皆さんが通っている大学のあの先生・あの人が実は全国や世界で活躍しているって知っていましたか!?
近畿大学工学部 教授
竹田史章(たけだ ふみあき)さん
にインタビューしました!
約30年前から人工知能(AI)の基礎研究とその応用の研究に取り組んできました。AIの応用の研究では、1996年に世界初となる紙幣選別機を開発。
銀行などのATM(現金自動預払機)の一部に備え付けられている機能で、 紙幣の表や裏の図柄、大きさの違い、さらに、色合いなどを識別し、紙幣別に分類 できます。
「破れや汚れがある紙幣など、曖昧なものを取り込んでも正しく判断できるのがAIの醍醐味」
と竹田教授。紙幣選別機は海外からも評価が高く、国内では権威ある新技術開発財団市村学術賞を受賞しました。
開発した紙幣選別機のシステムを基に、食品の異物検査をするシステムや、車の部品選別機、投薬検査機、魚類選別機などを企業と共同開発しました。
これまでに開発した知能システムは50を超えるそうです!世の中に普及するようにと、コストを抑えて製作しています。
現在、AIを用いて、鉄筋の建物内でも自律飛行できるドローンも開発しているそうですよ!
紙幣選別機の他、鶏肉から血合いと羽毛を検知するシステム、薬の中身が合っているか判別するシステムなどを開発。いずれも私たちの生活に身近なところで、技術が使われています。
竹田教授が大学生の頃に憧れたのが産業用ロボット。卒業研究は、産業用ロボットについて取り組みました。研究する中で、ロボットの知能の部分が全く追い付いていないことを目の当たりにしたことが、AIの研究を始めたきっかけ。
AIを研究している理由の一つを
「専門家のノウハウや知識、匠の技は、なかなか伝授できないが、AIを使えば、継承することができるのではないか」
と話していただきました。
現在5社とAIを用いたシステムを共同開発。2017年3月に特許を出願したのは、食品の異物検査にAI技術を応用したシステム。
従来、鶏肉から血合いと羽毛を検査するには、人手や目視で対応していたが、AIを使用して検査するシステムを企業と共同で開発。血合いと羽毛の検知率が約1.5倍、処理スピードが約4倍となりました!
今年の春からは、鶏肉の素材を無駄なく使えるように、肉片から血合い部分の位置を特定する研究を開始。
どこに血合いや異物がついているか、部位を特定することで、異物部分を除去することを想定しているそうです。
2008年に特許を出願した薬選別機は、薬の中身が合っているか判別できます。薬剤師を支援するための機械で、処方された薬の飲み忘れや飲み間違いなどを防ぐことができます!
竹田教授が開発した多くの知能システムは、ほとんどが人の命やお金に関わる、私たちの暮らしを支えるもの。
このため、「精度と信頼性」を常に念頭に入れながら、開発してきました。
「高齢化は避けられない問題。人間型の看護士ロボットが、プライベートに配慮しながら対応してくれることを、誰もが望みます。メカは進歩しているが、知性が全く追い付いてない。知性の進化をいち早く実現できたら」
と挑戦を続けられています✨
※プレスネット2019年10月24日号より掲載
投稿者名: プレスネット