2024年11月18日
【東広島の力〈アーカイブ〉】マイクロンメモリ ジャパン株式会社(本社・広島工場 東広島市吉川工業団地7-10)
米国半導体大手のマイクロンを親会社に持つマイクロンメモリジャパン(本社・広島工場=東広島市吉川工業団地)は、与えられたデータから新たなデータを生み出す、生成AI革命を実現する重要な技術が集積。日本の半導体産業をけん引する企業だ。(日川剛伸)
いまやAI(人工知能)は自動運転車の実用化、仕事や家事の効率化、医療や教育のICT化、工場のスマート化など、驚異的な速さで、私たちの生活を変革している。そのAIを支える半導体メモリ「DRAM」の製造と開発の拠点が、広島工場だ。
広島工場では、HBM3E(広帯域幅メモリ3E)という、業界最高水準で高性能と省電力の両立を実現した製品の量産を担う。1β(ベータ)DRAM技術を応用した量産体制が整いつつある。他にもマイクロンでは、DDR5、LP5、HBM、CXL、データセンターSSDなど、多種多様な製品群を製造・開発し、AIの未来を明るく照らしている。
マイクロンでは、多様性・公平性・包括性を重視するDEI経営を実践。その社内風土が、イノベーション(技術革新)の源泉になっている。誰もが能力を発揮できる職場環境を目指し、女性の積極採用も進める。従業員リソースグループ(ERG)を通じて、従業員同士がつながり、キャリア形成を支え合い、リーダーシップなどの能力開発ができる場がある。
入社後は、エンジニアやテクニシャンを対象に、仕事に必要なスキルや考え方、成長意欲が身につくOJTなど、現場の即戦力として育成する教育制度が充実。2024年には、広島県から「働きがいのある会社」優秀企業の認定を受けた。
マイクロンでは関係各社と協力しながら、開発、生産、調達といった企業活動全般において社会的な責任を果たしている。
サステナビリティ(持続可能性)実現に向けて、温室効果ガス、エネルギー、水、廃棄物という四つの重点目標を据えて、事業活動に伴う環境負荷の軽減に取り組んでいる。
広島工場の従業員は寄付や、清掃・イベント運営のボランティア活動にも積極的に参加し、東広島地域への貢献に努めている。
いつでも書き込み・読み出しが可能な半導体メモリ。電子機器を動かす上で必要となる、文字や画像といった情報をためておく役割を担う。DRAMは大容量を実現できるため、パソコン、携帯電話、デジタルカメラ、ゲームなどあらゆる電子機器に使われている。
2018年7月5日
学術協力協定を締結 大学に研究費など助成
広島大とマイクロン財団
広島大は米国半導体大手のマイクロン・テクノロジーが設立したマイクロン・テクノロジー財団との間で6月27日、学術協力協定を結んだ。広島大は、今後5年間、同財団から、研究・教育の費用などで支援を受ける。
同大であった調印式では、広島大の山本陽介理事・副学長とマイクロン・テクノロジーのスコット・デボア上席副社長が協定書を交わした。その後の記者会見で、山本理事・副学長は「東広島には、子会社のマイクロンメモリジャパン広島工場があり、協定は意味深い。マイクロン財団と協力し、将来のテクノロジーの発展に貢献できる学生を育てたい」とあいさつ。デボア上席副社長は「広島工場はマイクロンの重要な製造拠点の一つ。広島大を支援する中で、学生がマイクロンのビジネスに興味を持ってもらえれば」と話した。
計画では、初年度は日本円で約1600万円を寄付。半導体などを研究する同大のナノデバイス・バイ オシステム研究所の研究資金や、同大の女性研究者への助成などに充てられる。来年度以降の使途は、毎年話し合って決めていく。