2024年10月15日
【広島大学の若手研究者】異文化理解の課題・進める方法について研究
プレスネットでは、広島大学の若手研究者に着目しその研究内容についてインタビューしています!🎤
今回お話を聞いたのは
広島大学大学院人間社会科学研究科 講師
デラコルダ 川島・ティンカさん
専門は宗教社会学
異文化と自分の文化を理解できる人を増やしたい
物事はいつも見かけ通りとは限らない
専門は宗教社会学で、日本とヨーロッパの宗教から社会の特徴を明らかにする研究をしています。仏教やキリスト教という違いはありますが、教義(宗教の教えの内容)から離れて一般の人たちが日常的な生活の中で宗教性を認識することに、共通する部分があることが分かりました。聖地巡礼や困った時の神頼みなどがその例です。
教育学部の異文化間教育推進室に所属しています。宗教社会学で学んだことを基礎として、異文化理解における課題や異文化理解を進める方法について研究しています。CEDAR(セダー)という研究グループのワークショップに参加するなど、彼らの方法論を参考に日本での効果的な方法を探っています。
CEDARというのはアメリカに拠点を置く国際的なグループ。とても興味深い異文化理解の方法を実践しています。互いの違いを認識し、それを変えるのではなく受け入れながら共存することを目指します。個人それぞれが文化的な背景を持っているので、それらの文化を大切にしています。各個人のアイデンティ形成には、所属する文化はとても重要です。彼らのワークショップでは約2週間、いろいろな人たちと共同生活し、異文化と接触しながら互いの理解を深めます。すごく緊張感のある生活ですが、異文化の理解とともに自分の文化についても深く考える機会になります。
授業などで異文化理解の前に、自分と自分の文化を認識するという活動を行っています。私の専門分野の宗教社会学を活用し、自分の宗教意識について他の人と比較するというものです。これによって日本にも多様な宗教意識があり、日本人と外国人という図式だけでは他の文化を理解することができないことに気付くことができます。ワークシートを作成し大学で実践したところ、学生にとても有効であることが分かりました。
現在は、CEDARの方法を日本でも応用できるように研究を進め、日本で使用できるようなワークブックの出版に取り組んでいます。これを基にワークショップを定期的に開き、異文化理解の誤解を減らし、より深く異文化と自分の文化を理解できる人が増えるようになってほしいと思います。特に、教育学部で授業することによって将来、学生が学校の先生になり、多様な文化的背景を持つ子どもたちを支援してほしいと考えています。
東広島市には多様な国から来た人たちが住んでいます。その子どもたちも増え続けているので、学校での教育には多くの課題があります。いろいろな文化的背景を持っている人や子どもたちを理解していくことで、楽しく住める街になると思います。
2017年9月7日
学生目線で地域活動 「学生×地域塾」が本格始動
東広島市
東広島市が主催する「ひがしひろしま 学生×地域塾」が8月19日、始動した。「学生×地域塾」は地域おこしに関心のある、市内の大学・大学院に在籍する学生が対象。市のスタッフやコーディネーターなどから地域づくりのノウハウを学び、学生自らが企画した地域活動を、数回のワークショップを経て具現化していく。初めての試みで、今年度は広島大学や近畿大学の10団体が参加する。
8月19日~20日には、豊栄町の清武西地域センターで、合宿形式の入塾式とワークショップが行われ、7団体11人が参加。ワークショップでは「宿泊型の地域交流」や「留学生と地域をつなぐイベント」など団体ごとに地域活動の構想を発表、意見を交換し合った。講師として招かれた、特定非営利活動法人ひろしまジン大学の平尾順平学長らのアドバイスを受け、2日にわたり企画書を練り上げた。