プレスネットでは、広島大学の若手研究者に着目しその研究内容についてインタビューしています!🎤
今回お話を聞いたのは
広島大学大学院統合生命科学研究科助教
緋田 安希子さん

専門は応用微生物学の研究
■研究者を目指すきっかけ
研究者を目指した明確な動機はなかった。大学4年時、「なんとなく面白そう」と選んだ研究室で、誰も希望しなかった地味な卒業研究に没頭。試行錯誤の末、努力が結果につながる研究の面白さを知り、大学院に進学し研究者の道へ進んだ。
■専門は
専門は、応用微生物学で、細菌が環境を感じて移動する「走化性」を研究している。べん毛で泳ぎ(図1)、好ましい物質に近づき嫌な物質から離れる仕組みを、複数のセンサーの働きから解き明かしている。

■研究と成果
主な研究対象は、トマトなどを枯らす植物病原菌「青枯病菌」だ。成果は3つある。基礎研究から防除への応用につながる道筋を示した。第一に、青枯病菌が持つ22種類の走化性センサーについて、遺伝子を一つずつ壊して解析し、約半数の機能を明らかにした点。第二に、植物の根から分泌されるリンゴ酸を感知して菌が集まり、感染が成立する仕組みを解明した点。第三に、その性質を利用し、リンゴ酸を周囲に散布することで感染を抑えられる可能性を、実験室レベルで示したことだ。
■研究のやりがい
世界中の誰も知らない現象を、自分の手で一つずつ明らかにしていく過程が何より面白い、という。未知のセンサーが思いもよらない物質を感知し、その理由を探る中で、細菌の戦略的な行動が見えてきた瞬間は大きな喜びを感じる。「どうなんだろう」と考え続けることが、そのまま仕事になっていることに研究の魅力があると語る。

■今後の研究目標
今後は、防除への応用も視野に入れつつ、残る未知のセンサーを解き明かすことを目指している。まずは細菌の行動原理を明らかにし、その先に防除につながる可能性を探りたいとしている。
■学生へ
計画通りに進む道だけが正解ではない。将来を考えることは大切だが、目の前で「楽しい」「面白そう」と感じる気持ちを大事にする選び方もある。考えすぎず進めば、自分に合う道が見えてくることもあるかもしれない、という。
(山北)