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【広島大学の若手研究者】実験室で地球の内部環境を再現し、地球の新陳代謝を解き明かす

【広島大学の若手研究者】実験室で地球の内部環境を再現し、地球の新陳代謝を解き明かす

2025.12.16

プレスネットでは、広島大学の若手研究者に着目しその研究内容についてインタビューしています!🎤

今回お話を聞いたのは

広島大学大学院先進理工系科学研究科 地球惑星システム学プログラム 准教授
岡﨑 啓史さん

岡﨑 啓史さん

専門は地球惑星科学の研究

■専門分野は地球惑星科学

 「岩石力学」「岩石レオロジー(流動学)」「構造地質学」の研究をしています。具体的には、地震が起きる仕組みや地球の内部の層がゆっくり流れる動きなど、天体の地下深くで起きている現象を解き明かす研究です。良い仲間と研究環境に恵まれていることが、研究を続ける上で大きな支えになっています。

■研究者をめざすきっかけ

 高校の理科教師を目指し、広島大学に入学しました。しかし、地球惑星科学の研究に取り組むうちに未知の発見に挑む楽しさに引かれ研究者の道へ進みました。

Griggs型高温高圧変形実験装置を用いた実験の様子
Griggs型高温高圧変形実験装置を用いた実験の様子

■研究目標

 地球だけでなく、他の惑星や天体の内部でどんな変形が起きているのかを明らかにすることを目指しています。地球の内部では、岩石がゆっくりと変形しながら、同時にさまざまな化学反応が進んでいます。私はこの仕組みを、地球が自らを更新し続ける〝惑星の新陳代謝〟と表現しています。こうした現象を理解することで、過去だけでなく数千万~数億年先の惑星の未来を推測する手がかりとなります。

■研究内容と原動力

 地球や他の天体の内部にある高温・高圧の環境を実験室で再現し、試験機を自作・改良しながら、岩石や鉱物がどう変形・反応するのかを調べています。実験を通して、地球の過去と現在を明らかにし、未来の姿を探る研究をしています。「過去を知って現在を理解し、未来を読み解きたい」という思いが原動力です。最近では、小惑星や彗星(すいせい)が別の天体に衝突する「天体衝突」の研究にも取り組んでいます。

学生との野外調査風景

■研究成果

 地球内部には多くの水があり、その水が地震の発生に関わっていると考えられています。沈み込んだ岩石に含まれる〝水を持つ鉱物〟は、深部で高温になると分解して水を放出し、これが地震を引き起こす可能性があります。こうした反応は、特定の深さや場所、物質がそろって初めて起こります。この現象を高温・高圧実験で再現し、地球の深いところで起こる深発地震のメカニズムを示すことができたことは、大きな研究成果であると考えています。

(山北)

PROFILE
 1985年鳥取市生まれ。広島大学大学院理学研究科博士課程後期修了。博士(理学)。米国ブラウン大学博士研究員、海洋研究開発機構(JAMSTEC)研究員などを経て、2022年4月より現職。

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