プレスネットでは、広島大学の若手研究者に着目しその研究内容についてインタビューしています!🎤
今回お話を聞いたのは
広島大IDEC国際連携機構教育開発
国際協力研究センター(CICE)准教授
坂田 のぞみさん
専門は開発途上国の教育開発学の研究
Contents
小・中・高校で、ダンスを習っていました。ヒップホップの起源は、アメリカで生まれたとされていますが、そのルーツをさかのぼるとアフリカからアメリカに渡ってきた黒人たちのコミュニティで生まれたダンスだと知り、アフリカに興味を持ちました。
大学2年の時にアメリカの大学に編入学し、ダンス学と人類学を学ぶ中で、開発途上国について知り、現地の人に貢献したいと思いました。
私は、教育に興味があり教員免許を取得していました。教育は貧困への貢献度が高いので教育学と人類学を掛け合わせた修士課程に進み、アフリカの教育を本格的に学びました。タンザニアで3カ月、国連機関であるユニセフの研修生として働きました。チャイルドフレンドリースクールの授業を見学し、知識を詰め込むのではなく子どもが主体的に学習に取り組む教育法が行われていることを知りました。しかし、子ども中心の教育法を開発途上国で実践することに疑問を持ち、イギリスの大学で、子どもに焦点を当て子ども中心の教育法について研究しました。子どもの経験や成績と子ども中心の教育法との関連性は、理想とは程遠かったですね。
アフリカの教育開発に関する研究を始めて11年目です。現地の教師がどのように子どもたちに教えるのかという教育法の研究をしています。西洋では、教師中心の教育法ではなく、子どもを中心とした教育法が良いとされていますが、私は、現地の文化などを考慮せずに子ども中心の教育を行うことを問題視しています。それは、子ども中心の教育法を開発途上国で行っても、机や教科書がない劣悪な環境の中では理想と現実のギャップがあるからです。現地の文化を出発点にして、どんな教育法が現地に合い望まれているのかなど、現地の価値観に根差した教育法を研究して学術論文などで発信しています。
開発途上国の研究者と共同で研究したり、興味を持ったことに疑問を持ちながら研究を進めると見えてくるものがあり、とても楽しいです。