に大量の隕石が衝突したと推測されてきました(後期重爆撃説)。米国のアポロ計画で採取された「月の石」の年代測定などを基にしていました。

 

しかし、その時期に地球や他の惑星に隕石が衝突した証拠はなく、惑星軌道の計算結果などとの矛盾もあり、50年にわたり論争が続いていました。今回の発見は太陽系初期の歴史を書き直すことになるかもしれません。

 

 

分析の方法

 地球で見つかった、火星と木星の間を回る直径約500kmのベスタから飛来したと思われる隕石を分析しました。隕石のリン酸塩化合物の中にわずかに含まれるウランが、時間の経過とともに壊れて鉛になっていく性質を利用。

 

 微量元素を測る特殊な装置を用いて、ウランと鉛の存在比から100分の1mmの世界を解析、ベスタに隕石が衝突してからの時間を推定しました。

 

 隕石は「宇宙からの手紙」ともいわれています。分析できたときは、見た目は何の変哲もない、ただの石ころが、45億年前の情報を残していることに感動しました。

 

左:研究に用いた隕石の写真

右:隕石の分析をした実験装置(東京大学大気海洋研究所の「ナノシムス」)

 

 

研究のきっかけ

小さいときから宇宙が好きで、親にせがんでは天文台に連れて行ってもらっていました。

大学では、地球科学や宇宙物理を学びました。

 

その中で光の波長など遠い宇宙の観測よりも手元にモノがある、近い宇宙の世界を見詰めてみたい思いに駆られ、大学院から隕石の研究を始めました。

 

 

醍醐味

普通に生活をしていると、何十億年前とか何十億年先とかのことを考えることはないですよね。

でも、研究をしていると当たり前のように、その時代の世界を想像し、現実には見えない世界なのに、その時代にアプローチすることができます。

 

 

これから

今回の研究の成果は、地球史とも大きく関係してきます。地球に生命が誕生したのは39億年よりも前ですが、その時代に後期重爆撃説が正しければ、地球最古の生き物は、大量の隕石のシャワーを振り払って生き延びないといけませんから、生き物が生き抜くには矛盾点も指摘されていました。

 

もし、隕石の衝突がさかのぼれれば、隕石衝突後の静かな時代に生命が誕生したことになりますから、その問題をクリアすることができます。


ただ、あくまでベスタの隕石からの分析。

仮説を立証していくためには、もっと多くの惑星や小惑星を調べる必要があります。

研究を深めながら、いずれは太陽系の惑星の誕生と進化を調べていきたいと思っています。

 

PROFILE

小池 みずほさん

1990年静岡県生まれ。東京大卒。
東大大学院理学系研究科博士課程修了。
宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究所(学振特別研究員)を経て、2020年5月より現職。

プレスネット2020年9月24日号より掲載

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2019年10月24日

【広島大学の若手研究者】ニワトリの遺伝資源保存法を確立

広島大学の若手研究者に着目し、その研究内容についてインタビューしました!🎤

 

今回お話を聞いたのは

大学院生物圏科学研究科助教 中村隼明(なかむら よしあき)さんです!

 

若手研究者_中村隼明_1

 

(さらに…)

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2019年10月24日

【広島大学の若手研究者】半導体の新材料を探索

広島大学の若手研究者に着目し、その研究内容についてインタビューしました!🎤

今回お話を聞いたのは

先端物質科学研究科助教 富永依里子さん(とみなが よりこ)さんです!

若手研究者_富永依里子_1

実験装置の前で研究への思いを語る富永さん

(さらに…)

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