プレスネットでは、広島大学の若手研究者に着目しその研究内容についてインタビューしています!🎤
今回お話を聞いたのは
広島大アクセシビリティセンター 助教
坂本 晶子 さん
情報の利用しやすさを切り口に研究
学生時代や産業技術総合研究所の研究員時代は、液体など規則的に並んでいない不規則系の分子の性質を、計算機を使用する大規模シミュレーションで調べる研究を行っていました。
研究員時代は水素をエネルギーとして活用する場合に、どこに貯蔵すれば、水素をうまくエネルギーとして引き出せるかを、計算機を使って可視化しながら研究をしてきました。
計算で得られたデータの可視化プログラムを作成し、可視化を行う様子
2011年から現在の職場であるアクセシビリティセンターに所属しています。アクセシビリティとはアクセスしやすさ、利用しやすさ、分かりやすさなどといった意味がります。
これまでの物理とは異なる分野の研究を行うきっかけになったのは、アクセシビリティという切り口を、科学として研究することが新鮮で興味を覚えたからです。
シミュレーションという、計算機を使用する研究をしていたことや、学生時代に情報セキュリティーに関わりを持ったこともあり、「情報」に関するアクセシビリティに興味を持ち研究を始めました。
インターネットの普及で、情報量が増加する中で自分が求める情報にアクセスしやすくするにはどうすればいいのか。インターネットはサーバー上でつながる巨大なネットワークですが、その情報がどのように移動し、どのようにつながっているのか。この2点に絞って研究を続けてきました。
まだまだです。たくさんの情報から選んでいるつもりでも、一つのテーマをひたすらたどっていくと偏った情報にいきつくこともあります。
言い換えればたくさんの情報を見ているようで、実はフラットではない細い情報にたどりつきます。
一方で、たどるよりも、感覚的に検索して情報を探すことも手法としてはありです。正確な情報を得るためのポイントはあるはずなので、そこを模索しています。
広島大学には、全学生に質の高い同一の教育を保障するという理念があります。障害などで不自由さのある学生に分かりやすく、実務的な情報を提供するためにはどうすればいいのか。システム開発など業務に関連した研究も増えそうです。
さまざまな角度から見ることで、それまでとは異なる見方ができることが興味深いですね。一方で、予測がつかないことが研究の難しさです。
これまで立てていた予測や考え方を、アクセシビリティという切り口で見たとき、違うものが見えてくることがある一方で、分からないことも出てきて、面白くもあり難しくもあります。
インターネット上のアクセシビリティからの科学とは何か。そのことを突き詰めていくのがこれからの夢です。
※プレスネット2019年9月26日号より掲載
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投稿者名: プレスネット