【広島大学の若手研究者】骨から全身を元気に若返り スマイルエクササイズの開発・研究
2023.09.27
プレスネットでは、広島大学の若手研究者に着目しその研究内容についてインタビューしています!🎤
今回お話を聞いたのは
大学院人間社会科学研究科 准教授
黒坂 志穂さん
専門は健康科学
骨から全身を元気に若返り
スマイルエクササイズの開発・研究
Contents
私は4歳から20年間、競泳競技を行ってきました。しかし、日々のトレーニングにも関わらず、骨は弱く、低体温で、常に体のだるさや眠気がありました。アスリートにも関わらず、このような不健康に疑問を感じ、筋トレや筋膜リリース、ストレッチなど考えつく方法をすべて実践したのですが、全く改善しませんでした。そんな時、骨の健康法を提唱している勇崎賀雄先生に出会い、理論を学び実践するうちに、みるみる体が健康になり、今では幼少期よりも元気に溢れ、快活になりました。そのため、現在は「骨」に着眼した健康効果の検証を行っています。
骨は白くて硬いだけの運動器だと思われがちですが、実は違います。血液を造り、カルシウムの調整を行い、免疫細胞をつくり、ホルモンの調整まで行って体を支えています。血液の99%を占める赤血球は酸素を運搬し代謝をつかさどっているので、骨を元気にすることは代謝系統全般を活性化することに直結します。また、骨は単体として強化した際の骨密度の増加のみならず、骨の端っこである「関節」へアプローチすることで、適切な可動域を改善できます。さらに全体として「骨格」を構成しているので、そのゆがみを調整することで、総合的な体のバランスを改善することが可能です。
大腿骨を骨折すると、4~5人に1人が1年以内に死亡するというデータがありますが、死に至らなくとも、骨量が減ると全身の臓器に悪影響が出ることが報告されています。この背景には、骨を作る細胞の働きが関係しています。骨芽細胞は、骨をつくる際に、たくさんのホルモンを分泌しており、それが血管を通じて他の臓器に送られ、全身の臓器の機能を向上させるー若さを保つ働きをしています。そのため、骨粗しょう症になることは、骨折のみならず全身の老化も進んでしまうことに留意しなくてはなりません。
骨は、「負荷」と「振動」を与えることで強くなります。またそれらは低強度で良いことが判明しており、簡単な貧乏ゆすりや、手に空気を含んだ状態で関節をポコポコ叩くなどの方法で、イスに座った状態でも、気軽に骨は強化できます。
実際に、私が実施している体操教室では、全体のプログラムの3分の2をイスに座って行いますが、参加者の方々の骨は強くなり、運動機能は改善し、姿勢も美しくなっています。また、顔の骨も加齢により骨粗しょう症になるのですが、頭蓋骨にアプローチし、しわの減少や小顔効果など、実際に見た目が若返る効果も実証されています。
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