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東広島の企業14

【東広島の企業】転倒対策の日用品開発に力「㈱コーポレーションパールスター」

2019.10.10

東広島で就職ってどこですればいいの?そもそも東広島に就職できるところってあるの?
そんな学生の皆さんへ東広島の企業を紹介!

今回紹介する東広島の企業は
転倒対策の日用品開発に力を入れている
「㈱コーポレーションパールスター」

㈱コーポレーションパールスターとは

 2019年で創業104年目。超高齢社会の到来を視野に、転倒予防に目を向けた、装具&器具機能を備えた日用品の開発に力を入れる。
介護保険を使わない介護社会の実現へ―。
市が提唱するその思いを、安芸津町から商品にして発信する。

工場
商品を製造する工場の現場。商品を使った顧客から感謝の手紙が届くことが従業員の支えになっている

武器は顧客からの感謝の手紙

 会社は1915年に創業。旧陸海軍の指定工場として軍足を製造した。戦後は一般靴下の製造を主に事業を営んでいたが、輸入品の興隆で売り上げが減少。そんな折、素材の良いテイジンテビロン系の糸に出合い、健康靴下を開発するきっかけをつかんだ。1992年、製造品のすべてを健康に特化した商品にすることに舵を切った。

 2004年には、糖尿病患者のための「あぜ編み靴下」を開発した。凹凸状態に編むあぜ編みが、靴下に空気をため、温かさを持続。発汗作用で靴下が濡れ、足が冷えやすくなる糖尿病患者の悩みを解消した。新宅光男社長は「あぜ編み技術は、その後の会社の商品開発の基礎になった」と振り返る。

 あぜ編みで培った技術力は、大学との共同研究として実を結んだ。06年には会社の看板商品となる「転倒予防靴下」を広島大の浦辺幸夫教授と共同開発した。室内での数ミリの段差が、つま先が上がりにくくなっている高齢者の室内転倒事故を招いていることに着目。足を上げるときにつま先が自然に上がる靴下を開発した。08年には、同じく転倒の原因となる外反母趾に対応する商品を開発した。

 大学との共同研究は医療機器への参入を促すきっかけにもなった。「商品の効果を裏付けし、販路の拡大につながる」と14年に東広島市内の会社では初めてとなる医療機器製造販売業の許可を、6年がかりで得た。

 会社に危機が訪れたのは15年。テイジンテビロンが生産中止となり、その糸を使った商品の受注が大幅に減ったからだ。年間の売上高はピーク時だった11年の3億2000万円から、16年には2億円を割るまでに落ち込んだ。

 危機を救ったのは、超極細繊維のテイジンナノフロントとの出合いだった。高い吸水性と吸着性に優れた糸が新商品開発のヒントになった。病院での患者の転倒事故は、つまずきよりも、ベッドなどからの滑落に起因することが多いことを知り、18年、腰などに据えることで姿勢を良くして滑落を防ぐ「楽位置楽座」を開発した。蒸れがなく、皮膚への刺激が少ないことから、床ずれも防止した。

 ナノフロントとの出合いで業績は徐々に回復、19年7月期の売上高は2億7800万円になった。新宅社長は「これまで転倒対策は靴下だけからの提案だったが、姿勢からも提案できるようになった。転倒対策分野の日用品メーカーのスペシャリストとして下地はできつつある」と力を込める。

 新宅社長や従業員の心の支えになっているのは、商品を使った顧客から感謝の手紙が届くことだ。会社の大きな武器でもある、という。このため、商品を製造する工場の現場では、手を抜く仕事は厳禁だ。「商品の品質を落とすことは、お客さんへの裏切り行為になる」からだ。

新宅光男社長

 大きな目標に掲げているのが、M&Aの対象となるような会社にしていくこと。「そうなれば継続的に事業を続けられる。転倒対策に特化した商品では他社の追随を許さない会社に育てたい」と新宅社長。技術力で社運を懸ける挑戦は、まだまだ続く。

コーポレーションパールスターの主な商品

転倒予防靴下(2006年開発)

転倒予防靴下

 広島大大学院保健学研究科の浦辺幸夫教授と共同開発。

 室内の絨毯の端や電気のコードなど、わずか0.5ミリ~3cmの段差が、加齢でつま先が上がりにくくなっている高齢者のつまずいての室内転倒事故を招いていることに着目。浦辺教授から足の構造を徹底的に学び、開発した。足を上げたときに足先が自然にその高さまで上がり、つまずきを回避する。

 2007年、福祉機器コンテスト優秀賞受賞(日本リハビリテーション工学会主催)。東広島逸品認定第1号。

楽位置楽座(2018年開発)

楽位置楽座

 超極細繊維を使用した、蒸れがなく、ずれのリスクがないすべり止め編地。病院内の患者の転倒事故ベッド、イス、車イスからの滑落事故対策に有効。

外反母趾対策靴下(2008年開発)

外反母趾対策靴下

 広島大大学院保健学研究科の浦辺幸夫教授と共同開発。外反母趾は拇指(足の親指)の付け根の関節が第二趾の方に「くの字」に曲がった足の変形をいう。バランス機能の低下や歩行障害の原因となり転倒しやすくなる。その外反母趾に対応する商品で違和感のない継続着用を可能にした。

レッグサポーター(2015年開発)※医療機器

レッグサポーター

 ふくらはぎを中心とした足に着用。髙い保温力とソフトなフィット力で血行を促進、むくみ防止を可能にした。2015年の熊本地震では、エコノミー症候群対策で2500セットを、東広島市社協を通じて寄贈した。

 北里大心臓内科第2予防センター長の東條美奈子医師からは、心不全患者17人に継続着用したところ、むくみ対策の有効性が得られたことが検証された。

むくみ対策靴下(2014年開発)※医療機器

むくみ対策くつ下

 東広島市産学官連携補助金事業で県立広島大保健学部の井上誠准教授と共同開発。
 第二の心臓と呼ばれているふくらはぎの動きが、足先が上がる機能を持たせることで血行が良くなり活動的になることに着目。ソフトな締め付けでむくみ防止を実現した。足先が上がることで転倒対策にも有効。

【沿革】
1915年 新宅靴下工業として創業。旧陸海軍の指定監督工場に。
1944年 新宅莫大小工場として繊維問屋との取引を開始。
1978年 新宅悦雄氏が2代目代表に就任。
1980年 帝人グループの帝健と取引開始。健康靴下の製造開始。
1991年 法人化で現社名に変更。新宅悦雄氏が代表取締役社長就任。
1992年 製造品のすべてを健康関連の商品に特化、一般靴下の生産を廃止。
2005年 あぜ編み靴下がひろしまベンチャー大賞で銀賞受賞。
2007年 転倒予防靴下が福祉機器コンテストで優秀賞。
2014年 医療機器製造業と製造販売業を取得
2015年 創業100年。代表取締役に新宅光男氏が就任。

過去の東広島の企業紹介はこちら

プレスネット2019年10月10日号より掲載

投稿者名: プレスネット

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