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CAMPUS

【広島大学の若手研究者】高機能のロボット義手の開発に成功

2021.04.28

プレスネットでは、広島大学の若手研究者に着目しその研究内容についてインタビューしています!🎤

今回お話を聞いたのは
広島大大学院先進理工系科学研究科 助教
古居 彬 さん

研究テーマは「生体電気信号」の確率モデルの構築

Contents

研究テーマ

私たち(人)が体を動かそうとするとき、脳から出た指令が電気信号という形で対象の筋肉に伝わります。

この指令に応じて筋肉が収縮するのですが、その際にも筋肉から微弱な電気が発生します。
このように身体各部から生じる生体電気信号を計測し、性質を理解することで、医療や福祉分野に役立つ応用システムの開発を行っているのが私の研究です。

これまで、筋肉の電気信号である筋電位信号を使って動かす、ロボット義手(筋電義手)の開発や、脳の電気信号である脳波を用いて、てんかん発作を見つけ出すことに取り組んできました。


研究のモチベーション

現在、実用化されている筋電義手の多くは、「握る」「開く」までの機能しか持ちません。
筋電位信号からうまく使用者の運動意図を抽出することで、もっと人の手に近い動作を実現したい、というのが大きなモチベーションになっています。

注視しているのが、筋電位信号の生成過程を確率モデル化し、隠れた性質を取り出すことです。


筋電位信号パターンの計測器

例えば、手首を動かす電気信号でも、手首が疲れていた場合には、計測される電気信号も変わってきます。そうした隠れた信号を解析することが、人の手に近い筋電義手の開発につながるからです。


成果

さまざまな人たちとの協力を得ながら、3Dプリンタ製の高機能筋電義手を開発することができました。


上肢切断患者が筋電義手を操作している様子

 

3Dプリンタは、製造コストの削減やメンテナンス性の向上につながります。

兵庫リハビリテーションセンターの共同研究で、人工知能(AI)と組み合わせ、各指の独立した単一動作をシステムに機械学習させるだけで、例えばつまみの動作など、学習を行っていない、なめらかな動作の実現に世界で初めて成功しました。


研究の動機

小さいときからロボットに興味がありました。
高専でプログラミングを学んでいる間に、生物のもっているすぐれた機能を人工的につくって応用する生体工学の分野があることを知ったのが、研究に取り組むきっかけになりました。

脳波の解析をテーマに取り組んだ高専の卒論で、生体工学の面白さに惹かれ、人と機械(ロボット)がつながる研究に取り組んでいる、広島大に編入学しました。

 

心に留めていること

研究の基本は、データを使って何をすべきかを探求することです。

ですから、データに対しては真摯に向き合うことを心掛けています。

予想外の計測結果が出ることがありますが、データは嘘をつきません、向き合うことで新しい発見に気が付くこともあります。


これから

現在の研究領域は、筋電位信号と脳波だけですが、心臓や血管など研究対象を広げ、より多くの生体電気信号の性質を探り、社会に役立つ応用研究につなげたいと思っています。

 

PROFILE 1993年鹿児島県屋久島生まれ。2019年広島大学大学院工学研究科博士課程後期修了。18年〜19年日本学術振興会特別研究員(DC1)。19年10月から現職。

※プレスネット2021年4月29日号より掲載

過去の「広島大学の若手研究者」はコチラ

 

投稿者名: プレスネット

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